ガソリンスタンド店員が10億円を築いたけど、残念な部分もある

シーゲル二郎です。

便乗記事で失礼します。アメリカ人の普通のガソリンスタンド店員が、投資で約10億円という資産を築いた話が一時期話題になりました。詳しくは外部リンクをご覧ください。

外部リンク「バフェット太郎の秘密のポートフォリオ

アメリカのバーモンド州に住んでいたロナルド・リード氏という人物で、残念ながら2014年に92歳で他界しています。

職業はガソリンスタンド店員なので、決して高給取りではなく、どちらかといえば貧乏な立場ともいえる人でした。給与収入は少なかったようですが、米国株への投資によって10億円という巨万の富を得ました。

とはいっても、よく言われるようなハイリスクな取引ではなく、消費者に馴染み深い優良企業をひたすら保有し続け、配当金再投資を続けていっただけです。投資を始めたのは37歳からだったので、92歳までの55年間に及ぶ超長期投資を実践していた人でした。

ここだけ切り取るとバフェット氏(本家)の戦略のようにも思えますが、ロナルド・リード氏はただのガソスタ店員だったわけで、特別高度な金融知識を持っていた人とはいえません(多分)

保有銘柄数は100銘柄近くあったようで、ウェルズ・ファーゴ(WFC)コルゲート・パルモリーブ(CL)のような米国株クラスタならみんな知っている優良企業ばかりです。

銘柄が100もあればほぼ市場平均に連動しますから、バフェット氏のような集中投資ではなく、ごく平凡な分散投資を心がけていた人でした。

シーゲル二郎は貧乏人なので、この話は大変勇気づけられた部分もあります。

ですがそれ以上に、10億円という資産を残してこの世を去ってしまうのは非常にもったいないと思いました。

ロナルド・リード氏の資産の大半は、地元の図書館や病院に寄付されたようです。地元のスーパースターとして語り継がれる素晴らしい人物になりました。

ですが、投資家としてこの結末を受け入れたいとは思いません。

シーゲル二郎が投資をしているのは、「将来お金に困らないようにするため」という理由が第一です。

ですが2番目に、「お金持ちになって悠々自適に暮らしたい」という理由があります。

シーゲル二郎は大金を残してこの世を去りたいとは思いません。亡くなる瞬間はほとんど財産が残っていないような人生を歩みたいと思っています。

これを実践するためには、ある程度の年齢以降は出口戦略を意識して売却していかなければならないので、生涯バイアンドホールドをすることはできません。

配当金暮らしについてもそうですが、元本を売却しないで配当金だけで生活するのは、少し違和感を覚えます。

参考記事「配当生活は幻想だ!

二世に引き継いで一族の永久の繁栄を目論むとかなら別ですが、普通の一般人であれば、自分が築いた資産は自分で使いたいと思うのが正直な話です。

ロナルド・リード氏は、だんだんお金が増えていく株式投資というゲームを楽しんでいたので、自分で使うという発想がなかったのだと思います。

貯金・節約が目的ではなく趣味になってしまった感じですね。

もちろんその発想が悪いわけではありませんが、少なくともシーゲル二郎はそうなりたくはありません。

投資資金は、言わば自分の時間(=命)と引き換えに得た大事なモノであり、将来は自分のために使いたいです。

値動きに一喜一憂せず、超長期投資で一財産を築いたという話は、多くの投資家が学ぶべき伝説であることに間違いありません。

ですが、その最期を考えた場合、決して羨ましいとは思えないのも事実です。

資産形成期においては、ゲームのような感覚で気楽に考えるのはいい心がけだと思います。ですが、将来大きな資産を築いた後は、「時間(=命)を削って得た大切な宝物」と考え、自分のために大事に使っていきたいです。

将来お金を寄付するために投資している人は別ですが、そうではない大多数の人にとっては、最期の部分だけは参考にすべきではないと思います。

バイアンドホールドでも出口戦略をしっかり練らなければ、本当の意味で投資の成功とはいえないからです。

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