エマソン・エレクトリック(EMR)分析
シーゲル二郎です。
今回はエマソン・エレクトリック(EMR)を分析していきます。
電気・電子機器を中心としたコングロマリットで、BtoBが基本の会社です。
連続増配…60年
S&P格付…A
採用インデックス
・米国配当貴族指数
・S&P500
連続増配企業は60年と非常に素晴らしいです。事業内容としては、プロセス制御・制御バルブ・冷凍空調制御が強みのある分野です。
しかし、60を超える事業部門があり、それぞれが独立して存在しています。
言わばエマソン・エレクトリックは複数企業が集結したコングロマリットなのです。
そのため、バフェット氏の「理解できない企業に投資しない」という言い訳で投資を避けれやすい企業です。
シーゲル二郎も真面目に分析はしませんが、投資はしたいので進めていきます。
出典「emerson.com」
少し古いデータですが。ここで見てほしいのは、事業の内訳ではなく、その中身の移り変わりです。産業機械を中心としているのは変わりないですが、数十年の間で、別の企業じゃないかというほど割合が変化しています。
創業は1890年と非常に古く、当時からこのような変化をしながら成長してきたのだと思います。
ちなみに現在はこんな感じです。
プロセス・マネジメント…プラントプロセス機器類、プロセスコントロールのためのソフトウェア及び各種システム製造販売。
コマーシャル&レジデンシャル・ソリューション…専門職向け及び一般向けの工具の製造販売。
冷凍空調制御装置…住宅や業務用の冷凍空調制御装置の製造販売。
インダストリアル・オートメーション…風力発電用のコンポーネンツ、超音波溶着機、電磁弁、モーターや発電機などの回転機、インバータやサーボモーター、防爆製品などの製造販売。
細かく分けたら60部門を超えることになるので、誰もエマソン・エレクトリックの本当の姿を知る人はいないでしょう。
多くの部門では、トップシェアを取っているようです。
基本的に米国企業は、自分が勝てないと思った分野はすぐに売却やスピンアウトし、自分の強みを強化する「選択と集中」を積極的に行っているからです。
勉強が得意な人は、無理に運動を頑張らなくてもいいんです。逆もしかり。
事業再編中なので売上高は下がっていますが、純利益は横ばいです。最近はドル高が進んでいるので、売上が下がっているけど純利益が横ばいの企業が多い気がします。
景気に左右されやすい資本財セクターでこの安定性は見事です。
安定感は抜群です。設備投資も少なく済んでいます。営業キャッシュフローは15%前後で推移しており、十分な水準です。
直近では利益が減っていますが、2016年に行ったネットワーク事業部門のスピンオフが影響しています。今後の増配も問題なさそうです。
自己資本比率が減っていますが、自社株買いによる部分が大きいので問題ありません。ROEも高く、合格点です。
現時点情報(2017/8/22)
株価…58.00ドル
配当利回り…3.3%
連続増配…60年
株価はあまり伸びていません。配当利回りは3.3%と高配当です。投資して問題ない水準です。
ここまで非常にふわふわな説明をしてきましたが、非常に良い企業だと思います。
製造業という儲からない分野であっても、高い利益率、安定性を誇っています。
古臭い考えですが、やはり大事なのはモノづくりだと思っているので、このような実体経済に役に立っている企業は応援したくなります。
しかし、日本のモノづくりのように株主や社員をないがしろにするものではなく、社員、顧客、株主それぞれを幸せにする企業こそが本当に必要なんだと思います。
コングロマリットであることでバフェット派から嫌われ、資本財セクターであるためシーゲル派から嫌われているという2重苦を抱えていますが、事業が理解できるかどうかとか、セクターがどうとかは関係ないと思っています。
ようするにちゃんと世の中に役立つ製品を作っていて、どんな時でも利益を上げ配当を出す企業であればいいんです。
上記を満たし、投資家の期待がかかっていないエマソン・エレクトリックは、個別株投資するなら絶対欲しい銘柄です。