iシェアーズ MSCI EAFEバリュー(EFV)を分析。米国除く先進国株の割安株に投資できるETF

つみたて次郎です。

今回は、iシェアーズ MSCI EAFEバリュー(EFV)を分析していきます。

読者様からのコメントで初めて知ったのですが、北米を除く先進国株バリュー株にまとめて投資できるETFとなっています。

いわゆるスマートベータ系ETF(つみ次郎の好物)というやつですが、この手のETFを分析する際は「標準的なインデックスと比べてどう違うか?」が重要です。

そのため、バリューもグロースも全部カバーしているiシェアーズ MSCI EAFE(EFA)と比較していきたいと思います。

 

各種指標(2020/1/31現在)

それぞれのデータをまとめていきます。

EFV(バリュー) EFA(全体)
信託報酬 0.39% 0.32%
銘柄数 528銘柄 943銘柄
PER 12.05倍 16.15倍
PBR 1.12倍 1.69倍
配当利回り 4.61% 3.09%

 

信託報酬は0.39%と高めですが、各種指標は魅力的に見えますね。

高配当ETFというわけではありませんが、バリュー株≒高配当株になりやすいため配当利回りは5%近くと高水準です。

銘柄数は500を超えており、EFA(全体)でも1,000銘柄以下であることを考慮すると、かなり広い範囲をカバーしているETFといえそうです。

 

セクター比率(2020/2/2現在)

EFV(バリュー) EFV(全体)
金融 33.90% 22.20%
資本財 11.60% 15.62%
一般消費財 11.50% 12.50%
エネルギー 9.45% 5.35%
素材 8.40% 6.99%
ヘルスケア 7.11% 11.92%
公共事業 6.30% 3.63%
コミュニケーションサービス 6.15% 3.81%
生活必需品 3.46% 11.14%
情報技術 2.15% 6.84%

 

全体的な傾向としては、バリュー株ETFらしく金融セクター比率が高いですね。

生活必需品セクターが低いのはちょっと意外でしたが、米国外でも生活必需品セクターは割高気味ということですかね。

その他も微妙な差異はありますが、おおむね市場平均に準じたセクター比率といってよさそうです。

 

 

国別構成比率(2020/2/2現在)

EFV(バリュー) EFV(全体)
日本 24.63% 24.48%
イギリス 21.90% 16.70%
フランス 10.34% 11.18%
ドイツ 9.71% 8.64%
オーストラリア 6.70% 6.74%
スイス 5.57% 2.73%
スペイン 4.00% 2.86%
イタリア 3.75%
香港 3.06% 3.33%
スウェーデン 2.16% 2.73%
オランダ 3.93%

 

国別の比率で見ても、特別大きな特徴は見られないですね。

しいていえばイギリスの比率がやや多いくらい。

なお、個別銘柄別でみるとトヨタ自動車(7203)構成比率2.23%でトップになっています。

ちなみにEFA(全体)では上位からネスレ(2.26%)、ロシュホールディング(1.62%)、ノバルティス(1.40%)、トヨタ自動車(1.10%)になっています。

トヨタの構成比率がちょうど半分になっていることを考慮すると、時価総額加重でバリュー株上位半分をカバーしているといえそうです。

国内最強企業がバリュー株ETFのトップに組み込まれているというのは、嬉しいのか悲しいのかよく分からないですね(辛)

 

トータルリターン

 

 

バリュー株ETFの宿命ですが、過去10年間のトータルリターンについては普通のインデックスにボロ負け状態です。

特にコメントはないです(塩対応)

 

つみ次郎の評価

大元となるETF(指数)と比べ、銘柄数も時価総額も大体半分くらいをカバーしており、セクター比率や国別比率もそこまで違いはありません。

バリュー株を意識しつつ幅広い分散投資が両立されており、つみ次郎としてはかなり好みです。

米国外先進国株バリュー株ETFとして考えた場合、競合は何といってもバンガード・米国外高配当株(VYMI)でしょう。

こちらはバリューではなく高配当であり、新興国株が2割ほど含まれているという違いはありますが、コンセプトとしてはかなり近いです。

配当利回りもかなり近く、信託報酬もそこまで大きな差はない(0.38%0.27%)ため、なかなか悩ましい選択肢と言えます。

少し高めの信託報酬に目をつむれば有力ファンドと言えそうですが、最大のデメリットは国内証券で取り扱いされていないという点です(多分)

少なくともSBI証券・楽天証券・マネックス証券にはありませんでした(辛)

みんな大好きサ〇ソバンク証券では取り扱いされているようですが、一般口座になってしまうためハードルは高いです(激辛)

米国株ですらバリュー株ETFはそこまで人気があるジャンルとは言えないので、仮に国内証券で取り扱いが開始したり、サク〇バンクが特定口座に対応したとしてもFEVにスポットが当たることは当面ないでしょう(辛辣)

つみ次郎としてはVYMIと並び注目していきたいファンドなので、陰ながら応援していきたいと思います(買うとは言っていない)

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FEV次郎

iシェアーズ MSCI EAFEバリュー(EFV)を分析。米国除く先進国株の割安株に投資できるETF” に対して1件のコメントがあります。

  1. らっきょ より:

    私はUSMVという最小ボラティリティETFが気になっています。
    日本の証券会社ではまだ取り扱いがないのが残念です。

    iシェアーズ・エッジMSCI Min Vol米国ETF(iShares Edge MSCI Min Vol USA ETF)は、 米国籍の上場投資信託。米国株式市場全体と比較して、総合的なボラティリティが低い米国株式銘柄で構成される指数に連動する投資成果を目指す。
    https://www.bloomberg.co.jp/quote/USMV:US

  2. つみたて次郎 より:

    >>らっきょ様

    信託報酬も安く、内容も独自で面白そうですね!
    低ボラティリティ効果も有名なアノマリーなので、スマートベータ派としては気になるところです。

  3. 匿名 より:

    リクエストに応えてくださりありがとうございました。

    シーゲル流ポートフォリオで高配当戦略枠にVYM+VYMI、バリュー戦略枠でVTV+EFVとか考えていましたが、同じようなものを2本割り当てる必要性はないかもしれませんねえ。
    あとVTV+EFVだと(新興国がないのは気にしないとしても)、カナダが含まれないんですよね。

  4. つみたて次郎 より:

    >>匿名様

    VYM+VYMI+VTV+EFVという高配当とバリューのミックスポートフォリオは私も思い浮かびました(笑)
    それぞれ重複する部分はかなり多いと思いますが、総合的に「高配当かつバリュー」な銘柄の比率を高められそうなのでかなりよさげな気はします。

    地域別ETFの組み合わせだとカナダは漏れがちですね。
    私自身は投資していないので何とも言えませんが、カナダは通貨も経済も米国とかなり被るので外してもよさそうな感じはします。

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