コノコフィリップス(COP)分析
シーゲル二郎です。
今回は、コノコフィリップス(COP)を分析していきます。
川上部門に特化した石油企業です。
連続増配…0年
S&P格付…A-
採用インデックス
・S&P500
もともと川上から川下まで垂直統合のオイルメジャーでしたが、2012年に川下部門を分離しており、現在は川上部門のみを行っています。
川下部門はフィリップス66(PSX)と社名変更されており、バフェット銘柄として有名です。
石油の事業内容は、主に二つに分けることができます。
川上…油田の開発、採掘
川下…精製、販売
コノコフィリップスが行っている川上は、利益率が高い代わりに、原油価格に影響されやすいことが特徴です。
コノコフィリップスと原油価格のチャートです。川下を切り離した2012年ごろには、原油価格が回復していた時期でした。もともと川下は卸売業に近い性質のため、利益率が低い事業となっています。そのため、原油価格が高めの時にはお荷物になりやすいです。
そのため川下を切り離すという戦略に出ました。しかし、その後原油価格は暴落し、コノコフィリップスの経営も急激に悪化しました。
オイルメジャー最大のエクソンモービルは、逆に川下部門を3割ほど残していたので、原油価格が下落しても黒字を維持することができました。当時はなぜ川下をそんなに維持するのかという批判も多くありましたが、結果戦略としては大成功でした。
企業を経営するのも、投資をするのも所詮人間ですから、調子に乗ってしまう性なのかもしれません。
オイルメジャーの多くは海外売上比率が高いので、比較的米国内が中心の企業といえます。
川下のフィリップス66分離後は大きく売上が減少しています。その割には利益は減っていないので、いかに川下の利益率が低かったかがうかがえます。しかし、2014年からの原油価格暴落により、赤字転落しています。
営業CFマージンも全く安定しておらず、非常に不安定です。投資CFがぶれるのは仕方がありませんが、投資CFもこれだけ減ってしまうと設備投資も大きな負担になります。
リーマンショックが起きた2008年は赤字です。オイルメジャーのエクソンモービルやシェブロンは普通に黒字だったので、川下があった時点から既に不況に弱い体制だったといえます。
直近では赤字続きで、配当金も減配になっています。
自己資本比率は40%をずっとキープしており高水準です。コノコフィリップスに限らず、エネルギーセクター企業は固定資産が多くなるので、自己資本比率は高めで安定している傾向にあります。
現時点情報(2017/9/17)
株価…46.51ドル
予想PER…赤字
配当利回り…2.31%
連続増配…0年
原油価格との比較です。強い相関があり、原油価格と株価が連動しています。直近が赤字なので、PERも測定不能です。配当金も減配しており、利回りも2.3%と低めに出ています。
全く期待していませんでした。川上100%の石油企業なので、原油価格がすべてともいえる事業内容です。赤字で減配もしているので、エクソンモービルなどに比べると大きく見劣りします。
原油価格の回復を予想しているとしても、川上90%で連続増配中のシェブロンでいいような気がします。
長期投資向けの企業とはいいがたく、原油価格に合わせて短期で売買する銘柄だといえます。