米国配当貴族が市場平均を超えるシンプルな理由
シーゲル二郎です。
最近ではスマートベータを取り入れた投資信託やETFが人気ですが、前回の記事でけちょんけちょんにしてやりました。
しかし、シーゲル二郎の投資法もスマートベータに近い運用であり、自分で自分をけなしている状態です。これではあんまりなので釈明したいと思います。
スマートベータの弱点は、ポートフォリオが偏るため、本来抱える必要のないリスクを負うことになることと、時価総額インデックスよりも売買が増えるため税金と手数料がかさむということです。
ようするに、リスクと税金と手数料をカバーできるリターンがあることが証明できればいいわけです。しかし、もし証明出来たらシーゲル二郎は世界的経済学者になれてしまうので、ここでは意見の1つとして聞いてください。
まず、二郎ではないほうの本家ジェレミー・シーゲル氏の分析では、企業の成長性とリターンは関係ないという事実を証明し、「成長の罠」と名付けました。
そして、それを裏付けるデータとして、次の項目ごとのリターンについて著書で記しています。
項目 | 低リターン | 高リターン |
設備投資 | 多い | 少ない |
PER | 高い | 低い |
PBR | 高い | 低い |
利益成長率 | 高い | 低い |
配当利回り | 低い | 高い |
歴史的には、左側の特徴のある企業よりも、右側の特徴のある企業のほうが、リターンが高かったです。
。右側の企業は、全体的に低成長な企業が多いことが共通しています。シーゲル氏の成長の罠は、ここでしっかり証明されているのです。
そしてこの中に、次の条件をぶち込んでも自然ではないでしょうか。
項目 | 低リターン | 高リターン |
設備投資 | 多い | 少ない |
PER | 高い | 低い |
PBR | 高い | 低い |
利益成長率 | 高い | 低い |
配当利回り | 低い | 高い |
創業年数 | 25年未満 | 25年以上 |
これもある意味、成長が遅い企業が右側になります。米国配当貴族指数は、25年以上連続増配していなければ採用されないので、創業してから25年たっているのは絶対条件です。
この条件で絞れば、連続増配なんて無視しても、創業から25年以上たっている企業群のほうがリターンが高いそうな気がします。
また、これらの事実をみんなが知ったことで、リターンが低下するという恐れもありますが、人間はそんなに強くないと思います。
だって現実、米国配当貴族指数を保有している人は報われていないのですから、他の市場平均インデックスやグロース株に乗り換える人がいるのも当然です。
日本の投資家でも、注目を浴びるのはグーグル、フェイスブック、Amazonなどのグロース株ばかりです。
(バリュー株投資家のバフェット太郎氏ですら、これらの動向をブログに書いているのですから。やはりグロース株の情報の方が読者ウケがいいのでしょう。)
しかし、派手に上昇する企業は、どこかで売らなければ、派手に下落して散るだけです。そのため、長期投資には向いていません。
地味な企業が市場平均を上回るのではなく、派手な企業が市場平均を下回り足を引っ張っていると考えたほうがいいのではないでしょうか。
配当利回り、連続増配、消費者独占企業なんて細かいことはたいして重要ではないのです。
みんなが欲しくてしょうがない、キラキラした宝物に手を出さないと誓えば、きっと市場平均を超えることが可能なのではないでしょうか。
したがって、上記の右側に投資をしているスマートベータ派の投資家たちは、みんな市場平均を上回ることができると信じています。
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シーゲル流はきっと市場平均を超える!