iシェアーズ・エッジMSCI Min Volグローバル(ACWV)を分析。世界中の低ボラティリティな株式にまとめて投資できるETF
つみたて次郎です。
今回は、iシェアーズ・エッジMSCI Min Volグローバル(ACWV)を分析していきます。
全世界の低ボラティリティ株にフォーカスしたスマートベータ系ETFで、前回紹介したUSMVのグローバル版といえます。
比較相手はiシェアーズ MSCI ACWI(ACWI)とします。
各種指標(2020/2/14現在)
それぞれのデータをまとめていきます。
ACWV(低ボラ) | ACWI(全体) | |
信託報酬 | 0.32% | 0.33% |
銘柄数 | 446銘柄 | 2,286銘柄 |
PER | 22.1倍 | 19.4倍 |
PBR | 2.45倍 | 2.45倍 |
配当利回り | 2.26% | 1.89% |
信託報酬はなぜか低ボラ版のほうが低いです(笑)
とはいえ、シンプルな全世界株ETFが欲しいならVT(信託報酬0.08%)というライバルが存在しますので、比較すると割高感は否めません。
また、米国版のUSMVに比べると銘柄数の差が大きく、かなり絞られたポートフォリオになっているといえます。
セクター比率(2020/2/13現在)
ACWV(低ボラ) | ACWI(全体) | |
金融 | 28.20% | 19.82% |
生活必需品 | 12.84% | 7.92% |
コミュニケーションサービス | 10.57% | 2.87% |
資本財 | 9.69% | 10.97% |
情報技術 | 9.51% | 21.77% |
公共事業 | 8.26% | 3.26% |
一般消費財 | 8.09% | 11.83% |
ヘルスケア | 7.57% | 11.54% |
素材 | 4.52% | 4.65% |
エネルギー | 0.74% | 5.38% |
銘柄数の少なさを反映してか、セクター比率にも大きな特徴があります。
ボラティリティの高そうな金融の比率が市場平均よりも大分高いのは意外です。
また、情報技術の比率が低く、コミュニケーションサービスの比率が高いです(元電気通信セクター銘柄が多いから?)
銘柄別構成比率(2020/2/14現在)
順位 | 銘柄 | 地域 | セクター | 構成比率 |
1位 | WM | 米国 | 資本財 | 1.15% |
2位 | NESN | スイス | 生活必需品 | 1.11% |
3位 | SREN | スイス | 金融 | 1.10% |
4位 | ED | 米国 | 公共事業 | 1.08% |
5位 | PEP | 米国 | 生活必需品 | 1.02% |
6位 | NEE | 米国 | 公共事業 | 1.00% |
7位 | MCD | 米国 | 一般消費財 | 0.99% |
8位 | V | 米国 | 情報技術 | 0.97% |
9位 | 9437 | 日本 | コミュニケーションサービス | 0.96% |
10位 | KO | 米国 | 生活必需品 | 0.90% |
国別の構成比率は市場平均とあまり変わらず、過半数は米国が占めています。
ちなみに9位の9437はNTTドコモです。
構成比率は一見均等加重のように見えますが、全体で500銘柄近くあるため違うようです。
トータルリターン
設定は2011年からと比較的新しいETFなので、設定以来でACWIと対決させてみます。
おまけでVTも参加させます。
ACWIとVTがほぼ一緒なのは当然ですが、ACWVまでリターンはほぼ一緒です(笑)
そして特筆すべきは、そのリターンをより低いリスクで実現しているという点です。
低ボラこそ正義!VTなんていらんかったんや!
つみ次郎の評価
実績だけで見れば文句なしですが、セクター比率の偏りは大きいので、その点をどう受け止めるかだと思います。
ディフェンシブなイメージに反して金融セクター比率はかなり高めなので、リーマンショック等の金融危機への耐性という面では多少不安があります。
指標的には割安でもなく、配当利回りもそれほど高くなく、セクター比率ももどかしい…といった具合でヒトを選びそうなETFではありますが、総合的なポテンシャルは高く刺さる人には刺さるタイプの金融商品だと思います。
クセの強いETFの宿命として、国内の証券口座では買付できないのが残念な所ではありますが、もし日本に上陸した場合VTの対抗馬として名前が挙がりそうです。
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