シーゲル氏の「リターンの97%は配当」はデタラメだ!
シーゲル二郎です。
米国株投資家のバイブルともいえるジェレミー・シーゲル氏の著書「株式投資の未来」では、次のような記述があります。
1871年から2003年にかけて、インフレ調整ベースで、株式の累積リターンの97%は、配当再投資が生み出してきた。値上がり益が生み出した部分は3%に過ぎない。
値上がりはリターンの3%しか生んでいないなら、残り97%は配当金なのでしょうか?
いいえ違います。配当金が生み出した部分はたったの0.34%に過ぎません。
値上がり益3%+配当金0.34%=3.34%ですが、残りの96.66%のリターンはどこかに消えてしまったようです(笑)
1871年から2003年において、米国株の実質トータルリターンは年率7%でした。また、配当金再投資なしだった場合でも年率4.5%です。
この時点で、値上がり益がリターンの全体のたった3%になるはずがありません。半分以上は値上がり益にならなければおかしいです。
正直小学生レベルの算数で分かる理屈なので、もしかしてシーゲル二郎が大きな勘違いをしているのかなと心配していました。
ですが、シーゲル二郎と同意見の方がいました。
外部リンク「iシェアーズMSCIロシア・キャップトETF太郎のETF投資」
同じ意見の人がいてホッとしたぜ…
株式投資のリターンの半分以上は値上がり益であり、「配当金がリターンの大部分」というのは明らかにミスリードなので、どうか皆さん注意してください。
「配当金のリターンが0.34%」になる理屈は以前詳しくまとめているのでぜひご覧ください。
簡単な計算で分かるような嘘をシーゲル教授がついているのは非常に残念です。
厳密には嘘ではないんですが、非常に悪質な印象操作です。
シーゲル二郎の意見取り上げてくれたiシェアーズMSCIロシア・キャップトETF太郎氏は、少し前まで「靴磨きおじさん」というハンドルネームでブログを書いていた人です。
外部リンク「iシェアーズMSCIロシア・キャップトETF太郎のETF投資」
実はシーゲル二郎もよく見ているブログで、大変為になる記事がわんさか載っています。
投資先は「iシェアーズMSCIロシア・キャップトETF太郎9255種」となっており、一撃でライフポイントをゼロにできる攻撃力をもつポートフォリオになっています(笑)
真面目に説明すると、現在はバリエーションの観点からロシアを含む新興国株にオーバーウェイト、米国株にアンダーウェイトを基本方針としているようです。
米国株100%のシーゲル二郎とは反対ともいえる投資戦略ですが、ブログを読んでいると、なんだか新興国株に投資したくなってしまう魔力があります。
米国株と新興国株、どちらが今後良いリターンをもたらすかは不明ですが、どちらの道を選ぶにしても投資方針をしっかり固めていくことが大事だと思っています。
参考記事「投資理念をコロコロ変えるな!」
相場に惑わされず、自分が決めた投資スタイルを貫き通すことが一番大事だと思うし、一番難しいことだと思います。
現在では、私も含め米国集中派の人が増えていますが、今後米国株が調整局面を迎えたときに、いったい何割の人が愚直にホールドできるでしょうか?
多分ですけど大半の人は別の投資先に乗り換えてしまうと思います。バリエーションを考えれば、間違いなく次のトレンドは新興国株です。
新興国株の魅力を知ったうえで「それでも米国株が№1だ!」と思えなければ、米国一国集中というクレイジーな投資を続けることは不可能だと思います。
だからこそ米国集中投資派の人は、ぜひiシェアーズMSCIロシア・キャップトETF太郎氏のブログを読んで、新興国株の魅力を知ってほしいと思います。
読んだ後に、新興国株に乗り換えたくなってしまったら負けです。
外部リンク「iシェアーズMSCIロシア・キャップトETF太郎のETF投資」
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シーゲル教授の大きな嘘