VTの純資産総額が少ないのはなぜか?
シーゲル二郎です。
バンガード社のETFであるVT(バンガード・トータル・ワールド・ストック)は、日本で大人気ですが、世界ではあまり人気がありません。いったいなぜでしょうか。
バンガード社のETFの純資産額を載せてみます。
ティッカー | 投資先 | 純資産総額 |
VT | 全世界 | 約1兆円 |
VTI | 米国 | 約9兆円 |
VEA | 先進国(米国除く) | 約6.7兆円 |
VWO | 新興国 | 約6.8兆円 |
VIG | 米国連続増配 | 約2.7兆円 |
ほんの一例ですが、VTの残高が非常に少ないです。スマートベータにすぎないVIGにすらボロ負けです。
VTはそれだけで全世界インデックス投資ができる素晴らしい商品です。しかし、1つ重要な欠点があります。それは、米国株が半分の割合を占めていることです。
これは日本人にとっては関係ありませんが、アメリカ人の場合大きな問題です。なぜなら、アメリカ人はすでに米国株を多く保有しているからです。日本人は、現金や保険で資産を保有していますが、アメリカでは一般家庭でも株式を持っているのは普通です。
海外分散投資の重要性が広まったのはつい最近なので、米国株だけ持っているアメリカ人が多かったのです。そのため、米国株が半分も含まれているVTは都合が悪かったのです。
家でご飯を炊いている人にとっては、弁当より総菜がいいのと同じ理論です。
そのため、米国以外をパッケージしたETFが人気です。アメリカ人は、既に持っている米国株にVEAやVWOを足すことでバランスよく分散投資ができます。
その結果、VTとその他では出来高が1桁違うということになっています。そのため、日本人であっても、流動性や信託報酬を考えれば、VTだけで持つのではなく、組み合わせで持つ選択肢もアリです。 例えば、VTI(米国)+VEA(先進国)+VWO(新興国)の3つを組み合わせれば、信託報酬も安く済むし、流動性が高まるので売買しやすくなります。
その分手間も3倍ですがね。