終価係数と年金終価係数

令和初のつみたて次郎です。

投資家にとっては避けて通れない「利回り」「複利」という概念ですが、それらの計算をする上で便利な係数が存在しています。

その中で最もイメージしやすく重要だと思うのが「終価係数」及び「年金終価係数」です。

 

終価係数

終価係数は、一定額を複利で増やした場合の最終金額を求めることができる係数です。

分かりやすく言えば「〇〇円を毎年△△%複利で増やした時の結果」を計算するのに役立ちます。

例えば毎年5%複利で増やしていったら、1年目は1.05倍、2年目は1.1025倍(=1.05^2)となっていきます。

表にまとめていくと次のようになります。

横が利回り、縦が運用年数となっています。

例えば利回り5%で20年運用した場合、係数は「2.65」となっているので現在持っている金額に2.65をかけてやれば将来どのくらいになるかを求めることができます。

投資家的には「一括投資したら何倍になってるか」をすぐ知ることができる表ということになります。

S&P500の超長期幾何平均リターンは約6.6%ですが、仮にその水準で30年間運用しても8倍に届かないのは少し悲しいですね。

一番シンプルな計算パターンなので特に終価係数表をみなくても答えはすぐに出ますが、利回りや運用期間の違いがどのくらい最終結果に影響を及ぼすかが一目で分かるのは便利です。

インデックス投資家であれば十分心得ているかと思いますが、1%の重みというのを感じます。

 

年金終価係数

年金終価係数は、毎年一定金額を積み立てた場合の元利合計を求めることができる係数です。

分かりやすく言えば「毎年複利△△%で毎年〇〇円積立した時の結果」を計算するのに役立ちます。

一括投資が前提の終価係数の場合は累乗で簡単に手動計算が可能ですが、こちらは少し計算が複雑になります。

表にまとめるとこのようになります。

横が利回り、縦が運用年数となっています。

例えば利回り7%で30年積立した場合、係数は「94.46」となっているので毎年の積立額の約95倍になっていることになります。

例えば毎年10万円積立していた場合、最終的な元利合計が約950万円、累計投資額が300万円(10万円×30年)となるので、差し引き約650万円の利益が出ていることになります。

こちらも楽観的な計算にかかわらず、かなりリターンがショボく見えてしまうのは気のせいでしょうか(笑)

投資家的には「積立投資した場合の結果」をすぐ知ることができる表ということになります。

ただし終価係数と異なり、直感的に増加額やトータルリターンを把握できないのがちょっともどかしい感じもしますね。

 

年金終価係数(モドキ)

上記年金終価係数だと直感的にトータルリターンを把握しづらいので、つみ次郎が勝手に係数を作ってしまいました。

年金終価係数は「毎年の投資額に対して何倍になっているか」というものでしたが、こちらでは「元本累計額に対して何倍になっているか」を求める係数を発明してみます。

といっても年金終価係数を元本累計額で割るだけなので、計算自体は非常にシンプルです。

表でまとめるとこうなりました。

横が利回り、縦が運用年数となっています。

例えば利回り7%で30年積立した場合、係数は「3.15」となっているので投資累計額の約3.15倍になっていることになります。

例えば合計300万円(毎年10万円)を30年に分けて積立していたら、最終的に945万円になるということになります。

本来の年金終価係数だと「94.46」なので、毎年の投資額10万円にかければほぼ同じ数字になり整合性が取れています。

 

表を眺めて

今回は終価係数・年金終価係数・年金終価係数モドキの3つを紹介しましたが、表を眺めて受ける印象はひとそれぞれではないかと思います。

つみ次郎の場合、積立投資のトータルリターンの低さが印象に残りますね(笑)

これらの表は毎年のリターンが変わらないという前提なので、リスク資産の場合は直接当てはめることは出来ませんが、自分の想定している利回りと将来のギャップについて考える分には十分ではないかと思います。

各係数表はエクセルで簡単に作成できますので、さらに期間を伸ばしたりなどしていろいろ眺めてみるのも面白いかと思います。

ただし今回作成した表の最も良いパターン(利回り7%・運用期間30年)でも非常に都合の良い数値ですので、あまり夢を見すぎないように気を付けましょう(笑)

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積立次郎

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