生活必需品とヘルスケアが高リターンだった理由
シーゲル二郎です。
シーゲル氏が業種別セクターごとのリターンを調べたところ、第1位がヘルスケアセクターであり、第2位が生活必需品セクターであることを発見しました。両方とも、不況に強いが、景気がよくても伸びないのが特徴です。
1957年~2003年の米国市場における、セクター別リターンのベスト5は次の通りです。参考文献「株式投資の未来」
順位 | セクター | 実質リターン |
1位 | ヘルスケア | 14.19% |
2位 | 生活必需品 | 13.36% |
3位 | 情報技術 | 11.39% |
4位 | エネルギー | 11.32% |
5位 | 一般消費財 | 11.09% |
1位のへスルケアと2位の生活必需品が圧倒的に高リターンです。なぜこれらのセクターのリターンが高かったのでしょうか。それは、シーゲル氏の提唱している配当金再投資戦略に関係しています。
株式で高いリターンを得るためには、ほかの投資家が株を投げ売りするような絶望的な状況で、果敢に株を購入していかなければなりません。つまり、下落相場の時に投資を続けることが大切です。しかし、下落相場の時には、企業の経営が苦しい時であり、減配や無配転落もあり得ます。一番投資をしなければならない下落相場で配当金を用意できないということは、最も投資すべきタイミングで投資資金が減ってしまうということです。(逆に言えば、上昇相場で配当金をたくさんもらっても、あまりうれしくないということです。)
そして、下落相場でも業績が落ちにくいのが、ヘルスケアセクターであり、生活必需品セクターです。これらのセクターが長期で高いリターンをもたらしたのは必然かもしれません。
前回書いた「セルフドルコスト平均法」に深く関係するので、良ければご覧ください。
しかし、これから投資をする我々にリターンをもたらすかは未知数です。なぜなら、この事実を多くの投資家が知ってしまったことで、すでに株価に織り込み済みだからです。どんな不況でも増配する優良企業だとしても、割高になってしまった時点で高いリターンを得ることは不可能です。
参考記事「株を半額で買える権利」に詳しく理屈は書いてあります。
それを差し引いても、株式の値動きがマイルドなので、株価変動に対する保険として優秀なセクターだとシーゲル二郎は考えています。
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