日本国債不要論を発表する!
シーゲル二郎です。
これまでの説明で現金と純金のメリットデメリットについて説明しました。今回は、いったいなんでしょうか。
参考文献「株式投資の未来」
今回は、下から3番目と4番目の長期国債、短期国債を見てください。
このデータはアメリカなので、米国債のことを指しています。長期国債は償還期限まで10年以上あるもの、短期国債は1年未満のものです。ようするに、アメリカ政府へお金を貸した借用書です。そのため、基本的には定期的に利息がもらえ、償還期限まで待てば元本保証の安全な商品です。(アメリカ政府が約束を守れば)
そして両方とも、株式ほどではありませんが、購買力を増やすことに成功しています。また、変動もなだらかです。
一般的に国債などの債券は、インフレに弱いとされていますが、インフレに負けずしっかり購買力を増やし続けることができています。なぜなら、現金などのタンス預金と違い、インフレに合わせた利息が付くからです。
例えば、インフレ率が年10%なら、毎年物価が10%ずつ上がってしまうので、お金を貸す人は、10%よりも高い利息をもらえなければ損してしまいます。そのため、年11%の利息をもらう約束でお金を貸せば、インフレが起きても儲けを得ることができます。
国債も、その時代に合わせた利息をもらうことができるので、インフレに負ける可能性は低いです。ちなみに日本国債10年償還の年利は現在0.014%でした。これは、日本のインフレ率が非常に低いため、年利回りも低くなっています。もちろん需要や国の政策により前後しますが、長期的にはインフレ率を若干上回ったので、購買力を増やし続けることができたことに変わりはありません。(米国債の場合は)
ただしこれは、アメリカ政府が、借りたお金をしっかり返し続けたからできたことです。もし政府がお金を用意できず約束を守れなかった場合、お金を返してもらえないことになるので大損です。(デフォルト状態)
また、戦後の日本やドイツなどは、デフォルトはしませんでしたが、激しい物価上昇を招き、ハイパーインフレが起きました。そのため、償還されたころには価値のない紙屑になっていました。最近だと、ジンバブエがハイパーインフレを起こしましたね。
ジンバブエでは100円で売っていたものが次の日200円なんてことも日常茶飯事でしたから、そのような状況では、国債の利息が何%だなんて役に立ちません。
日本国債は、ほとんどが円建ての借金なので、日本銀行が諭吉を刷ってしまえば借金を返すこと自体はすぐできます。しかし、それをすると、市場に円が多く流通してしまい、インフレを起こしてしまう可能性が高いです。そのため、デフォルトリスクは低いですが、インフレリスクは避けられません。
もちろん、米国のように、緩やかなインフレがずっと続くのであれば、国債は価格変動も少なくインフレにも勝てる優良な資産だといえます。(デフレが続くならなお有利)しかし、本当の緊急時に役に立たないという大きなデメリットがあります。
そのため、国債も、購買力を維持するという意味では、あまり信用できません。タンス預金よりはマシといった程度です。国債もタンス預金も、背負っているリスクはインフレリスクであり、大きな差はありません。また、社債の場合は、さらに会社の倒産リスクを背負うことになります。
ポートフォリオを組む際に、株式と債券を組み合わせることがよく推奨されます。株式と債券は逆相関になることが多く、組み合わせることによってリスクを減らすことができるといわれています。
しかし最近では同じ方向に進むことも多く、リスク分散になっているかは微妙です。しかし、絶対に株式と相関しない資産をシーゲル二郎は知っています。
それは、現金です。ここにきて今更ですが、諭吉がいつのまにか英世になっていることはありませんから、タンス預金や預金は、絶対に株式と同じ方向に動きません。そのため、シーゲル二郎は、ポートフォリオは株式と現金を組み合わせて考えるべきだと考えています。
また、心理的な面でも、債券の代わりに現金にすることは有効です。なぜなら現金で持っている部分は、投資している金額に思えないからです。投資金額が大きくなればなるほど、マイナスが出たときの不安が大きくなります。しかし、現金で持っている部分は、(数字の上では)絶対にマイナスになりませんから、心の支えになると思います。
日本ではただでさえ投資家が冷ややかな目で見られますから、そこそこの額を投資していると(正しい長期投資だとしても)あまりいい目では見られません。(シーゲル二郎も体験済)
はたから見れば投資と貯金であったとしても、自分の心の中では一つのポートフォリオにしてしまえばいいんです。
これらの考えのもと、長期投資に日本国債は不要だと考えます。