「株が上がっても庶民には関係ない」の真偽
シーゲル二郎です。
先日2017年10月には、日経平均株価が16営業日連続で上昇するという、57年ぶりの最高記録を更新しました。
これだけめでたい事にもかかわらず、水を差すつまらない人がいるようです。
いつもそうですが、アベノミクスで株価が上がった時も、「株が上がっても庶民には関係ない」という言葉を言う人がいます。
「株が上がっても庶民には関係ない」という発言は、2つの意味を持っており、片方は正しく、片方は間違っています。
残念ながら、日本ではほとんど間違った意味で使われています。
日本で多く使われる「株が上がっても庶民には関係ない」というフレーズは、大抵株を一切持っていない人が言っていることが多いです。
確かに株を持っていなければ、いくら株価が上がっても得することはないです。むしろ、周りは得するので、相対的に貧乏人になってしまったことになります。
日本では、金融資産における株式の割合は20%以下であり、金融資産が低い人ほど割合は低くなっていくと思われます。
そのため、「株が上がっても庶民には関係ない」という言葉は、「庶民は株なんて持ってない」と同じ意味で使われていることになります。
ですが、日本においては、ごく少額から投資ができるし、投資信託の積立であれば100円から積立できてしまいます。
最近では低コストな投資信託もかなり増えてきたし、庶民でも簡単に株式を持つことができます。
「株が上がっても庶民には関係ない」という戯言は、投資に対する理解ができていないか、理解していてもリスクを恐れる臆病者だと告白しているようなものです。
「株が上がっても庶民には関係ない」といっている庶民は、大抵このパターンです。
「株が上がっても無知で臆病な庶民には関係ない」といったほうが正しいでしょう。
その一方、この言葉が真実である部分もあります。
正確に言えば、「株が上がると相対的に庶民は貧しくなる」といったほうがいいでしょう。
資本主義においては、資本をたくさん持っている人が有利になります。株式投資で得るリターンは、元本×リターンですから、最初に持っている資産が多いほど増やせる絶対額は大きいです。
いくら投資機会が平等でも、投資資金が平等ではない以上、同じ株価上昇で得られる恩恵は大きく違います。
貧乏人の資金が100万円から200万円になるのと、金持ちの資金が1億円から2億円になるのではインパクトが違いすぎます。
また、貧乏であればあるほど収入に対する出ていく金額の割合は大きいです。手取り50万円の人が10万円の投資資金を用意するのは簡単ですが、手取り10万円の人が2万円用意するのは難しいです。
収入が少なくなるほど、可処分所得は加速的に減っていくので、投資に回せる金額は少ないです。
シーゲル二郎は必死に節約して月5万の投資資金を準備していますが、多くの投資家からみればゴミみたいな金額でしょう。
ここまで考えての「株が上がっても庶民には関係ない」だったらいいのですが、大抵はここまで考えて発言されていないし、厳密には関係なくはないので、くだらないセリフには変わらないでしょう。
正しく使うなら、「株が上がると格差が広がる」となります。ですが、これは資本主義の原則ですから、これに抵抗するのか、利用する側になるのかは早いうちに決めていたほうがいいです。
シーゲル二郎は20代前半というフレッシュマンですが、抵抗することなく利用する側になることを決心しました。
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資本主義に拳で抵抗しない