インデックス投資は滅びぬ!何度でも蘇るさ。
つみたて大佐です。(敬称不要)
ここ最近、インデックス投資がブームになりつつあります。低コストな投信のETFの充実や、事実上インデックス投資推奨制度であるつみたてNISAのスタートなどをきっかけに、爆発的な広がりを見せています。
そんなインデックス投資は、とある指数に連動するように幅広く銘柄を保有し、市場平均と同等のリターンを得ようとする投資法です。
日経平均やNYダウのような指数がとくに有名ですね。
そんなインデックス投資ですが、世界で始めてインデックスファンドが設定されたのは1976年のことで、バンガードの創業者であるジャック・ボーグル氏がその試みをスタートさせました。
しかし当時は、金融業界でも個人投資家の間でもなかなか受け入れられることはなかったようです。特にアメリカでは、個人主義・競争社会という文化が強く、いかなる場合でも平均点しか取ることができないインデックスファンドはあまり人気がありませんでした。
しかし現在ではご存知の通り、個人投資家から機関投資家まで幅広い市場参加者が利用する一大ジャンルとなっており、資金流入も現在進行形で増えています。
そんなインデックスファンドを用いたインデックス投資ですが、常に批判にさらされるポイントがあります。
当然ながら、インデックス投資は市場平均以上のリターンを得ることができません。優れた投資家であれば、優れた銘柄を買い、劣った銘柄を空売りすることで莫大なリターンを得ることができます。
インデックス投資の優位性を示す理論に「効率市場仮説」というものがあります。あらゆる情報は常に株価に織り込まれるので、市場を超えるリターンを得るのは困難であるという理論です。
参考記事「長期投資は成長に賭けるのではない。企業の成長とリターンは無関係。」
しかしこの効率市場仮説は、インデックス投資家も含め懐疑的に考えている人が多いです。つみたて次郎はおおむね信じていますが、完全に効率的ではないと思うからこそ市場平均を超える方法について日々考えています。
当然ながら、アクティブ投資家からすれば飯噴物レベルの理論です。市場が効率的なら、馬鹿げたバブルなんて発生しないことになりますからね。
いわば効率市場仮説をどのくらい信じているかが、インデックス投資家とアクティブ投資家の分かれ道になるといっても過言ではないでしょう。
アクティブ投資=ハイリスクハイリターン、インデックス投資=ローリスクローリターンであるという説明がされることがありますが、つみたて次郎は明確に誤りであると考えています。
なぜなら市場平均に連動するということは、暴落もダイレクトに喰らうということになるからです。もしリスクを下げたいのならば、ディフェンシブ株などの低ベータな銘柄を増やしたり、場合によっては割高銘柄の空売りなどを組み合わせて行っていくべきでしょう。
インデックス投資は、市場平均並みのリターンを得ることが可能な代わりに、市場平均並みのリスクも抱える投資法です。
そして市場平均並みのリターンとは、多くの場合非凡なリターンをもたらします。
株式市場は、ごく一部の銘柄が大きなリターンを稼ぎます。したがって、少数の勝ち組と多数の負け組に分かれやすい性質があります。
そしてその差は複利で広がっていくので、想定する投資期間が長いほど上と下の差は開いていきます。
この傾向により、投資成績の平均値と中央値はどんどん広がっていきます。
とある集団の投資成績は、ほぼ確実に平均値≻中央値になります。すなわち、半数以上の投資家は平均値に負けているということになります。
これがインデックス投資が有効である強烈な理由の1つであり、多くの投資家が市場平均に負けてしまう理由でもあります。
アクティブファンドの多くはインデックスファンドに勝てないというデータもありますが、これは信託報酬や手数料の差だけではなく、複利で成長していく金融市場の性質にもよるものなのです。
しかしそんなインデックス投資も、悲観的な意見が寄せられてしまう時期があります。
それは、銘柄ごとの勝ち組と負け組の差がはっきりしている時です。
金融市場では、定期的に季節の変化が訪れます。それは景気変動であったり、金利変動であったりします。
例えば現在では、ハイテク銘柄が強く、ローリスクハイリターンな素晴らしい成績を残しています。
このような状況なら、わざわざ市場平均を買わずともハイテク銘柄に集中投資すれば、より低いリスクで高いリターンを得ることが可能になります。
そしてそんな時期が長く続けば、「市場平均を買うより○○を買ったほうがいい」という風潮が自然と根付いていきます。
さらに批判される理由として、日本の株式市場のように長期的な成長がなかった市場の場合、市場平均に投資してもあまり儲からなかったという事実があります。
日本株が今後有望かどうかは別ですが、少なくともバブル崩壊後にインデックスファンドが存在していたのならば多くの人が損失をこしらえていたことになります。
まとめると、インデックス投資は次の2点で問題があります。
①より良い投資対象に絞ったほうが良い
②市場平均が右肩上がりじゃなきゃ意味がない
明らかに優秀な銘柄群が存在していたり、市場平均自体の成績が冴えなくなっていれば、インデックスは魅力のない投資先になってしまいます。
そしてそんな時期が長く続くと、人々はこのように考えます。
「インデックス投資は終わった」
しかし我々インデックス投資家は、インデックス投資が終わった始まったという旬によって左右される投資法ではないということを理解していかなければなりません。
例えより良い投資先があったとしても、それが永遠に続くか分からない。逆に悪い投資先であったとしても、その不調がずっと続くとは限らない。
これらの信念の元、どんな時でも分散投資を徹底する覚悟が必要です。
また、市場平均が右肩上がりでないのであれば、そもそも勝ち続けるのはほぼ不可能であるという理屈が成り立ちます。
なぜなら市場平均が右肩上がりでないのなら、それはゼロサムゲームないしマイナスサムゲームであるという前提が成り立ってしまい、丁半博打のギャンブルに等しい投資先になってしまうからです。
市場平均がマイナスになるような市場で勝ち続けるのは、上記で記した金融市場の性質も相まって非常に困難なゲームになることでしょう。もちろん一定数勝ち続ける人が存在することは否定できませんが。
しかし株式や債券というのは資本主義に深く組み込まれた金融システムであり、今後も緩やかに成長を続け投資家にリターンをもたらしてくれるであろうという予想を否定する人はほとんどいないでしょう。
逆にこれを否定する投資家がいれば、果たしてどんなポートフォリオを組んでいるのか興味があります。
もしインデックス投資が不利になる状況を考えるとしたら、投資家達の成績が中央値≻平均値になった時でしょう。
多数の投資家が市場平均に勝てるようになって、少数の投資家が市場平均にぼろ負けする未来です。確かにこの状況なら、インデックス投資で平均点を取っても人並み以下の成績なってしまい、存在価値もなくなってしまうでしょう。
しかしこのような未来は、金融市場のシステムと人間の群集心理を考えれば、あり得ない推測に過ぎないでしょう。
結局のところ、インデックス投資の終わり=資本主義経済の崩壊を意味していることに等しく、インデックス投資が特別不利になるという時代は一生来ないでしょう。(これはインデックス投資の定義上必然でもある)
インデックス投資は滅びぬ!何度でも蘇るさ。
見ろ、指数がゴミのようだ!(これはダメなやつ)
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つみたて大佐