外国債券不要論を発表する!
シーゲル二郎です。
今回はいつものチャートはお休みです。テーマは、外国債券です。
外国債券とは、米国債や米国社債など、日本以外の国の国債や社債のことです。そしてこれらは、多くの場合円ではなくドルやユーロなどといった外貨建てで保有することが多いです。
外貨建てで保有するということは、為替リスクを背負うということです。小難しいニュース番組で、1ドルいくらとか、1ユーロいくらとか言ってますが、その変動で価値が変わるということです。そのため、日本国債などに比べて価格変動のリスクは非常に大きいです。
リスクが大きいからリターンが大きいのでは、と思われますが、実はリターンも大したことはありません。
ここでわかりやすく、日本国債とブラジル国債で比較します。ブラジルの通貨はレアルなので、ブラジル国債はレアル建てとします。日本国債10年償還モノの年利回りは、現0.014%です(笑)ブラジル国債10年償還モノの年利回りは、10.15%でした。差し引き10%くらいの差があります。
そしてその10%の差は、日本とブラジルのインフレ率予想の差でもあります。日本は現在、化石のような物価変動のため、インフレがほとんどありません。対してブラジルは、経済成長が著しく、慢性的なインフレになっています。そして、そのインフレ率はだいたい10%くらいだと見込まれています。つまり、ブラジル国債を保有したとしても、10%のリターンのほとんどはインフレで消えてしまうということです。
もちろん、あくまで長期間の平均であるため、短期間で見れば損得両方ともあり得ますが、時間がたつにつれ日本国債とブラジル国債のリターンは同じぐらいになっていきます。ブラジルは新興国であり、レアルの価格も激しく上下します。
まとめると、外国債券は、リターンは日本国債と同じなのに、リスクはレアル円の為替リスクをモロに背負うことになるポンコツ商品だということです。ブラジル人にとっては、日本国債が逆にポンコツになります。
日本国債ですら不要と思うシーゲル二郎ですから、外国債券も当然不要です。
これ、山崎元さんの言い分を受け売っているように見えますが、前提が違いませんですか?
彼のようなファンドマネジャが、アドバイスとして、『円を直接投ずるとしたら』、という前提ならそうなのかも知れないのですが、『ドルを最大化する』という目的を持つとすると、相当間違っている気がします。
しかも引き合いに出されるのがおなじみのような新興国通貨。それらの動きをハードカレンシーに当てはめて語るのは、どうなんでしょ?
米国株投資家としてどうお考えですか?
コメントありがとうございます。
個人投資家であっても(日本で暮らす前提であれば)円建ての最大化を目指すのが基本ですので、金融資産は一律円建て評価で考えるべきだと考えています。
そのため「ドルを最大化する」という前提であれば、ドル建て以外の債券が割に合わないという解釈になります。
新興国通貨は単に為替リスクの大きな例として挙げましたが、先進国債券であっても理論上の期待値は円建て債券と同じである以上、積極的に投資する資産クラスではないと判断しています。