コンソリデーテッド・エジソン(ED)分析
シーゲル二郎です。
今回は、コンソリデーテッド・エジソン(ED)を分析していきます。
米国のエネルギー事業会社です。
連続増配…43年
S&P格付…A-
採用インデックス
・米国配当貴族指数
・S&P500
電力を中心としたエネルギー会社で、配当貴族唯一の公共セクター企業です。名前のエジソンは、あの発明家エジソンからきています。とはいえ、エジソンの会社というと、ゼネラル・エレクトリック(GE)のほうが有名ですけどね。
ガスや電気を扱う公共セクターは、イメージ通り利益が非常に安定しており、連続増配企業も多いですが、あまり配当貴族になっていません。
公共セクターにはアメリカン・ウォーター・ステイツ(AWR)という連続増配62年の化け物がいますが、採用はされていません。
このコンソリデーテッド・エジソンの事業内容は、電力が7割ほどを占めており、他にはガス事業も行っています。
日本でも電気自由化が始まりましたが、アメリカも州ごとに電気自由化が進んでおり、消費者が電力会社を選ぶことができたりしています。日本に比べて電力会社自体の数が非常に多く、地域ごとにテリトリーが分かれています。
このコンソリデーテッド・エジソンは、ニューヨーク州が主な営業範囲です。電力は340万人、ガスは110万人の顧客がいるそうです。世界の都市といわれるあのNewyorkに電気を供給しているので、安泰ですね(適当)
あまり公共セクターに興味がないので、適当に行きます。
話題がない時の文字稼ぎに便利ないつものグラフです。電力会社なので、当然米国内だけです。さらに、米国内でもニューヨークに偏っているので、地域分散は全くできておりません。
退屈なほど横ばいです。特にコメントはありません。
発電するための莫大な施設を維持しなければならず、投資CFがかなりかかります。シーゲル二郎にとっては大きなマイナスポイントで、公共セクターが嫌いな理由の1つです。電気やガス料金は定期的に受け取れるので、営業CFは比較的安定しており、営業CFマージンは25%以上あります。ですが、ほとんどは投資CFに消えてしまいます。
利益と配当は理想ともいえる退屈さです。電気ガスの需要はそう上下しませんし、値段は政府による調整があるので、あからさまに利益を上げることもできません。
やる気がないから横一直線のグラフを作ったわけではありません。ちゃんとまとめたらこうなっただけです。
現時情報(2017/9/1)
株価…84.27ドル
PER…20.93倍
配当利回り…3.28%
連続増配…43年
PERは21倍近くで若干割高です。公共セクターは配当利回りが高いイメージでしたが、思ったより高くありません。公共セクター全体でも、最近は3%ちょいと、低めに感じます。
公共セクターは、固定資産が多く、地域が偏っていて災害などに弱いのが大きな欠点です。地域分散が一番できないセクターといってもいいでしょう。また、基本的にその国の政府の意向により利益も決まってしまうので、政府と一枚岩です。(だから公共なんですがね)利益成長も期待できないし、電気ガスはブランドをつけにくいコモディティなので、自由競争下では長期的に消耗していきそうです。
また、リタイヤ世代の人に買われやすい株であるのも大きな問題です。公共事業は、自国の生活に密着していて、為替の影響も受けにくいです。また、企業も利益をほとんど配当金で渡すような企業が多く、いわゆる「配当金暮らし」の人に人気があります。
そう、かつての東京電力株のように。(年利回り6%の優良株でしたが、震災後は無配、株価も5分の1になりました。)
何がいいたのかというと、「株価と配当金が安定していればいい」という温い考えを持った投資家から注目を浴び、割高になりがちということです。配当暮らしの人は定期預金の利息と株式の配当を比べているだけで、トータルリターンなんて求めていません。
売上が化石のように動かないのにPER20倍越えなんてふざけています。実際、過去のセクター別リターンでは、ダントツに低かったです。
我々に必要なのは、株価の成長と配当金の成長であり、無成長ではダメなんです。(もちろん、期待が浴びにくい程度のゆるやかな成長で十分ですが。)
そのため、「配当暮らし」の人にとっては好都合でも、我々のような「配当増やし」には必要ありません。
幸い、配当貴族の公共セクターはこのコンソリデーテッド・エジソンのみなので、大目に見ましょう。