「貯金感覚でインデックス投資」という言葉の違和感

つみたて次郎です。

少し前に、投資界隈で話題となったフレーズがあります。

 

貯金感覚でインデックス投資

 

インデックス投資は、比較的ローリスクと言われることが多く、ほったらかしの積立投資も可能であることから、貯金の延長のように扱われることが多いです。

これは投資が広く普及している証拠でもあり、その反面好調な相場が続いたことによる楽観な投資家心理を表しているとも言えます。

案の定賛否両論の嵐が巻き起こっていますが、個人的にはあまり好きなフレーズではありません。

つみたて次郎が違和感を持っている理由について述べる前に、まずは一般的な解釈や批判などについてまとめていきたいと思います。

 

賛成派の意見

 

貯金のようにコツコツ積立が力になる

すべての投資法に言えることですが、インデックス投資は比較的期待リターンが予想しやすいため、各投資家の投資資金額の大小が重要です。

本来投資法と資金額は関係ないはずですが、インデックス投資の再現性の高さや、自動積立システムなどの充実もあって、特に強調されることが多い気がします。

 

株価に左右されずに淡々と投資を行うことが重要

パッシブファンドを積極的に売買するタイプの投資家もいますが、インデックス投資家全体の傾向としては、ドルコスト平均法やリバランスなどを基本とし、バイアンドホールドに徹している人が多い印象です。

そのため、一般世間で語られる投資のイメージからはかけ離れており、その意味では投資というよりも貯金の延長線上に存在すると定義したほうが分かりやすいかもしれません。

株価や評価額を気にせず投資するので、やっていることは貯金と似ているといえます。

 

 

反対派の意見

 

インデックス投資=ローリスクという誤解を生む

当然ながらインデックスファンドへの投資は元本保証ではなく、損失を被る危険性があります。

もっとも、長期保有していればプラスになるという未来に賭けているのがインデックス投資家なのですが、インデックスファンド自体は市場を忠実になぞるため、すべての上昇相場と下落相場を経験します。

インデックス投資は、分散投資の徹底によりリターンに対するリスクの割が良いだけであり、本質的にはローリスクでもなんでもありません。

 

一時的な資金の置き場として不適当

上記の話と被りますが、インデックス投資は基本的に長期保有を前提にしています。

長期的にプラスになる可能性が高いとしても、短期的には大きく上下します。そして市場平均に投資している以上、下落相場を避けることは極めて困難です。(逆に下落相場を意図的に避けようとするなら、一般的なインデックス投資家というジャンルから外れそうです)

元本割れしない定期預金等であれば、近い将来の出費のために備えることができますが、インデックス投資含め投資の場合、「その資金をいつ、どのような目的で使用するか」を事前に考えておかなければなりません。

いわば「お金に色をつける」というひと手間ですね。

 

 

ここまでは一般的な話をしてきましたが、ここからはつみたて次郎個人としての意見を述べていきたいと思います。

 

そもそも投資と貯金は一緒

投資家ならば、自分の持っている資産について総合的に管理していかなければなりません。自分の保有している株式や債券、場合によっては住宅ローンや不動産などもです。

そしてその管理していくべき資産の中には、「現金」という資産もあります。

結局のところ、資産管理や資産運用における、現金で蓄えている部分を「貯金」、そのほかの部分を「投資」と区分しているに過ぎないのです。

そして投資家は、投資と貯金のバランスを考えて投資法を決め、ポートフォリオを決定していく必要がありますので、そもそも投資と貯金を区別して考えること自体がナンセンスであると言わざるを得ません。

 

投資家に貯金なんて存在しない

上記と少し矛盾するかもしれませんが、そもそも投資家を志す以上、貯金なんてものは必要ありません。

なぜなら投資家にとっての現金とは、貯金ではなくポートフォリオにおける現金クラスに過ぎないからです。

もし投資と貯金を明確に線引きするのであれば、それはポートフォリオの現金比率をあいまいにしていることに等しく、投資家としては言語道断です。

つみたて次郎は当ブログで度々主張していることですが、投資家(というか全ての人)は、自分の資産(金融も実物も全部含めて)を一つのテーブルの上で考えていくべきだと思います。

家計簿をつけるのに、特定の出費だけ記載しなかったら意味がないように、貯金も投資もすべてひっくるめて資産について考えることが大切だと思います。

 

 

まとめ

一言でまとめてしまえば、「投資と貯金を区別するな」です。

投資をしない人にとっては、余ったお金はすべて貯金かもしれません。しかし、投資家としてデビューした瞬間に、その貯金は「現金クラス」という金融資産、ポートフォリオを構成する一部へと生まれ変わります。

だから焦って一気に投資する必要もないし、心配なら現金比率の高い保守的なポートフォリオから始めればいいんです。

「現金」だって立派なポートフォリオという視点を持って投資に臨みましょう。

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投資と貯金は同じ

「貯金感覚でインデックス投資」という言葉の違和感” に対して1件のコメントがあります。

  1. とっつぁん より:

    なるほど現金もポジションのうちって事だよね。私もちょっと前までそう思ってました。

    7月初旬にプライベートでケガして1ヶ月仕事休んでみて生活防衛資金として投資のテーブルに置かない現金も大事だなと痛感しました。
    まあ傷病手当を申請するので定期預金に手を出すか分からないけど、有ると無いでは心持ちが違いますね。大した金額ではないけど(笑)

    ○○ショック後の上げ相場に張って現金少なめ時のケガだとしたら少し不安になったと思う。

  2. つみたて次郎 より:

    私自身も生活防衛資金は別で用意していますが、全体から見れば微々たる金額です。
    その意味では、投資と貯金を区別しているのかもしれませんが、おそらく一般世間の貯金VS投資とは主旨の違う内容だと思ったので、本記事では省略しました。
    必要最低限の現金は当然キープしつつ、リスク資産と無リスク資産のバランスを考えていくのが大切だと思います。

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