アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)分析

シーゲル二郎です。

今回は、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)を分析していきます。

世界五大穀物メジャーの1つであり、大豆・トウモロコシなどの流通を司る企業です。

 

連続増配…42年

S&P格付…A

採用インデックス
・米国配当貴族指数
・S&P500

 

世界五大穀物メジャーの一角で、メンバーは次の通りです。(世界シェア順)

・カーギル
・アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)
・ブンケ
・丸紅
・ルイ・ドレイファス・コモディティーズ
・グレンコア

五大といいつつ6つあります。4番目の丸紅は、日本の商社丸紅が、米メジャーのガビロン社を買収したためです。なので、本来は丸紅を除いた5つで五大メジャーが正式ですが、せっかくなので混ぜてあげました。

トップは非公開企業のカーギルで、2位がADMです。この2つは別に二大穀物メジャーと呼ばれたりもします。しかし、突出して大きいわけではなく、上記の6つに大きな差はありません。

穀物メジャーの仕事は、各国の農家から大豆・トウモロコシなどの穀物を集め、必要としている人に受け渡す業務です。いわゆる卸売業ですね。

農家は各国にたくさんいるので、バラバラでは欲しい人も探すのが大変です。また、穀物は重く、バカでかい船を使って輸送するので、まとまった量が揃わないと、輸送費コストも多くかかってしまいます。

そこを調整するのが、穀物メジャーの役割です。ADMの場合は、バイオ燃料の取扱いもしているようです。

事業としては、いかに安く穀物を集め、高い時期に売るかにかかっているので、商品価格に業績が大きく左右されます。

 

世界中に穀物をばらまいているので、こんな感じです。

 

過去最長の縦長具合。商品価格に利益が左右される中、純利益は安定してプラスを出し続けることができています。どこぞの石油企業とは大違いです。

 

ひでぇ。普通にフリーCFマイナスもあります。営業CFもばらついており、汚いです。営業CFマージンは-5%~6%と、全く安定していないうえに超低いです。

 

反して利益と配当は安定的です。逆に不安になります。配当性向も、ここ数年で上がっており、不安な水準です。

 

ROEが下がってきています。今後は増益が見込まれるので、改善されそうです。自己資本比率は常に一定で、財政管理は徹底されています。

 

現時点情報(2017/8/29)

株価…41.77ドル
配当利回り…3.06%
PER…17.62倍
連続増配…42年

各種指数は割安です。しかし、業績の変動が激しく、シーゲル二郎にはお買い得なのか不明です。

期待していませんでしたが、期待通りの問題児でした。利益が意外と安定しているのは驚きましたが、フリーCFが不安定であり、シーゲル派としては見逃せません。

ADMは生活必需品セクターなのですが、各データからは生活必需品の要素が全く見当たりません。

もちろん、穀物は生きていくために必要な必需品ですが、天候や取れ高によって価格が左右されてしまうので、安定的なビジネスモデルではありません。

とはいえ、穀物という人間の大事な部分を抑えているのは、数字には出てこない魅力があります。シーゲル二郎は、世界を支配する多国籍企業が欲しいため、穀物メジャーのような企業は非常に興味があります。

ビジネスモデルは不安定でも、配当金は42年連続増配であり、財政管理をしっかりしている証拠でもあります。自己資本比率も十分高いので、当面の連続増配は問題ないでしょう。

いろいろとクセがありますが、生活必需品セクターの幅を広げる意味では有意義な銘柄ではないでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください