つみたてNISA・iDECO・特定口座のスイッチングと出口戦略

つみたて次郎です。

日本人が投資で資産形成を行おうとした場合、基本的に次の3制度を活用することになります。

 

・つみたてNISA(または一般NISA)
・確定拠出年金(iDECO)
・特定口座

 

それぞれメリットデメリットがありますが、すべて併用するのが一番理想的です。

今回は、それぞれを併用した場合におけるスイッチングと出口戦略について解説していきたいと思います。

まずは、それぞれの特徴を確認してみます。

 

つみたてNISA
・年額40万円まで20年間の非課税運用が可能。
・スイッチングは不可。

 

一般NISA
・年額120万円まで5年間非課税運用が可能。
・スイッチングは不可。

 

確定拠出年金(iDeCo)
・立場に応じて年額144,400円~816,000円まで投資可能。
・非課税運用期間期間は60歳~まで。
・受け取り時に一部課税される可能性あり。
・60歳まで一切引き出すことができない。
・拠出額に応じて所得控除を利用できる。
・スイッチングが可能でほぼデメリットなし。

 

特定口座
・当然ながら投資額に上限はないが、非課税で運用できない。
・スイッチングが可能だが、手数料や課税によるデメリットあり。

 

それぞれスイッチングを中心に考えた特徴をまとめてみました。

つみたてNISAと一般NISAは特徴が非常に似ているため、今回の記事では「両NISA」という仮称を使わせていただきます。

さて、長期投資家の間では頻繁に売買をしないバイアンドホールド戦略が人気ですが、全く売買しないでよいという訳でもありません。

資産形成中であればリバランスによる売買が必要ですし、後半になるにつれ出口戦略を意識し、残り投資期間と相談してリスク許容度を下げていく必要があります。

場合によっては、割高割安といった判断を踏まえて一部調整することだってあります。

基本的には、株式やREITなどを売り、債券や元本保証商品に切り替える形になるかと思います。

これらのようにポートフォリオの調整が必要になった場合、制度ごとの特徴を考えて取引していく必要があります。

それぞれ優先順位を考えていきましょう。

 

期待リターンによる優先順位

基本的には、期待リターンの高いものを非課税口座に投入するべきです。

したがって、課税されてしまう特定口座は一番後回しにして、両NISAとiDECOに株式やREITを充てていきましょう。

また、iDECOの所得控除は拠出額で決まるため運用益に左右されないこと・60歳以降の受け取り時に課税される可能性があることを踏まえると、最優先は両NISAです。

 

売買頻度による優先順位

当然ながら、特定口座は含み益がある状態で売却すると課税されてしまいますので、極力売買しないほうが好ましいです。

両NISAの場合、課税はされませんが売却してしまうとその部分は非課税で運用できなくなってしまいますのでこちらはもっと売買したくありません。

iDECOの場合、信託財産保留なしの商品であれば売買によるデメリットはありません。

ほぼペナルティなしでスイッチングできるのはiDECOだけに許された特権であり、出口戦略を考えるうえで重要な武器になります。

 

 

上記2要素をまとめてみると、次の式が成り立ちます。

期待リターンによる優先順位

リターン高 両NISA≻iDECO≻特定口座 リターン低

 

売買頻度による優先順位
売買頻度高 iDECO≻特定口座≻両NISA 売買頻度低

今回は、スイッチングと出口戦略における優先順位なので、後者の売買頻度を中心に考えていきます。

単純に考えると、売買が必要な時にはiDECOから行えばよいような気もします。

スイッチングによるデメリットがほぼないですからね。

しかし前者の期待リターンとの兼ね合いを考えると、一概そうとは言えなくなります。

なぜならiDECOは非課税口座なので、期待リターンの低い債券や元本保証商品を預けていくのはもったいないからです。

一時的に元本保証商品などにスイッチングしておいて、その後すぐに株式ファンドなどに戻すのであればあまり影響はないですが、長期的な判断でスイッチングを行うのであれば、iDECO内に元本保証商品を置いておくのは不適切です。

iDeCoは60歳まで一切引き出せないので、元本保証商品を選択しても生活防衛資金として一切活躍できないのも非常に痛いです。

そのためつみたて次郎としては、長期的な意味で行うスイッチングの場合、特定口座を最優先して調整するのが最も良いのではないかと思っています。

含み益があれば課税されてしまうことになりますが、非課税口座を有効活用するためには仕方がありません。

また特定口座で保有するのであれば、緊急時に手元資金として流用できるという安心感もあります。

 

さらに式でまとめてみると次のようになります。

売買による調整をする場合の優先順位

特定口座≧iDECO≻両NISA

とりあえず確実に言えるのは、あらゆる観点から売買したくない両NISAに手を付けるのは最後にすべきということです。

両NISAにぶち込むべきは、できるだけ高リターンかつ長期保有してもよいものが好ましいです。

特定口座とiDECOについては、それぞれ一長一短な関係にありますのでケースバイケースですが、極端に短期的な調整でなければ特定口座優先でよいかと思われます。

ただし、特定口座でスイッチングする場合は売買手数料や課税が発生しますので、心理的な抵抗は大きいと思います。もしストレスになってしまうのであれば、無理せずiDeCoでスイッチングしても悪くはないでしょう。

最後になりますが、今回説明したのはあくまで自分の決めたポートフォリオを調整するうえで売買が必要になった場合の優先順位です。

投資額や投資方針によっては、iDECOに低リターン商品を入れるべきケースもあるし、両NISAに入れた商品を途中で売却しなければならないケースもあることでしょう。

NISA・iDeCo・特定口座はあくまでもポートフォリオを構築するための箱に過ぎませんので、制度に合わせて投資額や投資方針を変えてしまわないように注意しましょう。

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つみたて次郎

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