格付は高いほうがいい!
シーゲル二郎です。
上場企業のほとんどは、第三者から格付を受けています。なんの格付けかというと、借りた金をちゃんと返せそうかどうかの格付けです。要するに、社債の返済能力です。
格付け会社には、S&Pグローバル、ムーディーズ、フィッチ・レーティングの3社が大きなシェアを占めています。そして、この格付けが高いと、信用があるとみなされ、低い金利で社債を発行することができるため、有利に資金集めをすることができます。
しかし、この格付けは、企業が格付け会社に「お金を出して」つけてもらうので、公平な判定かどうかの疑問があります。S&Pグローバルは、リーマンショックの着火剤だったサブプライム債に、最上位の位であるAAAをつけていたくらいなので、金で買った格付けに価値があるかは未知数です。
そのため、本当の借金返済能力を図るには信用できない部分がありますが、それでも投資するときはこの格付けが高い企業を選ばなければなりません。
なぜなら、その企業が社債を発行するときの金利が格付け会社の判断で決まってしまうからです。いくら本当は借金返済能力が素晴らしい会社でも、格付けが低ければ終わりです。逆に、本当は火の車でも、格付けさえ高ければ、社債を発行して立て直せるかもしれません。
また、最近では、長期金利が低いため、借金して自社株買いをする超優良企業たちが存在します。借金をする際に格付けが低いと、余計な金利を払うことになりかねません。
銀行が潰れるといううわさが出ると、みんなが預金をおろしたがるので、本当に銀行が潰れるのと同じです。実際の借金返済能力はどうであれ、格付が高いという事実だけで有利になるのです。
つまり、本来の役割である社債の返済能力を考えるには役立たずだが、株式投資の参考にはなるということです。
ちなみに社債自体は長期ではインフレに対する購買力を維持できるか不確実なので、保有はオススメしません。