iDeCo+(イデコプラス)とは?中小企業で導入可能な中小事業主掛金納付制度
つみたて次郎です。
本題に入る前に、確定拠出年金(iDeCo、イデコ)について簡単におさらいしておきます。
iDeCoは、60歳まで引き出すことができない代わりに、掛金が全額所得控除・運用益が非課税という有利な条件で資産形成を行うことができる公的年金制度です。
つみたて次郎もフル活用しており、つみたてNISAと並び一般庶民の資産形成として優秀な制度です。
今回は、そのiDECOの補完的制度である中小事業主掛金納付制度(iDeCo+)について解説していきます。
iDeCo+の読み方は、そのまま「イデコプラス」となります。
iDeCo+とは?
中小事業主掛金納付制度は、2018年5月から導入されたばかりの新制度です。(管轄は厚生労働省)
ちなみにiDeCo+という愛称が決められたのは2018年8月24日からです。
制度概要を簡潔にまとめると、「中小企業に勤めているiDeCo加入者の掛金の一部を事業主が負担できる制度」になります。
企業がiDeCo+を導入する場合、従業員が100人以下・企業年金等を実施していないなどの条件を満たしている必要があります。
iDeCo+を導入すると、本来加入者個人が全額拠出するべき掛金の一部を、事業主負担で拠出することが可能になります。
企業年金等がない企業に勤めている従業員の場合、iDeCoの掛金は上限は月額23,000円です。(つみたて次郎も該当)
そしてその掛金は、通常であれば加入者個人が全額拠出する必要がありますが、iDeCo+であれば、加入者と事業主の合意により任意の金額ずつ拠出することが可能になります。(それぞれ加入者掛金・事業主掛金と呼びます)
例えば23,000円拠出するなら、加入者掛金は1,000円・事業主掛金は22,000円という太っ腹な取り決めも可能です。(加入者負担が0円でなければ自由に取り決めが可能)
iDeCo+は、iDeCoを経由した福利厚生のような役割を果たすことが可能となります。
詳細については、公式ホームページにてご確認ください。
外部リンク「iDeCo公式サイト」
iDECO+のメリット
加入者にとっては、掛金の一部を負担してくれるため基本的にはメリットにしかなりません。
事業主負担分の掛金も、運用指図は全て自分で行いますし、60歳以降の受け取るのもすべて自分です。
導入企業に勤める従業員にとっては、iDECOに加入している人のみが受け取れる福利厚生のような状況になりますね。
ちなみにiDECOの掛金は全額所得から控除できるのが大きなメリットの1つですが、事業主掛金分は当然ですが所得から差し引くことは出来ませんので注意が必要です。(これがデメリットになることはほぼあり得ませんが)
事業主にとっては、負担が増えるため基本的にメリットにはなりません。
ただし事業主掛金額は経費にできるなど税制上の優遇があり、iDECOの延長的な制度であることから導入コストが少なくて済むなどのメリットがあると考えられます。
中小企業は大企業に比べ、福利厚生に大きな格差があり、事務負担も大きくなりがちなため、気軽に導入できる上乗せ年金制度として普及させていきたいのではないかと思います。
※つみたて次郎の個人的な考察が含まれています。
制度の複雑化に拍車をかけるのでは?
つみたて次郎の勤め先ではiDECO+の条件を満たしていそうですが、少なくとも加入者側が提案して導入してもらうような制度ではなさそうです(笑)
逆に事業主側が積極的に導入しようとした場合、元々のiDECO加入者が少なすぎて意味がないといった弊害が考えられそうです。
iDECO+はiDECOの加入者でなければメリットを享受できませんし、ただでさえまともに普及していないiDECOへの加入を促すのはなかなか難しいのではないかと思います。
また、個人型確定拠出年金(iDECO)は各自任意に加入することができ、拠出も運用も受取も原則自分で全て行うため、活用方法によっては60歳まで引き落とし不可の証券口座のような使い方をすることもできます。
そのため、同じく非課税で運用が可能なつみたてNISA・一般NISA(それぞれ金融庁が管轄)とよく比較される制度でもあります。
厚生年金や企業年金自体が非常な複雑な制度であり、iDeCoに類似した制度も複数ある現状では、むやみに選択肢を増やすのは好ましくないのではと思います。
とはいえ、iDeCo+そのものはシンプルで分かりやすく、既存のiDeCo加入者にメリットの大きい制度であるため、iDeCo普及のきっかけになってくれるのではないかという淡い期待を持っておきます。
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