エクソンモービル(XOM)分析

シーゲル二郎です。

今回は、エクソンモービル(XOM)を分析していきます。

エクソンモービルとは、国際石油資本、すなわちオイルメジャーの一角で、石油の発掘や販売をしています。

 

連続増配…34年

S&P格付…AA+

採用インデックス
・NYダウ
・米国配当貴族指数
・S&Pグローバル100
・S&P500

 

オイルメジャーとは、民間石油業者で、石油の発掘から精製、販売までまとめて行う垂直統合型企業です。

6大オイルメジャーは、下記のとおりです。

・エクソンモービル(XOM)
シェブロン(CVX)
・ロイヤルダッチシェル(RDSB)
・ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)
・トタル(TOT)
・͡コノコフィリップス(COP)

エクソンモービルは、オイルメジャーの中で最大規模の時価総額と売上を誇っています。

・時価総額…約37兆円
・売上…約20兆円

それを踏まえてこれをご覧ください。

出典「東洋経済オンライン

1つだけおかしいのがいますね。オイルメジャーでの最大はエクソンモービルですが、すべての石油企業で考えると、サウジアラビア国営企業であるサウジアラビアが堂々の第1位です。

オイルメジャーのライバルとして、OPEC(石油輸出機構)があります。現在、石油の世界シェアのうち、OPECが40%ほど握っていますが、オイルメジャーは10%ほどしかありません。

話はそれますが、サウジアラムコの時価総額は、推定220兆円とされており、エクソンモービルの6倍近くあります。

また、IPO(新規公開株)で全体の5%を株式市場に上場させる計画も出ています。5%といっても、11兆円分ですから、投資家も注目しています。

 

話がそれてしまいました。それでは本題のエクソンモービルに入ります。

まずエクソンモービルの事業内訳は、川上が約70%、川下が約20%を占めています。

川上…油田の開発、採掘
川下…精製、販売

石油企業の事業内容は、大きく分けてこの二つであり、みんながオイルメジャーと聞いて思い浮かべるのは川上ではないでしょうか。

まさに石油を掘って探すという分かりやすい作業です。石油王という言葉もあるので、石油は儲かるイメージがありますが、開発のために多額の資金が必要で、原油価格に大きく左右されるため、特有のリスクがあります。

逆に川下については、ガソリンスタンドがイメージしやすいです。石油を精製してガソリンなどに分け、必要な人に売る業務です。

原油価格の変動に合わせて売価が変わるので、原油安だと安く仕入れられる分利益は増えます。

 

1バレル当たり原油価格(単位:ドル)

原油価格のチャートです。1バレルとは、約159ℓのことで、原油の取引に使われる単位のことです。ケンタッキーではありません。

2008年のころは1バレル=120ドルもあったのに、2016年には1バレル40ドルまで下がっています。多くのオイルメジャーでは、1バレル=40ドルが損益分岐点だといわれているので、非常に苦しい状況でした。

2014年以前は、原油の回復に伴い、多くのオイルメジャーが調子に乗って川上部門を拡大させたり、川下部門を売却したりしていました。

その中で、エクソンモービルだけは、川上ばかりに集中せず、川下も30%ほどしっかり残していました。

そのため、投資家からは、「何で儲かる川上に投資をしないんだ」という批判もありましたが、結果、原油価格は暴落し、多くのオイルメジャーが悲鳴を上げました。

もちろん原油価格の下落はエクソンモービルにとっても痛手でしたが、川下部門がクッションとなり、オイルメジャーの中で唯一黒字を維持することができました。

原油価格は予想できないという前提の下、徹底した財務管理が行われているのが、エクソンモービル最大の魅力です。この辺は他の人のブログを見たほうが詳しく乗っているので、この辺にしておきます。

売上も世界中に散らばっており、十分な水準です。石油はどの国でも需要がある重要な資源です。

 

あまり見たくないグラフです。売上の変動のわりに利益の変動が緩やかなのはさすがです。しかし、粗利が少なく、売上に対する純利益の比率が小さいです。

また、オイルメジャーでは一番マシとはいえ、原油価格という制御できない部分で利益が大きく変動するのはマイナスです。

 

汚いグラフですが、フリーキャッシュフローがすべてプラスなのでよしとします。イメージの通り、事業維持のために必要な設備投資は多いです。

34年連続増配はさすがです。堅実な経営をしているので、配当原資が尽きることはないでしょう。ただし、利益の減少により自社株買いも少なくなっているので、EPSの増加率には注目していかなければなりません。

自己資本比率はほぼ50%をキープと、鉄壁です。そろばん勘定を大事にする企業なので、設備投資費と配当原資が尽きないよう、多額の現金を保有しています。

その代わりROEは原油価格によって大きく変わります。しかし、原油価格は回復中なので、今後は期待できるかと思います。

 

現時点情報(2017/8/19)

株価…76.64ドル
配当利回り…4.0%
連続増配…34年

おまけで原油価格(ピンクのチャート)も載せています。

基本的にエネルギーセクターに属する企業は、原油価格に合わせて株価が動くことが多いですが、エクソンモービルはその中では一番ゆるやかです。原油価格の落ち込みほど下落していません。

配当利回りは4%を超えており、魅力的な水準かと思います。連続増配も、鉄壁の財務状況であれば問題なく続くでしょう。

エクソンモービルは、多くのシーゲル流投資家に人気が高いです。なぜかというと、ジェレミー・シーゲル氏の著書「株式投資の末来」にていい感じに取り上げられているからです。

企業の成長性とリターンは関係ないという、「成長の罠」を説明する内容で、成熟企業のスタンダードオイル(エクソンモービルの前身)と、成長企業のIBMが比較され、圧勝した内容が書かれています。

実際、石油業界は、あと何年で石油がなくなるだの、悲観論が多く出ています。そのため、過度に投資家の期待がかからないのは大きな魅力です。

また、石油企業は、今はやりのクリーンエネルギーに比べて、環境に悪い、臭いなどといった、負のイメージが根付いているので、投資家にとっては好都合です。

石油があと30年でなくなるといわれて30年が経過しましたが、石油の埋蔵量は、むしろ以前よりも増えています。なぜかというと、昔は技術的に取れないと思われていた石油が、発掘できるようになったからです。

石油はまだまだエネルギーの中心として居続けることでしょう。

エクソンモービルは、これらのエネルギーセクターの中で、一番堅い銘柄であるため、上記の内容に魅了された投資家のお気に入りになっています。

しかし、シーゲル二郎は、あまり好きではありません。

理由を挙げれば、1つ目にエネルギーセクターは石油の原油価格に振り回されるコモディティだからです。他の企業のように、ブランドで売ることができません。

例えば、いくらエネゴリくんが「ガソリンがいいと車の走りもよくなるよ」といっても、消費者が選ぶ理由は結局値段です。特にガソリンスタンドは、1円安いだけで、離れた場所まで車で行く変わった人もいるくらいです。

ブランドによる差別が値段しかないため、結局いかに安く販売するかにかかってしまいます。

また、キャッシュフローが安定しないため、各種グラフが汚くなっており、美しくありません。収入が安定しないから、貯蓄(=自己資本比率)を多くするしかありません。

また、エクソンモービルは、現金を多くため込んでおり、内部留保をため込む日本企業みたいです。(ため込む目的が違うことは理解できますが)また、設備が多い宿命で固定資産も多いです。

普段投資をするときは、フィリップモリスやマクドナルドが債務超過になるまで株主還元することをベタ褒めするのに、その逆のエクソンモービルも持ち上げるのは少し不思議です。

また、ジェレミー・シーゲル氏が調べた過去のセクター別リターントップ5は次の通りです。

1位 ヘルスケア…14.19%
2位 生活必需品…13.36%
3位 情報技術…11.39%
4位 エネルギー…11.32%
5位 一般消費財…11.09%

参考文献「株式投資の未来」

とこのように、エネルギーセクターは4位に甘んじています。その前後を挟むのは、シーゲルはが忌み嫌う情報技術と一般消費財です。

正直なところ、ヘルスケアと生活必需品以外はほとんど誤差の範囲であり、セクターごとに優劣があるとは考えにくいです。

もちろん、石油が儲かる商売であることには変わりませんが、将来の不確実性は高いです。そういった意味では、現在の成熟した高収益IT企業と大差ないのかもしれません。

エクソンモービルがピカピカの優良企業であることには変わりませんが、シーゲル二郎は様々な矛盾を感じずにはいられません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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