電気通信 | つみたて次郎の投資日記 https://siegeljiro.com シーゲル流×積立NISA×iDECO Tue, 03 Nov 2020 03:55:47 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.0.11 134557597 ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)分析 https://siegeljiro.com/vz-bunseki https://siegeljiro.com/vz-bunseki#respond Tue, 12 Sep 2017 09:00:44 +0000 http://siegeljiro.com/?p=2441 シーゲル二郎です。

今回は、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を分析していきます。

アメリカ2大通信事業者の一角です。

 

連続増配…12年

S&P格付…BBB+

採用インデックス
・NYダウ
・S&P500

 

米国通信事業者で契約数1位、時価総額で2位の巨大企業です。日本でいうNTTドコモのような企業です。

米国売上比率は100%で、典型的なローカル企業です。

出典「ITmediamobile

アメリカ通信事業の契約者数です。1位のベライゾン・コミュニケーションズと、2位のAT&T(T)の2社で6割以上のシェアを支配している寡占市場です。

ちなみに3位のスプリントは、ソフトバンクが買収したことでニュースになりました。ソフトバンクCEOの孫正義氏は、落ちぶれている企業を買収して復活させる手法が有名です。

逆に言えば、ベライゾンとAT&Tの2大勢力は非常に強いともいえます。ちなみに2015年までは、AT&TもNYダウに選ばれていましたが、その後アップルと入れ替わりで抜けています。

「通信事業者2社いるからどっちか抜こう」というテキトーな考えから、「じゃあ単純に株価低いほうでいいじゃん」というテキトーな決め方で抜けてしまいました。

NYダウ銘柄の決め方はテキトーです。

そのため、残ったベライゾンのほうが優良企業というわけではありません。むしろ、AT&Tは38年連続増配の米国配当貴族なので、実績でいえばAT&Tのほうが上です。

電気通信業界のあれこれについては、「AT&T分析」を読んでいただければ幸いです。

 

事業内容は、LTEなどの携帯電話向け事業が大半を占めています。ライバルのAT&Tは、全体の3割ほどがエンターテインメント部門で、多角化を進めています。(Huluやアマゾンプライムみたいな)

ベライゾンの場合は、2015年にネット大手のAOL社を買収しており、2016年にはヤフーを買収しています。

日本でも同じ現象が起きていますが、広く携帯電話が普及してしまったので、今後の契約数の伸びは期待できません。そのため、両社とも本業以外の分野を拡大しようとしている段階です。

ネットTVのAT&T VS ネット広告収入のベライゾン の図式です。

 

売上は米国オンリーです。また、事業拡大中とはいえ、あくまで通信回線で儲ける企業です。実体としては、電気・ガス会社のような公共セクターと同じような状態です。

 

売上は安定していますが、純利益はバラバラです。2013年の急増益は、英ボーダフォンとの合弁解消を行い、ワイヤレス部門を完全子会社化したからです。それを踏まえても、結構ばらついている印象です。

 

営業CFマージンは25%前後あり高収益です。基地局などの設備投資が必要なので、フリーCFはあまり多くありません。年度ごとに投資CFがバラついていて美しくありません。

 

汚いグラフです。配当性向は高めで、AT&Tと同じく自社株買いより配当金で還元するスタイルです。

 

自己資本比率は低めですが、事業の安定性を考えれば十分でしょう。

 

現時点情報(2017/9/12)

株価…46.3ドル
PER…12.26倍
配当利回り…5.06
連続増配…12年

AT&Tと並び、高配当バリュー株の代名詞です。あちらはPER17倍ほどなのでこちらのほうが割安ですが、利益が結構ぶれるので参考になりません。

特にどちらも大きな強みはないので、好きなほうを買えばいいのではないでしょうか(適当)

ちなみにバフェット太郎10種の一角でもあり、注目度は高いです。

 

セクター上は電気通信セクターではありますが、下記の理由から実質公共セクターでいいと思います。

・米国内で事業完結している
・寡占市場だが付加価値がつけにくい
・設備投資が多くフリーCFが安定しない
・生活に密着しているため政府の規制リスクがある

シーゲル二郎は公共セクターに興味がないので、ベライゾンもあまり投資したいとは思いません。米国内に多額の設備を配置しているので、自然災害によるリスクが大きいし、通信費の増大は国民の可処分所得を下がることになるので、タバコみたいな露骨な値上げ戦略も取りにくいです。

配当利回りは魅力的ですが、配当性向と配当余力を考えると、少し不安です。シーゲル二郎がもし買うとすれば減配したときですかね。リタイヤ世代の保有者がパニックで手放すでしょうから。

連続増配は12年とそこそこですが、連続増配を期待するような銘柄ではないと思っています。

参考記事「生活必需品すぎる企業は危険だ!

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AT&T(T)分析 https://siegeljiro.com/t-bunseki https://siegeljiro.com/t-bunseki#respond Thu, 31 Aug 2017 05:22:21 +0000 http://siegeljiro.com/?p=1198 シーゲル二郎です。

今回は、AT&T(T)を分析していきます。

米国の総合通信事業者2強の1つです。読み方はそのまま「エーティーアンドティー」です。

 

連続増配…38年

S&P格付…A

採用インデックス
・米国配当貴族指数
・S&P500

 

総合通信事業者で、携帯電話回線や、インターネット回線の提供をしています。日本でいうNTTやドコモみたいな会社です。

米国シェアは第2位で、1位のベライゾン・コミュニケーション(VZ)の2社で大きなシェアを握っています。

出典「ITmediamobile

3位のスプリント社は、孫正義氏率いるソフトバンクが買収したことで世界的なニュースになりました。買収し、事業を立て直そうと奮闘しています。

逆に言えば、現在は、ベライゾン・コミュニケーションとAT&Tの2社が強いということでもあり、2社で6割以上のシェアを誇っています。

日本では、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3強ですが、契約数があまり頻繁に動くものではないため、今後も米国2強体制はしばらく続くと思われます。

通信事業が含まれる通信セクター企業は、は電話から始まり、固定回線、LTEなどの移動通信網と、大きな技術革新が進んできました。そのため、昔は今の情報技術セクターのような華やかな扱いでしたが、今では技術的な進化も限定的になり、契約者の伸びも頭打ちです。

生活の一部となっていて、公共性が高く、電気ガスなどの公共セクターとよくひとくくりにされがちな地味な存在です。

 

そのため、従来の通信回線だけではなく、コンテンツを配信する側になろうと事業拡大を進めています。。ドコモのDビデオとか、アマゾンプライムみたいなノリですね。多数の契約者がいる強みを生かしていく戦略です。

エンターテインメント部門が3割を占めており、利益成長に大きく貢献しています。

2015年に買収したディレクTVが好調です。2016年には、タイムワーナー社の買収を発表しており、トランプ大統領の反対もありますがうまく調整中です。

 

案の定米国内でほとんどを占めます。契約者の増加はあまり期待できません。

 

2015年のディレクTV買収により、売上は伸びています。それを除けば、売り上げは化石のようで、自分自身の成長はほぼないといえます。また、通信事業ということで安定したビジネスモデルのはずですが、意外にも利益はばらついています。

 

キャッシュフローは一定で美しいです。基地局などの整備のため、投資CFが多いのは仕方がありません。契約者の数だけ定期的に使用料が入ってくるので、営業CFの安定感は抜群です。

 

普通の会社であればそこそこのグラフだといえますが、世界最大級のインフラ会社と考えるといまいちです。利益のばらつきは大きく、配当性向の高さが目立ちます。利益のほとんどを配当金として吐き出しているため、自社株買いもできず、EPSは伸び悩んでいます。

本業が停滞しているので、いかにエンターテインメント事業への参入がうまくいくかがカギです。

 

自己資本比率は30%で、事業内容を考えれば十分でしょう。直近のROEは10%と低いです。日本同様、他社との値段競争により圧迫されているのでしょうか。

 

現時点情報(2017/8/31)

株価…37.67ドル
PER…17.7倍
配当利回り…5.20
連続増配…33年

インフラ企業ですがリーマンショックではしっかりへこんでいます。その後右肩上がりではありますが、非常に緩やかです。配当利回りがその証拠です。直近では5.2%もあり、典型的な高配当バリュー銘柄です。配当性向もほぼ100%近く、利益のほとんどを配当に回しているため、株価が急上昇することはあまりないでしょう。

シーゲル派としては、意見が分かれるところかと思います。

 

肯定派…投資家に期待が低い高配当バリュー銘柄のため、配当金再投資で大きなリターンが得られる。

否定派…市場平均を下回り続けた通信セクターである。また、同じく市場平均を下回り続けた公共セクターに、ビジネスモデルも業績も似ている。自社株買いも少なく、今後の増配余力に疑問がある。

 

シーゲル二郎はどちらかといえば否定派です。また、明確な脅威があります。

「格安SIM」です。日本でも、認知度は上がっています。シーゲル二郎もDMMモバイルのSIMをファーウェイのスマホにさして使っています(泣)

格安SIMとは、大手通信事業者の回線を別の業者が借りて、大手より安い値段で販売するものです。特徴としては、料金が非常に安い代わりに、店舗によるサポートなどがない場合が多いです。必要最低限でいいから安くしてほしいという消費者の心をつかんでいます。

米国でもAT&Tの回線を使った格安SIMが販売されているようです。幸いシェアには表れていませんが、今後値下げ競争に巻き込まれる可能性は高いでしょう。

日本の大手3社もぼったくりすぎだし

 

今後の成長性はネットTVなどのエンターテインメント事業にかかっているといっても過言ではありません。また、この分野はアマゾンプライム、ネットフリックス、Huluなどと競合する分野になります。消費者の娯楽に使う時間は有限なので、文字通り時間の奪い合いになるでしょう。そのため、買収戦略もシビアだと思います。

株主還元は十分ですが、事業の成長性に不安があるため、評価が難しいです。減配するまでは保有しててもいいですが、減配するなら早めにギブアップしてください。

 

 

 

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