【要点まとめ】ウォール街で勝つ法則

つみたて次郎です。

2年ほど前に買って半ば放置していたウォール街で勝つ法則を久しぶりに読み返してみました。

 

 

中身はひたすらデータとグラフが並ぶ学術書チックな内容になっており、ストーリー性はほぼ皆無です。

つみ次郎が買った時でも6,000円と高価でしたが、何と今では新品価格は20,000円を超えており、人を選びそうな内容も相まってハイリスクハイリターンな投資本となっています(辛)

 

ウォール街で勝つ法則 - 株式投資で最高の収益を上げるために

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さっそく書評とつみ次郎の考察を述べていこう…と思ったのですが、本について触れるうえで必要となる前提知識があまりに多すぎることや、つみ次郎自身も各章ごとの大まかな結論すら全部覚えられていないので、備忘録も兼ねて結論部分を要約して一旦記事にしてみました。

つみ次郎の意訳がほとんどですので、参考程度にお願いします。

主にそれぞれのバリュー指標について、淡々と箇条書きでまとめていきます。

なお、本書におけるデータ検証期間の多くはS&P500指数の1951~1996年となっています。

また、本書における「大型株」とは時価総額上位16%を指しています。

 

時価総額(企業規模)

・小型株効果のほとんどは時価総額2,500万ドル以下の超小型株がもたらした超過リターンであり、このグルーブを投信やETFでグループ買いすることはほぼ不可能。

・それに次ぐ時価総額2,500万円~1億ドルの小型株も高いリターンをもたらしているが、リスクも高いためシャープレシオで見れば大型株や全銘柄とさほど変わらない。

一言コメント

現実的に投資できる範囲の小型株は特別有利なわけではない。

 

PER(株価収益率)

・低PER銘柄を中心にリターンを調べると低PER大型株>全銘柄>低PER全銘柄>大型株となっており、大型株においては低PERが高リターンとなったが、全銘柄においてはむしろ逆になっている。

・高PER銘柄を中心リターンを調べると全銘柄>>大型株>>高PER大型株≧高PER全銘柄となっており、PERが高い銘柄のリターンは冴えない。

一言コメント

大型株の低PER銘柄が攻守最強に見える。

 

PBR(株価純資産倍率)

・PBRが低いほどリターンが高くなる傾向があるが、大型株の高PER50銘柄は1950年代~1960年代において高いリターンをもたらしている。

・長期リターンでは低PBR銘柄銘柄群が圧勝しているが、年別に見た場合は勝ったり負けたりを繰り返しており一貫して有利だったわけではない。

一言コメント

不調な時期もホールドし続けるのは大変そう。

 

PCFR(株価キャッシュフロー倍率)

・PCFRが低いほどリターンが高い傾向にあるがその分リスクも高く、全銘柄の低PCFR50銘柄のシャープレシオは全銘柄平均よりも低かった。

・大型株の場合、低PCFR50銘柄は低リスク高リターンでシャープレシオも高かった。

一言コメント

バリュー戦略は大型株のほうがはっきりしやすい?

 

PSR(株価売上率)

・大型株・全銘柄問わずPSRが低いほど高いリターンになる傾向があり、他の指標に比べて最も高リターンかつ強い一貫性がある。

全銘柄の高PSR50銘柄への投資は本書執筆時点で最悪の成績になっている。

一言コメント

過去実績だけで見ればPSRが最強のバリュー株指標!

 

配当利回り

・全銘柄の配当利回り上位50銘柄は、全銘柄よりリターンは低くなっており、リスクも高かった。

・大型株の配当利回り上位50銘柄は、大型株よりリターンもリスクもシャープレシオも高かった。

・主力銘柄(発行株式数・キャッシュフロー・売上高が平均より高い大型株)の場合、配当利回りが指標として最も優れていた。

一言コメント

高配当戦略は大型株に絞ったほうがいい?

 

EPS(1株当たり収益)

・全銘柄・大型株問わず、EPSの1年間変化率の上位50銘柄群も下位50銘柄群も全体平均のリターンよりも低かった。

・全銘柄・大型株問わず、EPSの5年間変化率の上位50銘柄群は全体平均のリターンよりも低かった(下位50銘柄群については未検証)

一言コメント

EPSの変化率は役に立たなそう。

 

利益率

・全銘柄・大型株問わず、利益率上位50銘柄は全体平均のリターンより若干低かった。

・全銘柄の利益率を十分位数に分けたとき、最も利益率の低いグループも最も利益率の高いグループもリターンは低かった。

一言コメント

利益率が高すぎるのも低すぎるのもダメっぽい。

 

ROE(株主資本利益率)

・全銘柄のROE上位50銘柄は、全銘柄よりリターンもリスクも高く、シャープレシオは低かった。

・大型株のROE上位50銘柄は、大型株よりもリターンは若干低いうえにリスクも高かった。

・全銘柄・大型株問わず、十分位数でグループ分けしてもさほどリターンに差はなかった。

一言コメント

ROE信仰はなんやったんや…(バフェット涙目)

 

RPS(レラティブ・プライス・ストレングス)

・全銘柄のRS(年間株価上昇率)上位50銘柄は、全銘柄よりリターンもリスクも高く、シャープレシオは低かった。

・大型株のRS上位50銘柄は、大型株よりリターンもリスクも高く、シャープレシオも高かった。

・全銘柄・大型株問わず、十分位数に分けた時に最大グループは最も高リターン・最小グループは最も低リターンになっており、はっきりとした相関性がある。

一言コメント

いつまでも上がらない〇ソ株はトイレに流そう

 

指標の比較・組み合わせ

・全銘柄におけるリターンは低PSR>低PBR>低PCFR>全銘柄>低PER>高配当利回り>高PER>高PBR>高PCFR>高PSFRとなっている。

・本書で検証されている複数指標の組み合わせのうち、最もトータルリターンが高かったのは全銘柄×高RS×低PSR(1倍以下)だった。

・本書で検証されている複数指標の組み合わせのうち、最もシャープレシオが高かったのは統合基本戦略※だった。

※統合基本戦略…グロース基本戦略(全銘柄×利益前年度以上×PSR1.5倍未満)とバリュー基本戦略(主力銘柄×高配当利回り)を50:50の比率で組み合わせたもの。

一言コメント

バリューとグロースを組み合わせると無敵?

 

要点まとめ

上記のような内容がひたすらずっと続くような本ですので、この記事を飽きずに読むことができた猛者はぜひ買ってみてください(笑)

各種バリュー指標が優れたスクリーニングになるというのはさほど驚きではありませんでしたが、細かく見ていくと大型株に関しては逆の結果になっていたり、極端に尖った銘柄群でもダメといったケースがあり、機械的に広くカバーすることがやはり大切ですね。

これらの投資戦略に合わせた投信やETFがどんどん増えてくれたらいろいろ手を出してみたいですね(ただし低コストに限る)

近日中にはつみ次郎の感想等をメインにした書評記事を投稿する予定です(指標組み合わせがメインテーマになりそう)

 

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ウォール街で勝つ次郎(スーパートレーダー)

 

【要点まとめ】ウォール街で勝つ法則” に対して1件のコメントがあります。

  1. らっきょ より:

    名著と呼ばれる投資本を読むと、読む毎に自分の投資戦略がブレそうですね。
    まぁ、とりあえず、セクターETFとVTVでやり過ごします。

  2. つみたて次郎 より:

    >>らっきょ様

    根拠となるデータが同じだとしても、解釈する人によって結論は大きく変わりますからね。
    逆に言えば、どの部分を取り入れてどの部分を切り捨てるかが重要ですね。

    セクターETFとVTVなら、比較的多くの投資本(の解釈)に合致すると思いますw

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