米国バリュー(VTV)+米国グロース(VUG)=S&P500?
シーゲル二郎です。
バンガード社が提供するスマートベータETFに次の2つがあります。
それぞれ米国大型株のうち、バリュー株とグロース株に投資できるETFになっています。
米国大型株というと、米国市場全体の約75%をカバーするS&P500が思い浮かびます。
シーゲル二郎がずっと疑問に思っていることがあります。
それは「バリュー+グロース=S&P500になるのか?」という疑問です。
それぞれ米国市場を幅広くカバーしているので、両方合わせたらほぼ市場平均になるんじゃないのかと日々考えていました。
シーゲル二郎の知識と分析力では正確な答えは導き出せないので、緩く分析してみました。
VOO・VTV・VUG(2017/6/30現在)
セクター | VOO(S&P500) | VTI(バリュー) | VUG(グロース) |
情報技術 | 22.3% | 12.3% | 25.2% |
金融 | 14.5% | 25.4% | 12.7% |
ヘルスケア | 14.5% | 12.9% | 14.0% |
資本財 | 10.3% | 12.4% | 11.5% |
エネルギー | 6.1% | 8.2% | 3.2% |
公共 | 3.2% | 5.8% | 0% |
バンガードETFでは、種類によってセクター分けが違うので、確実に判明したセクターのみ載せています。
VTVとVUGを単純平均してもあまり市場平均にならないセクターが多くあります。また、資本財に至ってはどちらもS&P500を超えているという大きな問題が生じています。
ちなみにS&P500ではなく米国市場全体だと、資本財セクターの割合は13%だったので、それだと逆にどっちも下回っているという問題が生じます。
少なくともセクター比率では、VTV+VUG=S&P500説に大きなマイナスポイントです。
次に、銘柄ごとの構成比率をチェックしています。
VOO・VTV・VUG 銘柄構成比率(2017/6/30)
会社名 | VOO(S&P500) | VTV(バリュー) | VUG(グロース) |
アップル | 3.6% | 0% | 6.7% |
アルファベット | 2.6% | 0% | 5.4% |
マイクロソフト | 2.6% | 4.7% | 0% |
アマゾン | 1.8% | 0% | 3.9% |
フェイスブック | 1.7% | 0% | 3.5% |
ジョンソン&ジョンソン | 1.7% | 2.9% | 0% |
エクソンモービル | 1.6% | 3.0% | 0% |
JPモルガン・チェース | 1.6% | 2.9% | 0% |
バークシャーハサウェイ | 1.5% | 2.9% | 0% |
ウェルズ・ファーゴ | 1.2% | 2.2% | 0% |
S&P500の時価総額上位10銘柄のうち、どれだけ含まれていたかの結果です。VOOは当然ですが全て網羅しています。
上位10銘柄でVTVとVUGで重複していた銘柄はありませんでした。また、2つを平均すると大体VOOと同じぐらいになることから、VTV+VUG=S&P500説として有力な情報です。
次に、時価総額などを見ていきます。
項目 | VOO(S&P500) | VTV(バリュー) | VUG(グロース) |
構成銘柄数 | 506 | 339 | 321 |
時価総額中央値 | 878億ドル | 844億ドル | 844億ドル |
まず構成銘柄数を見ると、VOO=VTV+VUGになりません。VTVとVUGに重複している銘柄は簡単に見た限りではなさそうなので、この時点で説の立証失敗です。
ここで始めて気づきましたが、時価総額中央値がVTVもVUGも全く同じです。平均値ではないので完全に半分ずつではなさそうですが、やはり大体市場を2分割していることには間違いありません。
まとめると以下の通りです。
VTVとVUGを均等に保有した場合
・セクター別で考えるとVOO(S&P500)とVTI(米国全体)の間くらいのバランスになる。
・上位構成銘柄は大体市場平均と同じくらいになる。
・銘柄数は多分500社を超える。(339+321=660銘柄?)
S&P500と米国市場全体の間くらいのポートフォリオになりそうです。VOOやVTIであれば信託報酬0.04%ですが、上記だと0.06%と少し割高になります。
ですが、1本だけではつまらない人であれば、バリューとグロースの二刀流も面白いかもしれません。
各分析も記事がありますのでよろしければどうぞ。
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組み合わせなら、ETFreplayですね。お使いですか?
ちなにみ2004/1/30から今日までのbacktestでは、VTV+VUG 1:1はVTIとシャープレシオ全く同じ(0.43)でした。Total returnは前者が212.2%、後者は216.7%と僅差ですね。
VTIとよりはるかに少ない銘柄数でVTIに激しく迫るリターン!…って違うか。おとなしくVTIでしょうか。
ETFreplay…こんな素晴らしいサイトがあったとは!
教えていただいてありがとうございます。
他にも組み合わせシリーズを考えていたので、しばらく使い倒してみます。
VTV+VUGは正直微妙ですね…大人しくVTIが間違いないと思います。
逆にこちらからの質問で恐縮ですが、ETFreplayでリバランスを設定するのには会員登録が必要なのでしょうか?
もしご存知でしたらご教授願います。
自分も他の人のブログで知ったクチなので、偉そうなことはいえないのですがね…(ちなみに私はブログしていません)
リバランスは、おそらく会員登録というか有料ですね。Subscriptionで結構えげつないツールに化けるはずですけど、さすがに$34.99/monthは出せませぬ。
もっとも、「値動きでなくトータルリターンを柔軟に比較できて」かつ「組み合わせもできる」のはここ以外に私は見つけられていませんので、制限付きながらかなりのアドバンテージがあるかなと思います。ぜひご活用ください。
やっぱり有料ですか…結構お高い
無料の範囲で使い倒してみます。
有力情報ありがとうございました!