バリュー投資家やグロース株投資家のベンチマークは何が適切か?

つみたて次郎です。

世の中には様々なスタイルを持った投資家が存在していますが、その中でも大きなジャンル分けとして存在しているのがバリュー株投資グロース株投資です。

定義は様々ですが、ざっくりまとめると以下の通りです。

バリュー株投資…株価が割安な銘柄を選定
グロース株投資…成長率の高い銘柄を選定

この2つのスタイルは完全に分かれているわけではなく、ある人がバリュー株として評価する銘柄も、別の人からグロース株に見えたりするかもしれません。

また、バリュー株とグロース株をバランスよく保有する方針を掲げている人もいますし、その究極系がインデックス投資といえます。

その一方で、バリューVSグロースというのは根強い派閥があり、投資における永遠のテーマでもあります。

バリュー株に全振りしている人、グロース株に全振りしている人も珍しくありません(具体例は伏せます)

そしてそのような、完全にスタイルを特化されている投資家は、銘柄の偏りというリスクを引き受けるのと引き換えに、市場平均を超えることを目標にしている人が多いのではないかと思います。

今回は、そのようなガチガチのバリュー株投資家及びグロース株投資家に焦点を当てて考察していきたいと思います。

 

個人投資家のベンチマーク

個人投資家でベンチマークを厳密に定めている人はあまりいないかと思いますが、漠然とした目標としてS&P500を超えてやるみたいに考える人は結構いるのではないでしょうか。

米国株を中心に投資している人はS&P500指数がちょうどいい相手になりますし、日本株を中心に投資している人はTOPIX、国際分散しているならVTあたりが分かりやすいですね。

いずれも、自分が投資しているジャンルに近い指数や金融商品をライバルにすることが多いのではないかと思います。

この理屈で行くと、バリュー株やグロース株に特化している投資家のベンチマークは、上記のような通常の指数等でよいのか?という疑問が生まれてきます。

 

 

米国市場の場合

例えば米国バリュー株オンリーで運用している投資家がいるとして、ある期間においてS&P500に勝っていたとします。

ここだけ切り取れば優秀な投資家に見えますが、下記のような状態ならばどうでしょうか?(数字は適当です)

とある期間におけるトータルリターン
・S&P500(市場平均) +20%

・バリュー株指数   +30%
・グロース株指数   +10%
・投資家のリターン  +25%

ようするにバリュー>グロースになっていた相場だったのでうまく市場平均をアウトパフォームできたが、バリュー株指標のほうがもっと良いリターンだったというケースです。

この場合、投資家全体で見れば優秀ですが、バリュー株投資家としてみた場合はダメだったという結論になります。

バリューVSグロースという全体の傾向と、個人の銘柄選定能力は分けて考える必要があるということですね。

実際には売買タイミング等も関係してくるのでここまで単純な話ではありませんが、投資リターンというのは複数の要素で分解できる点には注意が必要です。

バリュー株指標やグロース株指標として参照するならば、下記のバンガードETFが現実的で分かりやすいかと思います。

バリュー…バンガード・米国バリュー(VTV)
グロース…バンガード・米国グロース(VUG)

それぞれ限りなく純粋なバリュー株ETF及びグロース株ETFになっています。

 

真に中立なベンチマークを求めて

上記の話をまとめると、バリュー株投資家はバリュー株指数(VTV等)、グロース株投資家はグロース株指数(VUG等)をベンチマークにしたほうが良い…という結論になりますが、これはこれで違和感のある考え方でもあります。

また、グロースとバリューというのは前述したとおり、ハッキリ2つに分けられる要素でもないですし、バリュー派がグロース株派にチェンジしたり、逆もしかりです。

そもそも個人投資家は、機関投資家と違ってベンチマークを設定しないと誰かに文句を言われることはありませんし、市場平均をずっとアンダーパフォームしてもお咎めなしです(自分の心はしんどくなりそうだけど)

それでも、何らかのベンチマークを設定して比較するというのは有意義な行為だと思いますし、各自の投資方針や目標に合ったライバル指標?はあったほうが投資に対するモチベーションは上がるのではないかと思います。

株式100%という方針は当面貫く予定であるのに対し、米国株100%という方針については何らかのきっかけで変更するかもしれないので、あくまで株式100%における中立ベンチマークとしてVTを仮想ライバルとして設定しています。

余り想像したくありませんが、S&P500等の米株市場がVTにボロ負けする可能性もあります。

S&P500指数も、株式100%という縛りの中で考えれば米国株に集中投資していることと同じですからね。

逆にS&P500には負けたがVTに勝ったというシナリオであれば、つみ次郎としては十分満足であると考えています。

話が逸れましたが、投資の実力や評価というのは相対リターンこそが正義ですので、何を基準に置いて比較するというのは極めて重要なことです。

間違っても、特定の個別銘柄や著名投資ブロガーのリターンと比較して一喜一憂するなんてことはないように気を付けたいところですね。

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