ADR | つみたて次郎の投資日記 https://siegeljiro.com シーゲル流×積立NISA×iDECO Tue, 03 Nov 2020 03:55:47 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.0.11 134557597 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)分析 https://siegeljiro.com/bti-bunseki https://siegeljiro.com/bti-bunseki#respond Wed, 06 Sep 2017 09:00:32 +0000 http://siegeljiro.com/?p=1544 シーゲル二郎です。

今回は、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)を分析していきます。

名前の通りタバコの販売会社です。本社は分かりづらいですがイギリスです。

 

連続増配…?年

S&P格付…?

採用インデックス
・S&Pグローバル100

たびたび情報不足ですいません。タバコセクターの代表的な企業で、本社はイギリスのロンドンです。タバコ業界はいろいろ複雑なので、順を追って説明していきます。

まずは登場人物を紹介します。

フィリップモリス・インターナショナル(PM)…世界№1ブランド「マルボロ」を保有。米国シェア1位で、海外展開もしていたが、米国内での訴訟が怖いので、米国内事業は下のMOとして分離した。そのため米国外売上比率100%

アルトリアグループ(MO)…上のPMから分離した米国内部門。当たり前だが「マルボロ」もちゃんと売ってる。米国内売上比率100%。

レイノルズ・アメリカ(RAI)…上記に次ぎ米国内では2位のシェア。ほぼ米国内でしか展開していない。近いうちにBTIに買収される予定。

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)…米国ではやる気がないが、それ以外では高いシェアを誇る。米国内にも手を出したかったので、RAI株を保有して子会社にしていた。だけど物足りなくなり完全に買収することが決定した。

JT(日本たばこ産業)…ちゃっかり世界シェア3位。売り上げの半分は日本で、残り半分は海外。米国では訴訟リスクとかなんちゃらがあってほとんど売ってない。

中国煙草総公司…上記に負けず劣らず名前がかっこいい、中国のタバコ会社。中国ではタバコは専売制であり、この会社しか売ることができない。中国内でしか販売していないが、中国人はタバコ大好きのため、世界シェアの半分を占める。上の4つが束になっても勝てない。

 

勢力別に色分けしました。同じ色は仲間みたいなもんです。世界シェアの半分が中国であり、中国煙草公司しか売ることができないということと、米国内と米国外で全く違う事情があるということを抑えてください。

それを踏まえて、米国と中国を除いたシェアがこちらです。

出典「Philip Morris International」

上位3社が強く、買収による巨大化が盛んなので、この勢力図は動かないでしょう。

 

また、タバコブランドごとで見るとこうです。

 

出典「Philip Morris International」

フィリップモリス&アルトリアが販売する「マルボロ」が圧倒的首位です。その他を見ても、上位3社で独占しています。今回のブリティッシュ・アメリカン・タバコはBATの青いところを保有しており、比較的目玉はないけど幅広い品ぞろえです。

伝統的なタバコ事業は、健康意識の高まりもあって衰退産業といえます。しかし、タバコはブランドの力が強いので、販売数が減っても値上げで売り上げを維持することができています。しかし、今後は分からないので、各社電子タバコの開発に力を入れています。

企業名 電子タバコ
フィリップモリス&アルトリア iQOS(アイコス)
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ glo(グロー)
JT(日本たばこ産業) プルームテック

 

電子タバコは成長産業でもあり、今までのタバコで得た利益を開発費にあてています。しかし、当初予定ほどあまり売り上げは伸びていないようです。

 

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ自体の売上先は、大体4分の1が米国です。また、買収が決まったレイノルズ・アメリカンはほぼ米国内です。両社の合併後のバランスを計算してみたところ、米国内が4割弱、米国外が6割強になるようです。(適当な計算)

よくあるようなバランスになりました。米国専門のレイノルズを買収した後も十分多国籍展開できそうです。

 

次に各データを見ていきます。単位はポンドです。

売上は横ばいですが、純利益は上昇しています。タバコの売れる量はいつも変わらないので、あとは値上げとコストカットで利益率を上げることができます。

 

このグラフこそタバコセクターの極意。営業CFマージンは30%前後を叩き出しており超高収益です。投資CFも少ないためフリーCFがハンパないです。

 

何も言うことはありません。素晴らしいです。連続増配年数は不明ですが、少なくともポンド建てで10年以上は確実です。

 

 

2015年は何かあったようです(適当)

自己資本比率が20%と低いですが、同業種のアルトリアは10%程度、フィリップモリスにいたっては債務超過でマイナスですから、その中では一番高いです。毎年の現金収入が安定しすぎているので、無茶してもヘッチャラです。

 

現時点情報(2017/9/4)

株価…62.67ドル
PER…21.33倍
配当利回り…3.61%
連続増配…?年

チャートはきれいな右肩上がり。配当利回りは3.6%と高めですが、衰退産業のタバコ企業では高配当が当たり前になっているので、少し物足りないかもしれません。

市場シェアや各グラフは何も言うことはありません。しかし、タバコ事業は健康被害による訴訟リスクがあるし、現在の中国のように政府による規制も大きいです。また、税金もがっつり国に取られてしまいます。

逆に言えば、上記のリスクを重く見すぎて投資家から避けられた結果、今までは高いリターンをたたき出せたともいえます。また、上記のデメリットを言い換えれば、政府規制があるから他社が参入できないし、税金を多く払っているので国もつぶせないというメリットにもなります。現在の中国市場も、いずれは専売でなくなり解放されるかもしれません。

このように、タバコ企業を取り巻くニュースはいいものも悪いものもたくさんあります。また、タバコ企業自身も尖っていて、低い自己資本比率・高い配当性向・売上地域の偏りなどを兼ね備えています。湧き出るキャッシュを頼りすぎているといわれてしまっても文句は言えません。

不確実性が多く、今後も高いリターンを生み出せるかは未知数です。シーゲル派なら肯定したいところですが、シーゲル二郎は何とも言えません。そんなタバコ企業の中ではこのブリティッシュ・アメリカン・タバコは比較的無難なので、シーゲル二郎10種にも選ばれています。

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ディアジオ(DEO)分析 https://siegeljiro.com/deo-bunseki https://siegeljiro.com/deo-bunseki#respond Mon, 04 Sep 2017 21:00:54 +0000 http://siegeljiro.com/?p=1510 シーゲル二郎です。

今回は、ディアジオ(DEO)を分析していきます。

蒸留酒メーカーで世界最大手です。生活必需品セクターに分類されています。

 

連続増配…?年

S&P格付…?

採用インデックス
・S&Pグローバル100

 

情報不足ですいません。イギリスに本社がある世界最大の蒸留酒メーカーです。とはいっても、蒸留酒メーカーは地元の企業が強く粒ぞろいなので、市場を支配するようなシェアではありません。

ADRでNY証券市場に上場しています。イギリス本社のため配当金への源泉徴収がないのがうれしいですね。

有名なブランドとしては、ウイスキーの「ジョニー・ウォーカー」、ビールの「ギネス」、ウォッカの「スミノフ」など多種多様です。特にスミノフは甘めなのでシーゲル二郎も好きなのですが、275㎜ビンが200円近くもする超高級品なので、普段は買えません(´;ω;`)

歴史的に不道徳銘柄(タバコやアルコール)は、高いリターンをもたらしました。投資家があまり積極的に保有したがらないので、割安に放置される期間が長かったのが理由です。

また、米国で過去最も長期リターンが高かったのは、タバコ企業のフィリップモリス(PM)でした。アルコール企業であるディアジオも、この経験則が今後も正しいなら高いリターンをもたらすことになります。

このくらいしか話すことがないのでデータに行きます。※今回のグラフはすべてポンドです。

 

生活必需品セクターの中では、アルコール企業は景気に左右されやすいといわれていますが、ディアジオの場合関係ないようです。

取り扱っているのが高級酒というよりは大衆向けの商品が多いので、不景気でもリーマンが愚痴をこぼしながら消費してくれるのではないでしょうか。ただしシーゲル二郎にとっては高級品です(泣)

グラフ自体は緩やかな右肩上がりでいうことなしです。

 

2014年は減少していますが、インドのユナイテッド・スピリッツ社を買収した関係かと思います。それ以外は極めて退屈です。今後も湧き出る現金を利用して買収を続けていく方針です。

営業CFマージンは25%に迫るほどで、高収益企業といえます。

 

ポンド建てですが、過去10年では連続増配できているようです。配当性向が上がっていますがむしろ今ぐらいでキープしてくれたほうがいいです。
参考記事「配当性向は高いほうがいい

 

自己資本比率が年々上昇しており、生活必需品セクターとしては珍しいです。他の企業ではマイナスになるまで借金してます(笑)

ROEが下がっていますが、自己資本比率の上昇によるものなので問題ありません。

 

現時点情報(2017/9/4)

株価…134.83ドル
PER…24.21倍
配当利回り…2.38%
連続増配…?年

ADRなので連続増配歴は不明ですが、少なくともポンド建てでは過去10年連続増配は確実です。PERは24倍と割高といえます。

アルコールは気に入ったブランドがずっと飲まれるため、一度定着した企業はずっと残り続けることが多いです。つまり、今後のシェアは緩やかにしか動かないということです。

ディアジオは、蒸留酒では現在世界トップですが、今後シェアが奪われる可能性は十分あります。しかし、奪われたとしても緩やかですから、それまでにしっかりお金を稼いで事業買収なり自社株買いしてEPSを伸ばしていけばいいだけです。

懸念としては、アルコール市場が成長産業ではないことです。若者の酒離れが先進国では進んでいるし、蒸留酒の売上が級成長していたインドでも、最近は伸びが鈍化しています。

そのため、あまり期待できない退屈な投資になりそうです。しかし、投資においては、安定した市場で戦う企業こそ穴場であり、アルコール市場はぴったりです。

難しいことは考えずに、人が増えれば飲む酒も増える。それだけで十分です。あとは株価が割高でなければOKです。

 

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ユニリーバ(UL)分析 https://siegeljiro.com/ul-bunseki https://siegeljiro.com/ul-bunseki#comments Mon, 04 Sep 2017 11:19:06 +0000 http://siegeljiro.com/?p=1494 シーゲル二郎です。

今回は、ユニリーバ(UL)を分析していきます。

P&Gに次ぐ超巨大日用品企業です。日本でもかなり有名ではないでしょうか。

 

連続増配…?年

S&P格付…A+

採用インデックス
・S&Pグローバル100

 

米国企業ではなく、イギリスとオランダ両方に法人がある二元上場企業です。ヨーロッパの企業では珍しくはないですが、少し不思議ですね。

また、それぞれロンドン証券取引所とアムステルダム証券取引所に上場しているうえ、ADRという形でニューヨーク証券取引所にも上場しているので、ティッカーがたくさんあります。まとめると次の通りです。

法人名 自国 NY(ADR)
ユニリーバPLC(ロンドン本社) ULVR UL
ユニリーバNV(ロッテルダム本社) UNA UN

 

日本人が投資できるのは、ADRであるULとUNのみです。基本的には両方とも同じユニリーバなので差はありませんが、本社所在地が別々なので、配当金にかかる源泉徴収が違ってきます。

通常の米国本社の米国株であれば、源泉徴収は一律10%が配当金から引かれ、そこから日本で約20%引かれて投資家の手に渡ります。

ADRの場合は、本社所在地によって変わり、オランダの場合は15%、イギリスの場合は0%です。つまり、イギリス本社のADRであるULを買ったほうが基本的には有利です。そのため、この投稿記事ではUL株を使って分析していきます。

 

世界的に見れば、日用品と食べ物半分半分で構成されています。同じく日用品巨大企業のP&Gと比べて、食品の割合が高いのが特徴です。

P&Gももともとは食品やお菓子を販売していました。筒状のポテトチップス「プリングルス」を発明しましたが、現在はケロッグ(K)に売却し、日用品に集中しています。

日用品専門のP&G VS 食料品も売るユニリーバ の図式です。

有名ブランドは次の通りです。

ジャンル ブランド名
シャンプー ラックス
ボディケア ダヴ
台所用洗剤 ジフ
インスタントスープ クノール
紅茶 リプトン
アイスクリーム マグナム
マーガリン ラーマ

 

とんでもないブランドが多数並んでいます。シーゲル二郎は日用品ブランドに興味ありませんが、クノールやリプトンはよく目にするのではないでしょうか。また、日本ではあまり見かけませんが、アイスクリームも非常に有名です。

スキンケア、デオドラント、調味料、紅茶、アイスクリームで世界トップシェアです。市場シェアを重視するシーゲル二郎にとっては天国のような事業ポートフォリオです。

 

スーパー多国籍企業です。世界中に日用品と食品をばらまいております。また、その他の大半は新興国であり、今後の成長余地も十分あります。ユニリーバに限らず、欧州本社企業は自国のマーケットが小さいので、海外進出をせざるをえません。そのため、このような素晴らしい多国籍展開ができている企業が多いです。

 

※今回のグラフは全てはドルではなくユーロですのでお気をつけください。

リーマンショックで多少へこんでいますが、それを除けば安定しています。。売り上げも緩やかに右肩上がりで美しいです。

 

2014年と2015年はまさかの営業CF=フリーCF。そのせいで逆にグラフが美しく見えません。とはいっても、事業維持に必要な投資CFがないのは素晴らしいことです。

営業CFマージンは、10%前半で推移しており、15%以上をキープしているP&Gに比べて物足りません。

 

非常に美しいグラフですが、実は2009年は減配しています。しかし、あくまでグラフはユーロの場合です。ユニリーバの場合はポンド、ユーロ、ドルの通貨に関係するので、為替によって連続増配が難しいこともあるでしょう。

このグラフの美しさを見れば連続増配なんて何の意味のない数字です。

 

線が重なってしまいましたが、両方とも30%前後で横ばいです。非常に退屈で美しいです。

 

現時点情報(2017/9/4)

株価…58.29ドル
配当利回り…2.84%
連続増配…?年

2017年の爆上げは、米国食品大手のクラフト・ハインツ(KHC)が買収を持ち掛けたためです。たった2日で白紙になりましたが、株価は戻っていません。

配当利回りは3%を切っていて、割安とは言えないでしょう。

P&Gと比べると、営業CFマージンが低めで、高収益とはいえません。しかし、保有ブランドや、グラフの退屈具合を見ていればそんな懸念も吹き飛びます。ADRというのもまた好都合で、イギリス本社のため源泉徴収はかからないし、米国企業ばかり持っている人には地域分散ができるので、痒いところに手が届く銘柄だと思います。(ULの場合はね)

シーゲル二郎は現在米国株オンリーの投資信託しか持っておりませんが、本当はADR銘柄もめっちゃ欲しいです。本社が米国かどうかなんて関係なく、世界中で展開している優良企業であれば、別にイギリスだろうが日本だろうが構いません。ただ、現状割合では最も米国が高いし、投資しやすい環境が整っているから消去法で米国を選んでいるにすぎません。

あまり高収益でないのも、P&Gに次ぐ業界2番手なのも、投資家のリターンとは関係ありません。自分のテリトリーをしっかり持って稼ぎ続けるユニリーバは、長期で報われる企業だと思います。

 

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