増配×高配当の組み合わせは危険

シーゲル二郎です。

米国株ブログ界では、配当貴族株や高配当株についての議論が活発のようなので、シーゲル二郎も未熟ながら持論を展開していきたいと思います。既に2つの考察を記事にしています。

第一弾「配当貴族は黄金銘柄を引き当てるギャンブル
第二弾「高配当戦略は最も無難なバリュー株投資

第三弾は、「増配×高配当」について考えていきます。

長期投資においては、配当が利益の源泉とされており、配当金再投資が非常に重要です。また、全ての金融資産は将来得られるキャッシュフローをもとに値段がついていることを考えると、値上がり益すら配当金が大きな決め手になっています。

そのため、単純に配当金を毎年増やしてきた連続増配企業や、既に配当利回りが高い企業に投資することで、受け取る配当金を最大化しようというのが、日本の米国株投資家で流行っている戦略という訳です。

増配×高配当は、1つのマジックワードとして広く浸透しています。

シーゲル二郎も比較的信頼しているマジックワードですが、懸念がないわけではありません。

まず、増配企業は、比較的安定した企業でなければ達成できません。先日ゼネラルエレクトリックが減配を発表したように、景気敏感株には不利な条件です。

また、安定している企業で高配当を探すと、必然的に配当性向が高い老舗企業にぶつかります。

コカ・コーラマクドナルドベライゾンエクソンモービルなどです。

上記のような高配当バリュー株の中に、末来の黄金銘柄は存在していないというのがシーゲル二郎の持論です。

黄金銘柄(コーポレートエルラルド)とは、シーゲル教授が著書「株式投資の未来」で記した、米国株におけるリターン上位20銘柄のことです。

参考記事「生き残りS&P500の黄金銘柄

これらの企業群には、連続増配企業が多いという共通点がありました。ただし、配当利回りは市場平均よりやや高い程度、そして市場平均より大幅な利益成長を達成していました。

ですが、上記のような老舗企業に、今後市場平均を大幅に超えるような利益成長を望むのはほぼ不可能です。

高リターンの条件は、「低い期待×高い成長」ですが、そのうち片方が既に達成不可能なので、かつてのフィリップモリスのようなリターンは不可能でしょう。

増配×高配当でスクリーニングするのであれば、黄金をあきらめて銀や銅を拾い集めることになります。

末来の黄金銘柄を探すなら、高配当連続増配企業ではなく、配当利回りはそこそこで利益成長が見込める企業に投資するべきだと思います。

米国配当貴族指数に採用されている50銘柄の中には、低配当利回りの成長企業も多く含まれているので、50銘柄の中に未来の黄金銘柄が隠れている可能性は高いと思います。

もちろん全てが黄金になれるわけではないので、ガラクタが多すぎた場合は市場平均をアンダーパフォームすることでしょう。

また、高配当戦略は、配当金に注目したバリュー戦略でもあり、本当に配当金再投資の力で市場平均をアウトパフォームしたのかという疑問もあります。

むしろ、高配当戦略自体は下落に強い戦略ではないので、シーゲル教授の前提と少し違う気がします。

参考記事「配当金は下落相場のプロテクター?

もし配当利回りをバリエーションを図るための道具として考えるなら、さらに連続増配やセクターでスクリーニングするのは少し違うような気がします。

 

まとめると、次の通りです。

 

連続増配・・・黄金銘柄の最低条件

高配当・・・割安度チェックの指標

 

連続増配戦略と高配当戦略は、それぞれ求めるものが全く違っています。連続増配に注目するなら、利益成長率や配当余力を個別にチェックするべきだし、高配当に注目するなら機械的に抽出するべきだと思います。(ダウの犬とか)

増配と高配当を同時に満たす銘柄ばかり集めるのは、結果中途半端な銘柄の山を築くことになってしまうかもしれません。

 

また、定性的な話で恐縮ですが、「増配×高配当」って、誰がどう考えても安心できる最強の響きだと思うんです。

インターネットの世界は「弱者こそ最強である」という言葉もありますが、株式投資においても弱者は最強なんです。

増配×高配当という最強の株が、最弱に転落する可能性を否定できません。人気が高まり、割高になっているというオチも想像できてしまいます。

そしてなにより、リタイアした世代の「リターンは低くてもいいから配当金だけ欲しい」というニーズにピッタリ当てはまっているという点が非常に心配です。

配当暮らしの人は株価が割高でリターンが減っても別にかまいませんから、株価が割高で推移してしまうというシナリオも想像できてしまいます。

増配・高配当・生活必需品・ヘルスケア、これらのキーワードが世間で意識されている以上、市場平均を超えるかどうかは未知数です。

 

結論…インデックスが一番無難、最強の戦略は存在しない

 

ですが、シーゲル二郎は現在のところ嫌々インデックス投資をしている身なので、早く高配当戦略を非課税口座で運用できる商品を設定してほしいところです。(現行NISAはNG)

楽天さん、早く楽天VYMを設定して、iDECO対象に指定してください。

速攻でSBI証券から楽天証券に移管して、泣きながら宣伝させてもらいますから。

頼んだよ。

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