VTや楽天VTへの投資は正しい国際分散投資といえるのだろうか?

つみたて次郎です。

インデックス投資家に非常に人気の高い商品に、「バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)」があります。

海外ETFの1つで、投資対象は「全世界のあらゆる株式」です。

米国から新興国、大型株から小型株まで文字通り全てが投資対象になっており、株式市場の99%以上をカバーしています。

インデックス投資は、市場の平均点を得ようとする戦略ですので、可能な限り幅広い銘柄を時価総額に合わせて保有するのが一つの理想です。

つまりVTに投資するだけで、教科書通りのインデックス投資が完結してしまうということになります。

そしてその人気が高いVTを、投資信託としてパッケージ化したのが「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(通称:楽天VT)」です。

この2つは、長期投資における最適解ともいえる金融商品です。

日本人投資家では、日本株や米国株に偏っている人がいますが、全世界のうちどこが成長するかは分からないから、幅広く国際分散すべきという意見もあります。

そんな時に、このVT(楽天VT)というのはよく引き合いに出されることが多いです。つみたて次郎は現在米国株集中投資ですが、「全世界に分散投資するべき」という主張も十分理解できますし、常に意識している点でもあります。

次のような主張はよく見かけますね。

米国も日本も1つの国に過ぎないのだから、中国やロシアなど新興国が覇権を握ることも考えて、全世界にバランスよく投資すべき。そうすることで、世界経済の成長をしっかり享受できる。

この主張そのものはつみたて次郎も納得できます。しかし、この主張の実践方法にVTを例に挙げるのには疑問です。

なぜなら、VTなどの時価総額加重インデックス指数は、新興国への投資はごく一部に過ぎないからです。

世界には、未上場の大企業や、国営企業もたくさんあります。これらは当然VTには含まれません。

また、上場企業であっても、その大部分を一部の固定株主が保有しているというケースもあります。

参考記事「浮動株調整後時価総額基準とは?

この調整により、新興国への投資比率は極端に低くなります。

浮動株調整後時価総額では新興国株は全体の10%程に過ぎません。経済力を示すGDPでは全体の40%近くになっていることを考えるとかなり不自然です。

参考記事「GDP基準 vs 時価総額基準 

「全世界の経済成長に賭ける」というのであれば、全ての株式を保有するだけでは意味がありません。適切な比率でベッドすることが大切ではないかと思います。

したがって、本当に米国主導の資本主義経済が破綻するところまで視野に入れているなら、VT1本というのはいささか不十分ではないかというのが本記事での主張です。

世界経済2位の中国株が全体のたった3%程度では、米国が没落した時のリスクヘッジとしては機能しません。

したがって、「世界経済の成長に賭ける」という主張がしたいのであれば、一般的な国際分散よりも新興国株を高い割合で組み込む必要があるはずです。

しかし、新興国は下落リスクが大きいので、あまり比率を高めすぎることは推奨されていません。また、どのくらい増やすかという主観が入り込んでしまうのも大きな問題点です。

時価総額基準のインデックス指数投資は、「世界経済の成長に賭ける」のではなく、「市場の効率性に賭ける」投資法だと思っています。

上記では米国が没落したらというケースでしたが、究極的にはどこの国が成長しようがインデックス投資家には関係ないはずです。市場の価格形成が正しければ、成長国であっても衰退国であってもそこそこのリターンに落ち着きます。

世界経済の覇者から没落し、米国に立場を奪われた英国も、株式リターンではかなり良い成績になっています。

「世界の株式市場を丸々保有する」というのがVTなどの時価総額基準インデックス指数の特徴であり、「全世界の株式をバランスよく保有する」ということではないという点には注意が必要かもしれません。

そもそもですが、上場している株式会社ではなく、未上場の多国籍企業や国営企業が世界経済を支配するなんて言う未来もあり得ないとは言い切れません。

究極的に投資家は、「上場企業が世界経済を支配する」という未来に賭け続けていることになります。

経済活動を行う全ての組織が上場株式会社ではない以上、本当の意味で世界経済の成長に賭ける方法は存在しないのかもしれませんね。

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