VTがアメリカで人気がないのはなぜ?

つみたて次郎です。

日本で大人気といえるETFに、バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)という金融商品があります。

これ1本で全世界の株式に時価総額に沿った分散投資が可能であり、全部入り仕様といえる内容となっています。

最近では国内の低コスト投資信託の充実もあり語られる回数は減りましたが、それでも根強い人気を誇り、海外ETFにおける筆頭候補ともいえる存在です。

そんなVTですが、実はアメリカではあまり人気がありません。

米国株式全体をカバーするバンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)及びバンガードS&P500(VOO)と総資産額等を比べてみます。(2018年6月12日現在)

ティッカー 投資対象 信託報酬 総資産額
VT 全世界株 0.10% 約123億ドル
VTI 米国株全域 0.04% 約996億ドル
VOO 米国株(S&P500) 0.04% 約930億ドル

 

米国株をカバーするETFと比べると、総資産額には大きな差がついています。

特にVTIはバンガードで総資産額№1、全運用会社含めてもSPYやIVVに次ぐ世界第3位の規模です。

それを踏まえても、VTはかなり大きな差をつけていることが分かります。

どうしてアメリカではVTがあまり人気ではないか、その理由についていくつか考えてみました。

 

 

米国株を保有している人には不便

日本では株式投資=ギャンブルという風潮が未だに根付いていますが、米国ではごく一般的な資産形成方法として広く普及しています。(貧困格差の広がり等を考えると一概にはいえないかもしれませんが)

米国市場が安定した右肩上がりであったことや、バンガードETFなどの優れた金融商品が多数ある環境であれば、アメリカ人の株式投資に対する意欲が高まるのは自然な結果ともいえます。

その反面日本はバブル崩壊後から未だ最高値を更新できておらず、金融機関のモラル問題もあり、日本人の株式投資に対する意欲が低くなっていたのとは対照的ですね。

そして投資を始めるときは、まずは自国の株式や債券に興味を持つのが自然です。

米国株投資が認知されるようになってきたとはいえ、やはり日本では日本株投資が主流ですし、金融の本場米国なら米国株から投資する人がほとんどだと思います。

しかし近年では、全世界への分散投資を行うべきという主張が広く認められており、VTはその究極ともいえる内容です。

国際分散ポートフォリオをゼロから構築するのであれば、VT1本に投資するというのは非常に合理的な選択です。

日本では長らく低コストなインデックスファンドが存在していなかったので、VTはまさに救世主のような存在だったのかもしれません。

しかし米国では、既に米国株または米国株ファンドを保有している人が多く、そこにVTを追加するとバランスが悪くなってしまいます。

このように考えていくと、米国+米国外がセットになっているVTは都合が悪く、元々保有している米国株に足して調整できるような金融商品が好都合です。

 

日本人→日本株以外が必要→VTは便利
米国人→米国株以外が必要→VTは不便

 

時価総額における日本株の比率は10%程度ですので、日本人にとってはVT≒外国株といえますが、米国株の比率は50%を超えていているので米国人にとってはそうはいきません。

このように考えると、VTが日本では人気でアメリカでは不人気であるというのも納得できるかもしれません。

また、日本人でもVTは日本株が含まれていて調整しづらいという人もいるかと思います。

インデックスファンドでも、先進国株式は大体日本が除かれていますし、VTがアメリカで人気がないのもその延長なのかもしれません。

 

米国人には国際分散投資のメリットが小さい

米国企業は世界経済の中心プレイヤーであり、米国のみならず世界規模で活動するグローバル企業が多いです。

また、米国の基軸通貨はドルであり、為替変動も比較的緩やかです。

これらを踏まえれば、わざわざ米国外に投資しなくても、米国株のみで十分な分散になっていると考えることができます。

これは、日本人の米国株クラスタでもたびたび主張される内容で、つみたて次郎もやや賛成の立場です。

ドルで生活していない日本人ですら米国株集中投資をしているのですから、さらに為替リスクすら無視できる米国人が米国株のみに投資するというのはとても自然な流れです。

このように考えていくと、そもそも米国人にとって国際分散投資をするメリットは小さいということになります。

また、バフェット氏やバンガード創業者のボーグル氏は、基本的に米国株インデックスファンドへの投資を推奨していますし、米国という国の立場を考えれば、これほど自国株への集中投資が肯定される国もないでしょう。

金融理論的には国際分散投資がセオリーではありますが、米国経済の規模や為替リスクを考慮すれば、日本人以上に米国株が魅力的に見えそうですね。

 

VTまとめ

VTがアメリカで人気がない理由は、以下の2点によるものだと考えます。

 

・米国外株式でまとめてあったほうが便利だから
・そもそも国際分散投資を重視していないから

 

実際はこれ以外にも様々な理由があるとは思いますが、おおむねこの2点で説明できそうです。

なにより、この裏返しが日本におけるVTの人気につながっていると考えることもできるので、VTがアメリカで人気がないことと、VTそのものに対する評価を結び付けないように気を付けていきたいですね。

とはいえ、総資産額が他に比べて少ないことや、相対的に信託報酬が割高であることは投資する際に気を付けたいところですね。

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楽天VT次郎

VTがアメリカで人気がないのはなぜ?” に対して 4 件のコメントがあります

  1. aaa より:

    VEA(米国以外先進国)が720億ドル
    VWO(新興国)が671億ドル
    を見ると、先進国や新興国の単体クラスはそこそこの資産額を持っていますが

    VEU(米国以外全世界が)237億ドル、と
    VTと同じく「全部入り」は人気がないようです

    上記を踏まえると
    つみたて次郎さんが仰った2つの理由の他に
    下記の理由もありそうな気がしますね
    https://media.rakuten-sec.net/articles/-/6885

  2. N より:

    これは何の根拠もない意見だけど、アメリカでVTの人気が無いのは、記事に書いてあるような小難しいことではなく、アメリカ人の考え方の根幹が「アメリカ・ファースト」にあるからだと思います。

    「俺らの国が一番に決まってんだろ?HAHAHA~~~!!!!」みたいな。

    日本人投資家の多くが投資リテラシーが低いように、アメリカ人投資家もほとんど国際分散投資のメリットなんて考えてないんじゃないかな~。

    まあ全部憶測ですけどwww

  3. つみたて次郎 より:

    ≻≻aaa様

    地域別に自分で組み合わせたいという理由も大きいかもしれませんね。
    リンク先の記事も読ませていただきましたが、「ファイナンシャルアドバイザーが関与する余地がなくなる」という発想はなかったので参考になりました。

  4. つみたて次郎 より:

    ≻≻N様

    その理由もかなりありそうですね(笑)
    実体経済でもアメリカはトップクラスですし、自国に対する自信があるのも当然だと思います。
    逆に日本人はあまり自国(特に経済面)に自信を持っている人が少なく、日本株投資にネガティブ意見が増えているのは対照的で面白いです。

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