ユナイテッド・ヘルス(UNH)分析

シーゲル二郎です。

今回は、ユナイテッド・ヘルス(UNH)を分析していきます。

米国で医療保険最大手です。

 

連続増配…7年

S&P格付…A+

採用インデックス
・NYダウ
・S&P500

 

医療保険の最大手企業であり、ヘルスケアセクターに属しています。日本とアメリカではあまりに医療保険事情が違うので、同じイメージで想像するのは危険です。

日本は国民皆保険であり、必ず社会保険や国民健康保険などの公的保険に加入することになっています。そのおかげで、多くの人は病院での負担が3割程度で済みます。また、高額医療制度などもあるので、医療費の上限は限定的で安心できます。

アメリカは、今まで国民皆保険がなく、各自で民間医療保険に契約するのが一般的でした。そのため、保険に未加入な人が全国民の15%ほどいたため、これを解消するために導入されたのが「オバマケア」です。とはいっても、無保険者は低所得者が多く、加入することになれば全体の保険料が上がるので、既に保険加入済みの人からの反対も多いです。

アメリカで骨折すると200万円かかるとか、盲腸の手術で1,000万円請求されたとか、ギャクにもならない高額な医療費を請求されます。アメリカで旅行中に歯が痛くなったら、現地で治療するより、飛行機代を払って自国で治療したほうが安上がりなんてジョークもあります(笑)

また、日本の民間医療保険と違い、医療保険ごとに指定された病院があり、それ以外の病院で治療されると保険適用外です。そのため、救急車で運ばれる途中にどこの医療保険の加入者か確認されるそうです。

アメリカの医療保険会社には、次のような考え方があります。

3件新規契約を取るよりも、1件の保険金を支払わないようにしろ。

アメリカらしい利益率重視の合理的な考えです。アメリカの医療保険は何かと細かい理由をつけて、保険金の支払いを渋るそうです。また、保険料は月額何十万円になることも当たり前のようです。日本人は無駄に保険に入りすぎだといわれますが、多くても月2~4万円ほどではないでしょうか。

資本主義ここに極まり

 

まとめると、アメリカの医療事情は素晴らしいということです(爆)

このユナイテッド・ヘルスも、ある意味悪徳企業であり、製薬企業と同じようにボロ儲けの報いを受ける可能性があります。

製薬会社ほどではないですが、アメリカ政府の規制が怖いですね。

 

事業の7割強が医療保険がらみですが、残り3割弱は、薬剤給付管理(PBM)という事業になります。PBMは、処方箋の給付や管理を行うもので、いわば薬品の卸売業ともいえます。IT技術を駆使して、患者のデータを分析し、必要な薬を分析します。そして、複数の製薬会社から見積を取り、できるだけ安く仕入れ、薬局などに卸します。

子会社であるオプタム社が担当しています。

卸売業なので、規模が大きいほど有利です。そのため、合併を重ねた結果、現在は下記の3社でほぼすべてのシェアを占めています。

 

・エクスプレス・スクリプツ(ESRX)

・ユナイテッド・ヘルス(UNH)

・CVSヘルス(CVS)

 

ちなみにCVSヘルスのメイン事業はドラッグストアです。PBM業務はあくまで卸売業なので、利益率は非常に低く儲かる事業とはいえません。

 

売上はほぼアメリカのローカル企業です。こんなふざけた医療制度なら海外展開は無理でしょう。

ヘルスケアセクター企業は、医療機器か製薬メーカーが多いですが、ユナイテッドヘルスはどちらも関係ない医療保険+PBMという珍しい企業といえます。

 

保険業でボッタくりなので、高利益率かと思いきやかなり薄利多売です。売上と純利益はきれいな右肩上がりです。今後の成長余力も十分ありそうです。

 

営業CFマージンは一桁後半で低めですが、投資CFが少なく、フリーCFも右肩上がりで美しいです。

 

自社株買いにも積極的ですが、2010年からの増配率は目を見張るものがあります。どの部分まで配当性向を上げるか注目です。

 

売上と純利益はしっかり伸びていて、ROEは横ばいです。オーガニックな成長ができており素晴らしいです。

 

現時点情報(2017/9/11)

株価…97.8ドル
予想PER…32.11倍
配当利回り…1.24%
連続増配…7年

株価は綺麗な右肩上がりで興味はそそられません。PERは30倍を超えており、グロース株並みの水準です。配当利回りは1.24%と低いですが、増配率は素晴らしいので今後は期待できそうです。

アメリカの医療保険事情は投資を始める前から知っていたので、その時点で投資対象としてはアウトです。

ほぼ米国内でしか通用しないローカル企業だし、事業内容も薄利多売です。医療保険の仕組み自体は社会に役立つものですが、アメリカの医療保険は国民の生活を助けておらず、企業が肥えるだけです。

ユナイテッド・ヘルスは採算性の関係でオバマケア向け事業から撤退しています。ようするに、国民皆保険のオバマケアは儲からないということです。

日本でも、医療費の増大による保険料の引き上げが問題になっています。一番問題なのは、井戸端会議の年寄りが病院でたむろしていること。次に問題なのは、国民健康保険の医療負担費が、貧乏人に対してひどすぎるからです。

国民健康保険は、無職や自営業の人が加入するので、平均所得は低めです。所得がほぼない人は、かなり低めの保険料で済みます。また、保険料の上限が低めに設定されているので、ある程度の収入を超えると保険率が低くなっていきます。

それを加味すると、年収200~300万円くらいの収入がある人がもっとも保険料率が高くなるそうです。自営業をするなといっているようなもので、若者の起業意欲をそぎますね。

 

話をアメリカに戻しますが、医療費は国を挙げて解決するべき問題であり、民間企業の儲けのための道具になっては絶対になりません。そのため、医療保険や製薬でボロ儲けしている資本主義の犬は今後報いを受けるのではないでしょうか。

アメリカの医療保険制度は、必要悪ですらなくただの極悪です。それに加担するユナイテッド・ヘルスも投資に値しません。

悪徳企業であれば高リターンをもたらす可能性もありますが、これだけ割高であればその可能性も低いでしょう。

 

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