投資ではプレミアムがデメリットにもなる

つみたて次郎です。

日常生活でも投資でもよく使われる用語に、「プレミアム」という言葉があります。

ニュアンスとしては、おまけ・賞金・上乗せ分などのような意味合いで使われることが多いかと思います。

豪華さや特別感を演出するために用いられることが多く、一般的には良いイメージが根付いています。

「プレミアム商品」「プレミアムチケット」なんて言われると、なんだか物欲を刺激されてしまいますね(笑)

投資においても、プレミアムという言葉はよく使われます。

投資ではもっぱら「上乗せ分」という意味合いで使われることが多いです。ここでは、つみたて次郎の独断と偏見で3つのプレミアムを紹介したいと思います。

 

株式プレミアム

株式は、長期的に債券よりも高いリターンを叩き出してきました。

約束された利回りを期待できる債券は、事業リスクを背負う株式よりも本質的にはローリスクです。したがって、株式は必然的に債券よりも高いリターンが求められることになります。

債券と株式のリターンの差を株式プレミアムといい、米国における過去200年間の株式プレミアムは約3%でした。

債券よりも高いリスクを引き受ける代わりに、年間平均で3%のプレミアムを得ることができたということになります。

当然ながら、時期によって株式プレミアムは大きく変動します。株式に対する恐怖心によって決まるといっても過言ではありません。

株式への恐怖心が高くなるほど誰もリスクを取りたがらなくなるので、株式プレミアムは拡大します。

しかし、そのような時に株式を保有するリスクを引き受けることができる人はほんのわずかであり、長期投資においては大きな試練になります。

 

バフェットプレミアム

世界一の投資家、ウォーレン・バフェット氏の売買動向は、常に市場参加者に注目されています。

バフェット氏がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)は、上場企業の株式も多数保有しており、特に保有金額の大きい銘柄については「バフェット銘柄」と呼ばれ個人投資家から人気があります。

具体的には、コカ・コーラ(KO)クラフト・ハインツ(KHC)などがあります。

これらの銘柄には、「バフェット氏のお気に入り」という箔がついています。

超大型株とはいえ、バフェット氏が株価に与える影響は無視できません。素直に考えれば、世界一の投資家が持っている銘柄にはプラスイメージがつき、株価には好影響を与える可能性が高いです。

したがって、バフェット銘柄には、バフェット氏が持っているという事実だけでプレミアムがついていることになります。

正式名称ではありませんが、「バフェットプレミアム」なるものが発生しているかもしれません。これはこれから購入する人にとっては割高で買わされることを意味するため、決して好ましいことではありません。

得するのは、プレミアムが発生する前に保有していたバフェット氏本人のみです。

逆にバフェット氏が売った銘柄は、そのプレミアムが剥がれるどころか、「世界一の投資家が見捨てた銘柄」というマイナスプレミアムが発生するかもしれません。

最近だと、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)が売却されています。

元からのホルダーにとっては悪夢でしかありませんが、押し目を見て購入した人にとっては悪くない取引になったのかもしれません。

 

ダウの犬プレミアム

これは、つみたて次郎が適当に考えたプレミアムです(笑)

逆張り投資の1つに、「ダウの犬戦略」があります。

NYダウに採用されている30銘柄のうち、年末において配当利回りが高かった10銘柄を均等保有し、毎年末ごとに入れ替えをしていくという戦略です。

参考記事「2018年版ダウの犬10種

配当利回りを割安度判定のスクリーニングとして用いることで、過去長期においてオリジナルであるNYダウのリターンを上回っております。2017年は残念ながら劣後してしまいましたが。

バリュー株投資としてはかなり有名な戦略です(下手したら知名度トップかも?)

これはすなわち、「NYダウで配当利回り上位10銘柄」というだけで買われる理由があるということです。

実際、ダウの犬が世間に周知された直後は、割安株を選ぶはずのダウの犬銘柄が割高になってしまい、市場平均に惨敗したという黒歴史もあります。

バリュー株投資は、人気がない銘柄を保有することが重要であり、有名になってしまうとその有効性を失います。

ダウの犬が有名になることで、ダウの犬銘柄に好ましくないプレミアムがついてしまうことになります。

これを逆手にとれば、「NYダウの中で配当利回りが11番目の銘柄」なんてのは穴場なのかもしれません。

ランキング99位と100位の差と、100位と101位の差が違って見えるのと同じ理屈です。

ちなみに2018年年末時点で配当利回りランキング11位はジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)でした。

ダウの犬に限りませんが、ギリギリスクリーニングにかからない銘柄というのはなかなか悪くないのかもしれません。

 

プレミアムまとめ

上記3つのプレミアムのうち、「株式プレミアム」は歓迎できる上乗せですが、残りの「バフェットプレミアム」と「ダウの犬プレミアム」というのは非常に危険な要素です。

投資においては、好材料が悪材料になることも日常茶飯事です。

あなたが良い投資先だと思った時点で、何かしらのプレミアムが上乗せされているかもしれませんからね。

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プレミアム次郎

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