囚人のジレンマ

シーゲル二郎です。

有名なゲーム理論に、「囚人のジレンマ」というものがあります。ゲームと名前がついていますが、この世の中のあらゆる争いは、この囚人のジレンマに通じるものだと思っており、投資に限らず非常に考えさせられる理論です。

仮に、AとBの2人の人間がいたとします。二人は協力して犯罪を企てましたが、、警察に捕まってしまいました。現在、別々の取調室で事情徴収を受けていますが、なかなか罪を認めようとしません。

そこで、次のような取引を持ち掛けられました。

両方とも罪を自白すれば、それぞれ懲役は5年だ。ただし、片方が自白して片方が黙秘した場合、自白したほうは恩赦として懲役1年だが、黙秘していたほうは重罪だとして懲役10年だ。両方とも黙秘した場合、証拠不十分でそれぞれ懲役3年だ。

 

文字だとわかりづらいので図にします。それぞれ自白、黙秘の選択肢があるので、2×2=4パータンの結末があります。

 

グラフ化しました。全体で見て一番利益があるのは、お互いが黙秘して赤い部分のお互い懲役3年になることです。

自分が黙秘した場合、可能性は懲役3年or懲役10年です。

逆に、自分が自白した場合、懲役の可能性は懲役1年or懲役5年です。

最悪なのは、自分が黙秘して相手が自白した場合です。そのため、両方が合理的な判断を下せば「自白」することになります。しかし、両方自白すると青い部分になってしまい、懲役5年ずつになってしまいます。

 

両方とも黙秘すれば懲役3年で済んだのに、実際は懲役5年になってしまいました。

お互いが自分の利益を中心に考えることで、全体で不利益を被ってしまうという例えです。

これは囚人という非日常ですが、日常生活でもよくある話です。

囚人AとBを、商店Aと商店Bに置き換えます。これら2つの商店は隣通しで、品ぞろえも似ています。

それぞれの選択肢は、定価販売と値引き販売です。お互い競争せずに定価で販売すれば両社ともそこそこの増益を得ることができますが、どちらかが値引した場合、そちらは客足が増えるので、大幅な増益を見込むことができます。

一番いいのは赤い部分のお互い定価販売で、平和的です。しかし、相手が値引販売で自分が定価販売が最悪の結末なので、値引販売せざるを得ません。

結果、青い部分になり、お互い値下げ合戦で減益になってしまいます。

日本だと、吉野家・松屋・すき家の牛丼値下げ合戦が同じような事例です。商品が差別化しにくい場合は、決め手は価格になってしまうため、値引きをするしかありません。しかし、他社も追随して値下げすると、みんな減益になってしまうのです。

他には、ドコモ・KDDI・ソフトバンクのMNP合戦もジャンルは違いますが同じ現象です。キャッシュバックでシェアを拡大しようとしましたが、3社とも似たり寄ったりになったので結局シェアもあまり動かず、費用だけ掛かってしまいました。

一番いいのは、お互い値引しませんと約束を交わすことですが、カルテルになってしまうので法律で禁止されています。

米国企業では、超巨大スーパーを運営するウォルマート・ストアーズ(WMT)が有名です。他のスーパーのことなんか一切考えずに値引きをしまくったことで、他スーパーの客を根こそぎ奪い世界一位に君臨しました。

現在ではさらに赤字覚悟で値引するアマゾンに猛攻撃を受けています。

 

この問題を解決するには、次の2通りが考えられます。

①業界で値引するような裏切り者がでないように信頼関係を築く

②そもそも値引しなくてもいいような商品やサービスを提供する

 

①は、勝ち組がほぼ固まっている寡占市場でよくある現象です。ドコモ・KDDI・ソフトバンクは現在横並びで、競争は緩やかです。しかし、格安SIMなどの今までにない勢力が現れ値引を始めると、利益を圧迫されることがあります。

②は究極の対策です。そもそも値引が関係ないようなブランドを築いていれば問題ありません。androidスマートフォンがいくら値引されても、iPhoneユーザーの目には入りません。

 

今回は値引きにフォーカスして説明していますが、他にも多くのケースがあります。例えば、企業の研究開発です。お互いが研究開発なんてしないでのんびりしていれば余計な経費は掛かりませんが、他社に負けないようにお金をかけて研究開発をしなければなりません。社会にとっては研究開発が盛んになるのはいいことですが、企業にとっては利益を圧迫する要因になります。

自社が開発してない時に他社が開発を進めていたら負けてしまうので、やめるわけにはいきません。

同じ結論ですが消費者独占企業最強ということです。

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