世界経済インデックス・オープン 分析

シーゲル二郎です。

今回は、世界経済インデックス・オープン(投資信託)を分析していきます。

積立NISAの選定基準を満たしている優良バランスファンドです。2017年8月24日から運用が始まっており、販売されたばかりの商品です。

世界中の株式や債券にまとめて投資できる内容になっていて、単体での積み立ても視野に入る素晴らしい投資信託です。

株式と債券の比率が固定されており、3種類の選択肢があります。

 

・世界経済インデックス・オープン…株式50%、債券50%

・世界経済インデックス・オープン(株式シフト)…株式75%、債券25%

・世界経済インデックス・オープン(債券シフト)…株式25%、債券75%

 

項目 通常 株式シフト 債券シフト
株式:債券 50:50 75:25 25:75
投資範囲 全世界 全世界 全世界
ウェイト基準 GDP GDP GDP
信託報酬 0.54% 0.594% 0.486%

 

出典「三井住友トラスト・アセットマネジメント

通常の場合はこのような内訳になります。大きな特徴は、組み入れ比率が時価総額基準ではなくGDPを基準として決められているところです。

時価総額基準では新興国の比率は10%ほどですが、GDPを基にすると全体の40%近くを占めるようになります。

今後のGDP成長が続けばさらに比率が高まっていきます。そう遠くない将来に先進国のGDPを抜くという予想もあるので、逆転する日が来ると思います。

新興国への投資はリスクもリターンも大きいので、安定性を求めてバランスファンドを選びたい人にはあまり向いていません。

積極的に新興国に投資したいけど、リバランスとかするのは面倒という人にオススメです。

上記の割合から株式比率を高めた株式シフト型、逆に債権比率を高めた債券シフト型も同時に発売されています。シーゲル二郎はこの2つに全く反対の評価をつけていますので、参考記事もぜひご覧ください。

積立NISAで買うべきもの

積立NISAで買ってはいけないもの

 

 

この投資信託そのものは優良なのですが、運用会社である「三井住友トラスト・アセットマネジメント」に物申したいことがあります。

似たような商品出して何がしたいの?

同じ会社からは、「世界経済インデックスファンド」という、瓜二つの商品が出ています。投資先の内容もGDP基準でほぼ同じ、ラインナップのバリエーションも全く同じ、信託報酬も同じです。

参考記事「世界経済インデックスファンド 分析

通常のインデックス型であれば、信託報酬だけ安くした上位版が販売されるようなことはよくあります。(あまり良くないけど)

ですが、バランス型のインデックスファンドでここまでそっくりな商品を同じ会社で出すことは稀です。

出典「三井住友トラスト・アセットメント

資産内訳もほぼ一緒です。しいて言えばこちらのほうが新興国比率が少し低いです。

交付目論見書の内容もほぼ同じことが書かれていますが、ほんの少し違う点がありました。

 

世界経済インデックスファンド…基本組入比率は、地域別(日本、先進国、新興国)のGDP(国内総生産)総額の比率を参考に決定します。

世界経済インデックス・オープン…基本組入比率は、地域別(日本、先進国、新興国)のGDP(国内総生産)総額の比率に基づき決定します。

 

若干ですが新発売のオープンのほうがより厳格にGDPを基準にしているようです。直近の月次レポートから新興国比率を調べてみました。(どちらも2017年8月31日現在)

 

世界経済インデックスファンド…31.3%

世界経済インデックス・オープン…39.02%

 

世界経済インデックス・オープンのほうが割合は高いです。また、GDPで機械的に決められるようなので、保有する側としては余計な心配をしないで済むので安心です。

商品としては世界経済インデックス・オープンのほうが若干よさそうですが、好みの問題といえる範囲です。現時点で最大の違いといえば、総資産額です。

世界経済インデックスファンドは、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と並ぶバランスファンドの2強ともいえる存在です。総資産額は500億円をこえており、安定した資金流入も続いています。

その一方世界経済インデックス・オープンは2017年8月24日に設定されたばかりで、総資産額が増えるかどうかを気にする必要があります。

新興国比率の違い・総資産額の違いを考えてどちらか選べばいいと思います。

ちなみに積立NISAでは、世界経済インデックファンドの株式シフト・債券シフトはラインナップに入っていないので注意してください。どちらかの比重を高めたい場合、必然的にオープンの方から選ぶようになります。

 

どちらにせよ、運用会社である三井住友トラスト・アセットマネジメントが話題作りのために設定した商品としか思えません。

せっかく「世界経済インデックスファンド」という強力なブランドがあるのですから、似たような商品を作ったのはあまり良くないと思います。

投資信託業界ではよくある話ですが、日常に当てはめるとちょっと不思議です。

既存商品の名前を変えて新商品として販売すること自体は、他の業界でもよくある話です。(セブンイレ〇ンの新商品みたいな)

ですが、今までの商品と新商品を並べて販売することはありません。コンビニで同じ弁当が違う名前で売ってたら不思議に思うことでしょう。

世界経済インデックスファンドと世界経済インデックス・オープンは今後並行して販売されるので、顧客はどちらかを選択する必要があります。

ですが、その内容が瓜二つでは、選ぶ側も困ってしまいます。バランスファンドは投資初心者にも分かりやすいのが大きな強みなのですから、できるだけシンプルな販売体制を取ってほしいです。

個人的な話ですが、世界経済インデックスファンド(株式シフト型)は、シーゲル二郎が初めて投資した金融商品で、少し思い入れがあります。それを上書きされたような気がして、少し悲しい気持ちになりました。

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商品自体は素晴らしいのに…

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