SBIグローバル・バランス・ファンドが新登場！株式40％：債券60％を基本とした国際分散型投信
つみたて次郎です。
今回は、SBIグローバル・バランス・ファンドを分析していきます。
2018年10月4日より設定される新商品で、全世界の株式と債券にまとめて投資することが可能です。
ファンド基本情報
| 項目 | データ |
| ファンド名 | SBIグローバル・バランス・ファンド |
| 運用会社 | SBIアセットマネジメント |
| 設定年月日 | 2018年10月4日 |
| 為替ヘッジ | 一部あり |
| 信託報酬 | 0.2891％ |
| 運用方法 | ファンド・オブ・ファンズ |
名前から推測すると、雪だるまシリーズの新商品である可能性が高いです。
参考記事…EXE-iつみたてファンドがSBIインデックスファンドに名称変更！新規愛称は「雪だるま」
実質的な投資内容
出典「EDNET」一部加工
株式40％：債券60％を基本方針にしています。各国の割合については、おおむね時価総額に準じた比率になっており、それぞれ半分以上は米国になっています。
日本株式と日本債券を足しても10％未満となっており、全体の90％以上が海外資産への投資になっています。
また、この手のバランスファンドには珍しく、株式と債券の比率が±20％というかなり広い範囲で見直しされる可能性があります。
株式比率は60～20％、債券比率は40～80％までの間で調整されることになります。
また、債券部分には為替ヘッジがついているため、為替リスクが抑えられています。
実質的な投資ファンド
ファンドを経由して別のファンドを買付するファンド・オブ・ファンズ形式を採用しており、その投資対象は次の通りです。
| ファンド名 | 信託報酬 |
| iｼｪｱｰｽﾞ･TOPIX | 0.06％ |
| SPDRﾎﾟｰﾄﾌｫﾘｵ・ﾃﾞｨﾍﾞﾛｯﾌﾟﾄﾞﾜｰﾙﾄﾞ(除く米国) | 0.04％ |
| ｼｭﾜﾌﾞU.S.ﾌﾞﾛｰﾄﾞﾏｰｹｯﾄ | 0.03％ |
| SPDRﾎﾟｰﾄﾌｫﾘｵ･ｴﾏｰｼﾞﾝｸﾞﾏｰｹｯﾂ | 0.11％ |
| MUAM日本債券ｲﾝﾃﾞｯｸｽﾌｧﾝﾄﾞ | 0.1512％ |
| NEXT FUNDS日本債券・NOMURA-BPO総合 | 0.0756％ |
| ﾊﾞﾝｶﾞｰﾄﾞ･ﾄｰﾀﾙ･ｲﾝﾀｰﾅｼｮﾅﾙ債券(米ﾄﾞﾙﾍｯｼﾞ) | 0.11％ |
| ｼｭﾜﾌﾞ･U.S.ｱｸﾞﾘｹﾞｰﾄ･ﾎﾞﾝﾄﾞ | 0.04％ |
| ﾊﾞﾝｶﾞｰﾄﾞ･米ﾄﾞﾙ建て新興国政府債券 | 0.32％ |
実質的な信託報酬として、これらの保有にかかわるコストも負担することになります。
国内ファンド・国内ETF・海外ETFが入り乱れており、運用会社もiシェアーズ・シュワブ・バンガード等と非常に幅広いです。
手当たり次第必要なものをそろえた感が強く、個人的にはあまり良い印象がありません。
上記ファンドを資産配分で案分すると、年間当たりの信託報酬は0.0839％となります。
ファンド自体の信託報酬は0.2052％となっているので、その合計0.2891％が実質的な信託報酬となります。
競合商品について
株式と債券の比率が異なりますが、楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)が競合相手となりそうです。
名前も若干似ているため、対抗して設定された可能性も十分ありそうです。
こちらは株式50％：債券50％で固定になっている点が大きな違いです。債券部分に為替ヘッジがついている点は同じです。
商品設計が若干違うため直接比較できませんが、こちらの信託報酬は0.2545％と若干低めになっています。
また、SBIは間接的に9本のファンドを管理するのに対し、楽天は全世界株式と全世界債券のファンドを1本ずつ計2本管理するだけなので、隠れコスト的にもSBIは不利な商品設計になっています。
個人的には、運用方針や管理方法が単純明快な楽天のほうが断然魅力的に見えます。
その他では、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドも為替ヘッジの有無を除けば近い内容になっており、比較対象に挙がるのではないかと思います。
商品設計が謎過ぎる
当初基準の株式40％：債券60％と比率自体も微妙ですが、さらに株式と債券の比率が±20％で調整できるというのは、バランスファンドとしてはあまりに裁量が広すぎるのではないかと思います。
反対の株式60％：40％でさらに固定比率だったら、シャープレシオに優れる黄金ポートフォリオとしてアピールできたかもしれません。
また、後発でありながら楽天よりも高い信託報酬になっているのが致命的です。
これまでの雪だるまシリーズ(SBI全世界株式等)は、類似商品をより低いコストで投入するというのが定番の流れになっていましたが、その唯一ともいえる強みを捨ててしまったことになります。
個人的には、とても残念な商品であると言わざるを得ません。
SBIアセットマネジメントの迷走はしばらく続きそうです。
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