楽天VTとeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を徹底比較

つみたて次郎です。

特に長期投資では株式をポートフォリオのメインに添えるのが好ましいですが、日本株を含めた全世界に投資するタイプの金融商品であれば、それ1本で株式への投資が完了してしまいます。

いかなる場合でも世界中の株式市場の平均点を取り続ける、究極のインデックスファンドといえます。

今回は、国際分散を行う全世界株式型インデックスファンド2種を比較してみたいと思います。

 

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(Slim全世界株)

 

それぞれ投資信託なので、少額からの積立投資が可能であり、つみたてNISAの投資対象にもなっています。

また、楽天VTは楽天証券のiDeCoでも積立が可能になっています。

参考記事「楽天証券でiDeCo(イデコ)を始めるメリットとおすすめファンド

 

楽天VTの概要(2018/10/16現在)

名称 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
運用会社 楽天投信投資顧問㈱
設定日 2017/9/29
信託報酬 0.2296%
純資産額 約139億円
運用方法 ファンド・オブ・ファンズ
連動指数 FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
投資対象 全世界株式(日本含む)
保有銘柄 8,068種類※

※海外ETFであるVTの保有銘柄数に等しい。

日本株式を含む、全世界の株式に時価総額加重平均に沿った比率で投資を行うことができます。

また、ファンド内で別のファンドを保有するファンド・オブ・ファンズ形式となっており、海外ETFであるバンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)のみとなっています。

つまり「VTを買い付けるだけの投資信託」ということになります。そのため「楽天VT」と呼ばれています。

保有銘柄は1種類のみですが、間接的にVTと同じ銘柄数に投資していることになります。

詳しい内容については参考記事をご覧ください。

参考記事「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)を徹底分析。これ1本で国際分散投資が可能な投資信託!

なお、全く同じ指数に連動する商品としてSBI・全世界株式インデックス・ファンドが存在していますが、個人的には楽天VTのほうが魅力的ではないかと考えています。

参考記事「楽天VT vs SBI全世界株式(旧:EXE-iつみたてグローバル)

 

Slim全世界株の概要(2018/10/16現在)

名称 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
運用会社 三菱UFJ国際投信㈱
設定日 2018/10/31
信託報酬 0.15536%
純資産額 (未発売)
運用方法 ファミリーファンド
連動指数 MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス
投資対象 全世界株式(日本除く)
銘柄銘柄 2,792種類※

※Slim全世界(除く日本)+EWJ(MSCIジャパンETF)で求めた推定値。

こちらも日本株式を含めた全世界株式に投資することができ、時価総額に基づいた比率というのも同じです。

楽天VTと違い、指数に採用されている銘柄を実際に保有する現物運用になっています。

 

出典「EDNET

外国株式(=先進国)・新興国株式・日本株式という3つのマザーファンドを利用しています。

外国株式及び新興国株式については既存マザーファンドを活用しており、それぞれeMAXIS slim 先進国株式インデックスeMAXIS Slim 新興国株式インデックスなどと共通しています。

注目したいのは、日本株式インデックスマザーファンドのベンチマークです。

日本株式クラスのベンチマークはMSCIジャパン・インデックス(配当込み)となっていますが、運用会社である三菱UFJ国際投信㈱ではこれまで取り扱っていなかった指数であり、本ファンドの設定に伴いゼロからマザーファンドを育てていくことになります。

なお、同社からはeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)という名前も中身も非常に似ている商品が出ているため、間違えないように気を付けましょう。

 

両者の比較(2018/10/16現在)

略称 楽天VT Slim全世界株
信託報酬 0.2296% 0.15336%
保有銘柄 8,068種類 2,792種類※
運用方法 海外ETF 現物株式

※Slim全世界(除く日本)+EWJ(MSCIジャパンETF)で求めた推定値。

実質的な投資対象で考えると、楽天VTのほうが3倍以上の銘柄数に投資していることになります。

楽天VTは時価総額基準で全世界株式のほぼ100%をカバーしていますが、Slim全世界株では上位85%程度をカバーするにとどまります。

時価総額の小さい下位15%をカバーしているかどうかが大きな相違点といえます。

時価総額が小さい企業はリターンが良くなるという小型株効果を期待するのであれば、楽天VTに分があります。

 

実質コストについて

楽天VTについては、先日第1回運用報告書が発表されたため、実質コストが判明しました。

参考記事…楽天バンガードの第1回運用報告書から実質コストを計算してみる【VT・VTI・VWO・VYM】

Slim全世界株式はまだ運用報告書どころか新規設定すらされていない状況なので、その他eMAXIS Slimシリーズの実質コストを参考に計算してみます。

略称 信託報酬 隠れコスト
Slim国内株式(TOPIX) 0.17172% 0.00605%
Slim先進国株式 0.11772% 0.07957%
Slim新興国株式 0.20412% 0.18552%

 

実質コストに関する詳しい内容は参考記事をご覧ください。

参考記事「eMAXIS Slim 第1回運用報告書から実質コストを計算してみる

MSCIジャパンに連動する既存商品はないため、最も近いTOPIXで代用しています。

2018年7月時点の地域別比率はおおよそ日本株7.5%・先進国株81%・新興国株11.5%となっているため、この割合で按分した数値を記載します。

楽天VTの実測値とSlim全世界株の推定値を表にまとめます。

楽天VT Slim全世界株
信託報酬 0.2296% 0.15336%
隠れコスト 0.2724% 0.08624%
実質コスト 0.5020% 0.2396%

 

あくまで推定値との比較ですが、隠れコストでは3倍以上の差がついており、実質コストでも2倍以上の差です。

楽天VTは海外ETF(=VT)で運用するという独自の方法のため、隠れコストが多く発生してしまった可能性があります。

また、運用報告書に記載のある隠れコストは不完全な部分もあり、代表的なところでは三重課税によるロスが含まれていません。

参考記事「投資信託やETFにおける三重課税問題について

VTの配当利回りが2%前後であることを考えると、年間で0.1%程度のロスになると思われます。

その一方Slim全世界株は日本株式部分のマザーファンドが新設であるため、上記の推定値よりコストが増えてしまう懸念があります。

とはいえ日本株式は全体の1割に満たない程度の比率であるため、総合的に見れば楽天VTが不利であることに変わりはなさそうです。

 

ブランド力について

内容が非常に似ているため、嫌でも比較され続けることになるでしょう。

既に一定の地位を保っている楽天VTと、それを追いかけるSlim全世界株式という図式になりそうです。

投資信託は中身自体がどれだけ優秀であっても売れ続けなければ純資産総額がうまく増えず、運用コストの増加や最悪の場合繰上償還という可能性も考えらます。

楽天VTは「バンガード」「VT」という言葉でアピールできる点が非常に強力であり、多少実質コストが高くても人気が衰えることはなさそうな気がします。

その一方、元々全世界株式というジャンルは不人気という問題があります。

国内のインデックスファンドは多くが日本株式・先進国株式・新興国株式という3つの地域で区切られており、このうち2つをカバーする全世界株式(日本除く)は不人気です。

Slim全世界株式は3地域全部をしているため、どの程度人気が出るかが予想しづらい部分があります。

また、Slim先進国株などを中心に自分で組み合わせれば再現可能な内容であるため、純資産総額や実質コストに対して厳しいチェックをされることになりそうです。

楽天VTからの乗り換えが相次げば一気に形勢逆転も考えられますが、そもそも楽天VTに投資している人はコストよりも1本にまとめられる利便性を重視している人が多そうなので、わざわざ売却したり積立先を変える人はそれほどいないのではないかと思います。

Slim全世界株式にとっては不利な戦いとなりそうです。

 

まとめ

運用方法やブランド力に大きな違いはありますが、実質的な投資対象は時価総額下位15%をカバーしているかどうかくらいの違いしかありません。

小型株効果を期待したいのであれば楽天VT・実質コストを重視したいのであればSlim全世界株式という棲み分けになりそうです。

また、Slim全世界株式にはMSCIジャパンを採用するという大きな不安材料がありますが、楽天VTが抱えている三重課税問題等に比べれば些細なものだと個人的には思います。

今後この2商品は比較され続けることになりそうですが、現時点でつみたて次郎はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をオススメしたいと思います。

小型株の有無よりも現物運用の安定性を取りたいですね。少なくとも先進国株と新興国株については巨大な既存マザーファンドが存在しているので安心です。

商品としてのポテンシャルは文句なしなので、MSCIジャパンが及ぼす悪影響がどの程度であるか・楽天VTのような人気を獲得できるかどうかが大きなカギとなりそうです。

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おーるかんとりー次郎

楽天VTとeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を徹底比較” に対して1件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    「Slim全世界株の概要(2018/10/16現在)」の表で、名称が「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」となっていますが、正しくはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)だと思います。
    修正いただけますか。

  2. つみたて次郎 より:

    本当ですねw
    教えていただきありがとうございます。

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