入金力と投資法って関係ないよね?

つみたて次郎です。

最近、「入金投資法」「入金投資家」というフレーズを耳にするようになりました。

給与などから資金を定期的に投入していく投資法及び投資家のことをいいます。

「投資成績は悪いが追加資金があるから問題ない」という皮肉で使われる場合もあります。

文字にすると逆に分かりづらいですが、積立投資や積立投資家とほぼ同義です。

専業投資家でもない限り、定期的に余剰資金を投資に回していけばそれは入金投資法といえますので、わざわざ用語として考える必要もないくらいありふれた概念です。

つみたて次郎含め、ほとんどの長期投資家は入金投資家であるということができます。

米国株クラスタで入金投資家の頂点に君臨するのは、なんといってもバフェット太郎氏でしょう。

彼は、毎月100万円を投資できる入金力を誇っており、これはつみたて次郎の約20倍です(泣)

そしてバフェット太郎10種のような米国高配当株戦略は、入金投資家にピッタリな投資法であるという意見もあります。

参考記事…バフェット太郎氏著「バカでも稼げる米国高配当株投資」を読んだ感想

そしてその裏返しか、「入金力がなければ高配当戦略は意味がない」という意見もよく見られるようになりました。

しかし本来、入金力は投資法の是非に一切影響がありません。

投資家が求めることは、より低いリスクで高いリターンを目指すことであり、それ以外の理由はオマケに過ぎません。

そしてバフェット太郎氏は、S&P500のリターンを超えるための手法として米国高配当株投資を実行しています。

もし本当にS&P500を超えることができるなら、毎月の入金額がたった1万円だとしてもやるべきだし、逆に超えられないなら毎月の入金額が1億円だろうがやるべきではありません。

資産の最大化を目指すなら、入金力の増大と投資法の改善の両方を考えていく必要がありますが、その2つはあくまで独立した要素です。

「入金力がある人は○○、ない人は△△」という説明は不適切であるといわざるを得ません。

バフェット太郎氏の投資法については賛否両論ですが、「入金力がない人は真似してはダメ」みたいな意見は的外れです。

そもそもですが、入金力を考慮した投資法が果たしてこの世に存在していてよいのでしょうか?

例えば、シーゲル教授はリターン補完戦略の1つとして高配当戦略を紹介していますが、その根拠となるデータはどれも積立投資ではなく一括投資です。

極端に言えば、入金力がゼロであろうとシーゲル流投資は実行する価値があるということです。(当たり前の話ですが、勘違いしている人も多そうなので)

著書「株式投資の未来」ではドルコスト平均法の優位性について語られているページもありますが、それは本書の主題ではなく、あくまで一括投資した場合のモデルケースで話は進められています。(配当金は当然再投資しますが)

高配当戦略=入金投資法の様に考えている人もいるようですが、根本から間違っている解釈です。

高配当戦略が今後も有効なら、入金力ゼロ(=一括投資)であろうと実行すべきだし、今後は有効でないのなら入金力がどれだけあろうと実行すべきではありません。

投資法は、各投資家のリスク許容度と前提条件によってのみ決定していくべきものであり、入金力が多い少ないは考えるべきではありません。

より遠くまで走りたい時は、何ℓガソリンを用意できるかに関係なく最も燃費の良い車を探しますよね?

入金力と投資法は全く別々の問題として考えていくべきです。

入金力自体と投資法は別々であると考えていますが、実はもう1つ考えるべき要素があります。

それは「既存の投資額」です。

つみたて次郎含め入金投資家の多くは、必然的に給与などの定期収入をもとに入金していくので、必然的に投資額が一定になりやすく、事実上ドルコスト平均法で積立投資しているケースが多いです。

そしてドルコスト平均法は、投資対象が右肩上がりではなくとも利益の出る可能性がある投資法です。

裏を返せば、投資対象が右肩上がりなのに損失が出る可能性がある投資法でもあります。

参考記事「積立投資の危険性

積立投資とは、序盤であるほど追加資金による影響が大きく、後半に行くほど影響が小さくなっていきます。

そして、初期の投資額によっても大きく変わってきます。

次の投資家2人で考えてみましょう。

 

投資家A…初期投資額100万円、その後毎年100万円ずつ入金
投資家B…初期投資額10億円、その後毎年100万円ずつ入金

 

これは極端な例ですが、言いたいことはこういうことです。

投資家Aの場合、最初の100万円の影響は非常に軽微です。

しかし投資家Bの場合、最初の10億円に対し入金額が非常に小さく、ほぼ一括投資しているようなものです。

同じ積立投資でも、AとBではまったく事情が違っています。

投資家Aのような立場であれば、序盤はあまり上がらず後半で急上昇するような投資先が理想的です。

投資家Bのような立場であれば、単純にトータルリターンに優れた投資先が理想的です。

何が言いたいのかというと、入金額ではなく「入金額に対する既存投資額」は投資先に影響を与えるのではないかという考えです。

再びバフェット太郎氏に登場していただきますが、彼は現在の投資額が約5,000万円あります(うらやましい)

そして毎月の入金額は現在約100万円です(一時的ではあるようですが)

まとめると、既存投資額5,000万円・毎月当たりの投資額は100万円ということになります。

この2つを割ってみると、100万円÷5,000万円=2%となります。

つまり、毎月全体に対して2%相当の入金を行っているということになります。

そしてこれをもとに、バフェット太郎氏と同じような状況の人を考えてみます。

 

投資家C
・既存投資額…100万円
・毎月入金額…2万円

 

上記のケースでも、2万円÷100万円=2%となります。

これをまとめれば、投資家Cとバフェット太郎氏は似たような立場にいる投資家ということができます。

入金力そのものは大差がついていますが、積立投資家としては同じ状況ということです。

つまり、目標とする投資年数が同じであれば、バフェット太郎氏にとって最適な投資先=投資家Cにとって最適な投資先になるということになります。

このように考えていけば、入金力が投資先について考えるうえで全く無関係であると考えることはできなくなっていきます。

一括投資と積立投資では理想とするチャートの形が異なっているように、既存投資額と入金額の比率という概念も投資先を考えるうえで考慮すべきポイントなのかもしれません。

しかし、このような視点で話を進めている人はほとんどいないので、やはり巷で語られる入金力と投資法についての説明は大方正しくはないといえるでしょう。

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入金次郎

入金力と投資法って関係ないよね?” に対して 4 件のコメントがあります

  1. 匿名 より:

    初めてコメントさせて頂きます。いつも影ながら応援させて頂いております、らんぐと申します。
    巷で語られているのは、あの投資法(ブロガー)が好きだから肯定したい。逆に嫌いだから否定したい。と、感情論による結論ありきで、その理由は後付けやこじつけです。だから間違ったおかしな話になるのです。まともな金融リテラシーのある人なら、下らない話と分かってます。そんな話につみたて次郎さんのような正統理論家が相手にする事ないです。ご自身のブランドが傷つくだけですよ。

  2. ななし より:

    初めまして、ななしと申します。
    つみたて次郎さんはシーゲル派でありながらも盲目的なシーゲル信者とは違いより批判的に高配当戦略を分析されているのでとても面白く記事を読ませてもらっています。
    ですが今回の記事は私の考えと少し違う所があったためコメントさせていただきました。
    本文にも「投資法は、各投資家のリスク許容度と前提条件によってのみ決定していくべき」とありますが、リスク許容度は入金力によって変化させるべきだと私は考えます。
    シーゲル流の投資法は低リスクと高リターン両方のバランスの取れた投資法だと思いますが
    よりお金の少ない投資家はリスクを多少取ってでも更なる高リターンを目指すべきだと思います。
    例えば、毎月1万円しか投資できない人がSPXLを買うのには大いに頷けますが(今が買い時かは置いといて)
    毎月100万円投資できるお金持ちが全額SPXLにつぎ込むのは全く賛成できません。
    ちなみに私は貧乏なので超ハイリスクなRUSLという銘柄に少ない財産と給料を集中投資しています。
    こういう考えに違いが出るのも、1秒でも早くリタイアしたい私とiDECOを運用しておられるつみたて次郎さんの前提条件の違いによるものなのでしょうね。

  3. つみたて次郎 より:

    ≻≻らんぐ様

    いつも応援ありがとうございます。
    まさにその通りで、感情的に書かれた意見が増えているような気がします。
    あまり気にせず、理論的な記事を投稿していけるよう努めていきたいと思います。

  4. つみたて次郎 より:

    ≻≻ななし様

    どうも初めまして。いつもありがとうございます。
    入金力と投資法についてですが、ななし様と私の解釈はむしろ近いような気がします。
    少しこじつけになってしまうかもしれませんが、入金力が違う→リスク許容度が違う→投資法が違うという流れで考えていけば、間接的に入金力が投資法に影響を与えると考えることができると思います。
    問題は、その間のリスク許容度の変化について考慮せず、あたかも入金力そのものが投資法と関係しているような説明をしている方が非常に多いことです。
    ななし様のように、少ない資金でリタイアを目指すならば、当然リスク許容度は高めになりますし、逆に資金が多いから損失を恐れずハイリスク投資できるという人もいるかと思います。
    入金力が高くなるとリスク許容度が下がる人もいれば、逆にリスク許容度が上がる人もいるかもしれません。
    結局のところ個人の性格によるところが大きく、間接的に入金力が投資家のリスク許容度や目標リターンに大きく影響しているのは間違いありません。
    今回の記事は少し過激でしたが、より丁寧に説明していくのであればななし様の解釈のほうが分かりやすいですね。

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