国民年金の2年前納はお得なのか?

シーゲル二郎です。

厚生年金に加入している社畜には関係ありませんが、自営業者や無職の方で国民年金に加入している人は、自分で保険料を納めなければなりません。

自分や家族の収入が少ない場合は、免除制度というフリーランチを食べることができるので、ぜひ検討してください。

参考記事「国民年金免除はフリーランチだ!

今回は、収入がある方で国民年金保険料を納めている人に注目した記事です。

平成29年度における保険料は月額16,490円となっています。(めっちゃ高いな…)

平成30年度は月額16,340円と、少し下がります。

平成29年と平成30年の保険料を月額で納めた場合、2年間での総額は次の通りです。

16,490円×12ヵ月+16,340円×12=393,960円

2年間で40万円の納付義務が発生します。ですが、保険料を先にまとめて払うことで、割引を受けることができます。

最も割引率がいいのが「2年前納」で、文字通り2年分まとめて払ってしまう場合です。

この場合、割引額が15,640円となり、だいたい1月分浮く計算になります。支払金額は次の通りです。

393,960-15,640円=378,320円

「24ヵ月分前払いすると23ヵ月分の保険料で済む」と言い換えてもいいかもしれません。加入者にとっては、保険料が浮くのでオトクです。

日本年金機構にとっても、納付率の改善につながるので推進しています。

ですが、金融リテラシーのある方であれば、末来のお金と今のお金は違う価値があることをよく知っているはずです。

そのため、「本当に2年前納はオトクなのか?」という題材で計算してみたいと思います。

保険料相当のお金を、年率5%で運用できたとして仮定します。

ちなみに年率5%は月に直すと約0.4074%になるので、それで計算します。

2年前納側は、確実に378,320円の出費が確定します。

その一方、毎月払い側は、378,320円をすべて年率5%で運用し、支払いが来るたびに必要額だけ売却して賄うとします。

毎月払い側の出費は2年間で393,960円なので、運用でうまく増えなければ赤字になります。逆に黒字になっていたとしたら、2年前納よりも有利だったことになります。

毎月払い側の残金は次の通りになりました。

 最初  378,320
 1ヶ月目  363,371
 2ヶ月目  348,362
 3ヶ月目  333,291
 4ヶ月目  318,159
 5ヶ月目  302,965
 6ヶ月目  287,709
 7ヶ月目  272,391
 8ヶ月目  257,011
 9ヶ月目  241,568
 10ヶ月目  226,062
 11ヶ月目  210,493
 12ヶ月目  195,193
 13ヶ月目  179,649
 14ヶ月目  164,040
 15ヶ月目  148,369
 16ヶ月目  132,633
 17ヶ月目  116,834
 18ヶ月目  100,970
 19ヶ月目  85,041
 20ヶ月目  69,047
 21ヶ月目  52,989
 22ヶ月目  36,864
 23ヶ月目  20,675
 24ヶ月目  4,419 

 

2年分の保険料をしっかり払ったうえで、4,419円の黒字になりました。(文字は赤いけど)

2年前納で割引を受けるよりも、毎月払い+運用のほうがオトクになりました。

年率5%で資産を増やせる見込みなら、2年前納より毎月払いのほうがオトクです。

机上の理論に過ぎませんが、年率5%なら十分現実的な数字であり、通常の長期投資で十分達成できます。

ちなみに年率4%で運用した場合はほぼ引き分けでした。

米国株に投資をしている人であれば、年率7%くらいのリターンを見込んでいるはずなので、2年前納よりも毎月払いのほうが期待値的にはオトクということになります。

年率4%以上で運用できるのであれば、2年前納よりも毎月払いのほうがオトクということになります。

逆に、「2年前納すると年率4%で運用したことと同じ!」なんてフレーズで2年前納を促すこともあるようですが、保険料の納付期間が40年という長期になることを考えると、年率4%は大して魅力的ではありません。

とはいえ、2年前納の場合はノーリスクで15,640円の値引きを受けることができているので、一概に優劣をつけることはできません。

シーゲル二郎が伝えたいことは、まとまったお金があったとしても、前払いによる割引を容易に選択するべきではないということです。

「時は金なり」という言葉もありますから、前払いによって失う時間と割引額を天秤にかけて、正しい選択をしていきたいですね。

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前払いはタダではない(迷言)

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