金のならない木

シーゲル二郎です。

前回金のなる木について説明しましたが、今回は、果実を実らせない金のならない木の値段について考察します。あなたは次のような木を持っています。

 

金のならない木

・人の背丈ほどの大きさ
・果実は何も実らせない

 

前回、生み出す配当金への期待が株価に反映されることを説明しましたが、まったく実を付けない木はどのように値段をつければいいでしょうか。株式においては、無配企業といって、まったく配当金を出さない企業が多くあります。具体的には、アマゾン、アルファベット(グーグルの親会社)などは、今まで一度も配当金を出したことがありません。

なぜ配当金を出さないかというと、配当金をだすよりも、新しい事業に投資して、会社を成長させる段階だからです。株主も、配当金より株価の値上がり益を期待している人が多いです。

無配企業の花形企業が株価を上昇させていく決定的な根拠とは、やはり配当金にあります。今をトキメク花形企業であっても、いずれ成長が鈍化し、成熟してく時が来ます。この段階に来て、配当金を出すのです。

マイクロソフト、アップルなどがいい例です。これらも長らく配当金を出していませんでしたが、ある時を境に積極的に配当金を出すようになりました。

つまり、遠い将来の果実が食べたいがために、今の株式に値段がついているということです。人の背丈ほどの大きさしかない金のならない木も、どんどん成長し、大樹になっているかもしれません。その時に実らせる果実は、100円玉ではなく福沢諭吉かもしれません。

しかし、将来の果実を求めて投資をすると、痛い目を見ます。オランダで起きたチューリップバブルのように、大きく成長する木はとんでもない高値で売られているかもしれません。

逆に、赤字企業などは、そもそも配当金となるお金を用意できないので、無配当になってしまうこともあります。しかし、将来復活して配当金を出すかもしれないので、倒産しない限り無価値になることはありません。

ジェレミー・シーゲル氏が提唱する「成長の罠」は、ここでも関係しています。成長企業は楽観的な見積もりがされ、衰退企業は悲観的な見積もりがされるため、将来の果実の大きさを誤ってしまう可能性が高いです。

長期投資家は、将来の大きな果実を夢見るのではなく、現在実っている小さい果実をコツコツ集めていかなければなりません。そしてその果実は食べることなく、次の金のなる木を買うための資金にしてください。

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