ヘルスケアセクターの脅威
シーゲル二郎です。
ヘルスケアセクターは、医療機器・医薬品・医療保険などの業種が含まれる企業で、健康や命に関係する重要な企業群です。
そして、ヘルスケアセクターは、米国のセクター別リターンでもっとも高リターンだったことが明らかになっています。
現在、ヘルスケアセクター全体の配当利回りは1.5%ほどで非常に低く、全体的には急成長企業が多いのが特徴です。その反面、米国製薬大手のファイザー(PFE)のように配当利回りが4%近くもあるような高配当企業も多数あります。
そのため、企業ごとの特徴が尖っているセクターともいえます。
いろいろ諸説ありますが、健康や命はどんな時代でも大切であり、新興国での需要も高いので、全体で見れば成長セクターといえます。
しかし、ヘルスケアセクターには、大きな懸念があります。
それは、アメリカの医療制度の素晴らしさです。箇条書きでお伝えします。
・医療保険料が月十数万円かかることもある
・救急車に運ばれる途中でどこの保険に入っているか確認される
・盲腸で1,000万円請求された
・契約時の自己申告が少し間違っていただけで保険金不払い
・アメリカ人の自己破産理由の60%は医療費が払えないから
・破産した60%のうち80%の人は医療保険に加入していた
こうしてみると医療保険に対する文句に聞こえますが、その元凶は高すぎる治療代であり、その中には医療機器や薬の値段も大きく関係してきます。
アメリカでは医療までもが自由競争の名のもとにボッタくりが蔓延しています。企業だけが儲かり、国民への負担が大きくなっています。現在はオバマケアなどが進み、国民の医療問題を解決しようとしていますが、根本的な解決はまだまだ先でしょう。
なぜなら、ヘルスケアセクター企業は莫大な儲けを使ってロビー活動を行い、政治家をコントロールしているからです。
とはいえ、あまりに悲惨なこの状況が続けば、政府や国民が声を挙げ企業と戦うときがくるでしょう。(今戦っているともいえますが。)
そうすればいずれは適正な価格、すなわちボッタくりではない水準まで下がるのではないでしょうか。
誰が考えてもアメリカの医療事情はおかしいですから、日本並になるとは言いませんが、あるべき姿に戻ると思うのが自然な予想です。
もちろんこの懸念までも株価に織り込み済みかもしれませんが、ヘルスケアセクターの配当利回りはそうとは言っていないようです。
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