配当金は下落相場のプロテクター?

なぜかPV数が急激に伸びているシーゲル二郎です。

タイトルの言葉は、毎度おなじみジェレミー・シーゲル氏の著書「株式投資の未来」で語られた名言です。正しくは次の通りです。

配当金再投資 下落相場のプロテクター、上昇相場のアクセル

今回は、下落相場のプロテクター部分について説明していきます。

配当金が、下落相場で素晴らしい働きをする様子について述べられています。

なぜ配当金が下落相場で大事なのかというと、配当利回りは、株価が下がると上昇するからです。

例えば、次のような会社が上場していたとします。

 

・シーゲル二郎株式会社

株     価・・・10,000円

配 当 金・・・500円

配当利回り・・・5%

 

現時点でも、配当利回りは5%と高配当です。ここで、〇〇〇〇二郎ショックが起きて、株価が半分になってしまったとします。

 

・シーゲル二郎株式会社

株   価・・・5,000円

配 当 金・・・500円

配当利回り・・・10%

 

株価が半分になったので、配当利回りは反比例して倍になりました。10%の超高配当です。

配当利回り=配当金÷株価なので当然ですのことですがね。

株価が下落すると、配当利回りが高くなり、魅力が増すということです。もちろん、企業が配当金を維持することが大前提ですが。減配や無配になれば配当利回りという話ではなくなってしまいます。

配当金を払っていない無配企業の場合は、下落しても配当利回りはもちろんゼロですから、相対的に魅力は劣ります。

そのため、下落相場では高い配当金が投資家の下支えになり、暴落しにくい要因(=プロテクター)になるといわれています。

この働きは、配当利回りが高いほどプロテクター効果が高いように思えますが、現実ではそうともいえません。

 

1958~2003年におけるS&P500の累計リターン(参考文献:株式投資の未来)

配当利回り リターン リスク
最高 14.27% 19.29%
最低 9.50% 23.78%
S&P500 11.18% 17.02%

 

このグラフは、高配当株への有効性を説明するときに使われますが、今回見るのはリスクの方です。配当利回りが最高の分類は、平均であるS&P500よりも高いリスクになっています。

このグラフで考えると、高配当株投資は、決して下落時に強いわけではありません。

 

高配当ETFとして有名なVYMと市場平均S&P500の平均です。

VYMを引っ張ってきたのは、セクター比率が市場平均に近く、銘柄選定がインデックスに近いからです。

ここ10年で見ると、下落幅はほぼ同じです。このチャートには配当金が考慮されていないので、不公平でありますが、瞬間的な下落では大した差はありません。

まとめると、高配当=プロテクターではないということです。もともと高配当になるということは、業績的な不安が大きいから割安で高配当になっている部分もあり、実体経済が後退した時に悲鳴を上げやすいのは当然なのかもしれません。

そのため、下落相場でも、配当金を維持増配できる企業でなければ、下落相場のプロテクターを実感することはできません。具体的には、米国配当貴族指数や、VIG(米国連続増配ETF)のほうが適任です。

単純な高配当戦略は、ハイリスクハイリターンになるということです。

ただし、連続増配企業は、「下落相場のプロテクター」が効きすぎることによって、リターンを押し下げる可能性も十分あります。

株式投資で最も高いリターンを得ることができる条件は、「投資家の低い期待×予想を裏切る高い成長性」です。下落相場では、多くの株式の期待が下がっていきますが、連続増配企業は、配当金の安定性が高いので、思ったよりも株価が下落しません。

これは通常メリットですが、長期投資家はバーゲンセールを待っているので、むしろデメリットともいえます。

つまり、米国配当貴族指数は、下落相場ではイメージに反して魅力のない株になりがちということです。「下落相場のプロテクター」は、資産保全としては強力な防具になりますが、皮肉にも上昇相場のアクセルを弱めてしまう危険性も秘めているのです。

米国で最高リターンだったフィリップモリスも、株価が大きく下落するタイミングがなければ、№1のリターンを得ることはできませんでした。

長期投資家は、むしろプロテクターが存在しないほうが高リターンなのかもしれません。だからといって無配株に投資しろとはなりませんが。

理想論ですが、上昇相場では連続増配戦略、下落相場では高配当戦略なんて投資法がが有効かもしれませんね。

参考記事「セルフドルコスト平均法

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