純金はポートフォリオに必要ない!

シーゲル二郎です。

 

前回では、現金だけで資産を保有することの危険性を説明しましたが、また同じグラフを使って説明していきます。(このパターンはまだまだ続きます。どうか飽きずにご覧ください。)

次は、下から2番目の金に注目してください。

参考文献「株式投資の未来」

ここでいう金は、お金ではなく、いわゆる純金と呼ばれるものです。

お金持ちの象徴ですね、眩しすぎて直視できません。

純金のチャートを見ると、基本的にずっと横ばいで、1800年に純金を持って2000年にタイムスリップしても、大体同じだけの価値があるということです。

純金は、現金や株式と違い、それそのものに価値がある実物資産です。また、食料のように腐ることもなく、建物のように劣化することもありません。

純金自体が工業製品や装飾品として高い価値があり、資産を保存する方法として、それこそ何万年も昔から重宝されていました。

そのため、時代ごとに価値が変わらないものであり、購買力の維持という意味では非常に優れています。

もし今後資本主義が崩壊して現金や株が紙屑になると思うなら、純金を買うことをオススメします。

純金であれば、西暦3000年の未来でもお買い物ができるはずです。

 

しかし、ここ数十年の間を見ると、結構上下しています。実はこのグラフ、少しインチキがありまして、左側のメモリが均等ではありません。

出典「第一商品

メモリが均一のチャートです。1980年ごろの5,000円から、2000年ごろの1,000円と、5倍の価格変動が起きています。

昔は、金本位制といって、決められたレートで現金と純金を交換することができました。しかし、1971年にニクソンショックが起きて以降、現金は純金との交換が約束されなくなり、その瞬間から現金は純金と交換できる引換券でなく、政府が無限に発行できる魔法の紙切れになりました。

その後は、インフレが進み、金価格もインフレに合わせて上昇することが多くなりました。純金といえど、社会情勢によって価値は変動します。しかし、変動することはあっても、無価値になることはありません。また、日本、アメリカ以外のすべての国で通用する購買力であり、無国籍通貨という異名もあります。

まとめると、純金は、購買力を維持するためには非常に有効ですが、長期で購買力が増えることは期待できません。なぜなら、純金そのものは、ただの物体であり、株式のように成長したり配当金を出したりしないからです。

そのため、純金を保有すべき人は、既にお金持ちで、今の購買力を「維持する」ことに重点を置いている人だけです。

投資をするときに、株式や債券と違う動きをするので、一部を純金にするとリスクを分散できますという説明がありますが、長期で増えることがない資産を長期投資で保有するのは合理的ではありません。また、純金は基本的にドルで取引されるので、不要な為替リスクを背負うことになります。

我々のような購買力を「増やしていく」必要のある人が購入するべきモノではないことを頭に入れておいてください。

もちろん現金や株式が紙屑になる未来を想定して購入するのは止めませんが、そのような緊急事態であれば、純金なんて真っ先に国に没収されてしまいますよ。

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