シスコシステムズ(CSCO)分析

シーゲル二郎です。

今回は、シスコシステムズ(CSCO)を分析していきます。

ネットワーク機器を製造するIT企業です。

 

連続増配…6年

S&P格付…AA-

採用インデックス
・NYダウ
・S&P500

 

NYダウに採用される情報技術セクター企業です。増配年数は6年と短めです。

ネットワーク機器で世界トップシェアを誇っております。

主な世界シェア一覧

スイッチ…約70%
ルーター…約50%
無線LAN…約50%
セキュリティ…約30%

製品の多くが過半数のシェアを獲得しており、業界では圧倒的な巨人です。

インターネット回線をつなぐ時に使うあのごちゃごちゃした機械やケーブルです。

日本では、バッファローやNECが有名ですが、日本内でも1位はシスコシステムズが握っています。(珍しいパターン)

IT革命の際に大成功を収めた企業であり、ITバブルを盛り上げた筆頭でした。

ハードウェアが中心ですが、データセンターやクラウドなどのソフトウェア分野にも参入しています。

シーゲル二郎は詳しくわかりませんが、業界では、ハードからソフトへの移行が進んでおり、シスコシステムズにとっては向かい風です。同じくIT企業のポンコツIBMは、完全にハードから足を洗ってソフト専門になってしまいました。

上記の各種ハード製品も、小粒な他社の追い上げに追われており、決して安心できるものではありません。そのため、全体的にはIBMと同じくポンコツ寄りの銘柄といえます。

 

世界中でネットワーク機器を販売しており、多国籍企業に相応しいです。新興国でも、インターネット環境の需要は高まるでしょうから、海外売上比率も高くなっていくでしょう。

 

リーマンショックでも無傷。売上と利益は非常に安定しており、圧倒的です。今後も緩やかに増収増益見込みと程よい期待感です。

 

営業CFマージンは、25%以上をキープしており、直近では30%に迫る勢いです。IT企業の中ではモノづくりタイプですが、投資CFも非常に少ないです。

ずっと横ばいで、過去最高の美しさかもしれません。

 

シスコシステムズがは配当金を出すようになったのは2011年からです。それまでは無配でした。2011年を境にシスコシステムズは成長企業から成熟企業へと変わりました。

増配率は高いですが、当然今だけの話で、今後は緩やかになっていくでしょう。

 

両方ともやや減少気味なのは気になりますが、ほぼ横ばいなので、特に問題ありません。

 

現時情報(2017/9/2)

株価…32.30ドル
PER…16.96倍
配当利回り…3.59%
連続増配…6年

業績が安定している割にかなりジグザグで怪しいです。やはり情報技術セクターなので、何かと期待も落胆も集めやすい性です。

最近の上昇にかかわらず、PERは約17倍、配当利回りは約3.6%と、かなり割安です。現状高いシェアを誇っているスイッチやルーター部門がイマイチのため、市場は将来の成長性に暗い見通しのようです。

ここで一枚画像を載せます。

さらにさかのぼった株価です。ITバブルの時には、PER100倍超えました。今振り返ればただの茶番ですが、当時の投資家たちは本当にそれだけの価値があると思っていたのですから、いかに株式市場がテキトーであるかが分かります。

さて、現時点では、営業CFは30%近く、利益もずっと横ばいで安定しており、超高収益優良企業といえます。しかし、競争の激しい情報技術セクターであるため、一歩間違えれば即敗者になるリスクがあります。

特にシスコシステムズは、すでに高いシェアを獲得しており、これから他社に崩されてしまう恐怖があります。そのため、従来のハードウェア事業以外の買収に積極的です。

そのため、いずれはIBMのように、別会社になってしまうような事業転換を迎える可能性も否定できません(ないと思いますが)

今のネットワーク機器市場は、決して成長市場とはいえません。もちろん、今後人口増加とともに、インターネットの需要自体は高まっていきますが、接続の仕組み自体が変わり、ルーターやスイッチが必要なくなる時代が来るかもしれません。

つまり、シスコシステムズは、シェアを守れないリスク、シェアを守っても稼げないリスクを抱えているということです。そりゃ株価も割安になりますね。

しかし、シスコシステムズには、現時点で莫大なキャッシュフローがあり、今後の買収には非常に有利です。ネットワーク機器で稼げなくなる前に、ネットワーク総合会社になってしまえばいいんです。

もともとシスコシステムズはM&Aによる事業買収で成長してきた経歴もあり、特に買収後の社員を大事にすることで有名なホワイト企業のようです(適当)

そうなれば、現在のネットワーク回線の増加とともに、自然と増配増益できるようになるのではないでしょうか。

シーゲル派の投資家は、タバコ企業や石油企業などの衰退産業への投資が不利ではないことを心得ています。それは、衰退産業であれば、期待がかからないし、大手であれば他社のシェアを奪うことで、緩やかに成長できるからです。

逆に言えば、成長産業の中で緩やかにシェアを奪われるような企業であっても、投資家の期待はかからず、同じような理屈が成り立つのではないでしょうか。

市場そのものが成長していれば、多少シェアが食われても増配はできます。今のシスコシステムズは、まさにそんな企業だと思っています。

また、あまり合理的な考えではないですが、ITバブルでとんでもない下落を体験した株なので、今後急上昇をしたときに、投資家の恐怖が呼び戻るかもしれません。そうすれば割安で放置され、高いリターンをたたき出せます。

上記の理由から、シーゲル二郎は有力な銘柄だと思っています。ちゃっかり「シーゲル二郎10種」にも選ばれています。

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