米国配当貴族指数の不調
シーゲル二郎です。
このブログでたびたび登場する米国配当貴族指数ですが、実は日本で投資できるようになったのは、つい去年の話です。
発売当初は話題になり、総資産額もどんどん積みあがっていきましたが、今では人気のないポンコツであり、総資産額も横ばいです。
その理由は、リターンがショボすぎるからです。直近1年では米国市場全体のインデックスともいえるS&P500にボロ負けです。
ここ1年ではS&P500(緑)にボロ負けしている米国配当貴族たち(青)です。
米国配当貴族指数などのファンダメンタルインデックスは、当然過去のリターンが良いデータを参考に作られています。
当たり前ですが、「過去のリターンが市場平均を下回っていました!」というファンダメンタルが販売されるわけありません。
しかし、これらはただの結果論であり、今までリターンが良かったからといって、今後のリターンを約束するものではないということが、よく批判される部分です。
販売がスタートした直後にコケるあたり、ファンダメンタルインデックスの悪いところがすべて露呈したありさまです。
ではなぜこんなポンコツにシーゲル二郎は投資をしているのでしょうか。
理由は、この状況はある意味当然だからです。
現在、米国市場は空前絶後の上昇相場に差し掛かっています。NYダウは歴史的な20,000ドルを超え、米国経済も他の国をしり目に潤いまくりです。特に、情報技術セクターのIT企業がぐんぐん力をつけています。
しかし、米国配当貴族指数には、IT企業が1銘柄しか含まれていません。なぜならIT企業が配当を出すようになってからまだ25年たっていないからです。
米国配当貴族指数は、その性質上、企業が創業されてから25年間は絶対に採用されないため、今をトキメク新興企業が入っていないのです。IT企業の老舗IBM(笑)も、まだ連続増配22年目です。
つまり、現在の上昇相場に乗っかれていないのは当然なんです。IT企業がないのを差し引いても、不況に強い銘柄群なのですから、好況に弱いのは当たり前です。
(不況に強くて好況にも強かったらそれはただのバブルです。)
米国経済が不況を迎え悲鳴を上げるまでは、米国配当貴族指数はS&P500に負け続けるでしょう。
逆に言えば、今は株価が上がっていない積立の絶好タイミングなのかもしれません。長期投資家は株価の上昇を喜んではいけないのですから。