プロクター&ギャンブル(PG)分析

シーゲル二郎です。

今回はプロクター&ギャンブル(PG)について分析していきます。

馴染みがない名前ですが、日用品を売っているP&Gといえばみんなわかるでしょう。

プロクターとギャンブルというのは、人の名前で、ローソク業者だったプロクター氏と石鹸業者だったギャンブル氏が共同で設立したのがP&Gです。

 

連続増配…61年

S&P格付…AA-

採用インデックス
・NYダウ
・米国配当貴族指数
・S&Pグローバル100
・S&P500

 

連続増配は60年で、全企業のうち2位です。(1位は61年連続のドーバーです。)

NYダウにも米国配当貴族指数にも採用されており、屈指の優良企業です。

日用品で世界シェア№1であり、下記の通り幅広い商品を販売しています。

 

 

保有しているブランドの一例は、下記のとおりです。

衣料用洗剤 アリエール、ボールド
台所用洗剤 ジョイ
掃除用品 ファブリーズ
おむつ パンパース
生理用品 ウィスパー
シャンプー パンテーン、h&s
美容品 SK-Ⅱ
ひげそり ジレット

 

有名どころばかりです。ちなみにシーゲル二郎はファブリーズとジレットを愛用しています(聞いてない)

世界的には多くの日用品部門でシェア№1ですが、数少ないトップをとれていない1つが日本です。

日本での1位は花王です。ちなみに連続増配は26年で、日本では断トツの1位です。花王も(日本の中で見れば)優良企業です。

6割近くが米国外であり、ドル以外の通貨もしっかり獲得できています。逆に、日本シェア№1の花王は、海外売上比率が3割ほどしかないので、海外展開では大きく後れを取っています。

日用品に限らず、日本は市場としてローカルであり、特殊です。(綾鷹が多く売れるコカ・コーラ社みたいに)

よく言えば研究しがいのある市場、悪く言えばメンドクサイ市場です。

日用品はイメージ通り、不況に強く、安定しています。いくら不景気でも、洗剤やティッシュを買わないわけにはいきません。

また、肌に触れる商品が多いので、安心安全であることが重視されます。そのため、信頼を積み重ねていく企業が、高い利益率を得ることができます。

P&Gは、マーケティングが非常にうまいとされ、広告費は年間1,000億円を超えており、世界でもトップクラスです。

消費者のニーズをとらえ、グッとくるような商品を開発し、みんなに伝えるという基本的なことをしっかり行っているお手本企業です。

あまりに馴染み深いため、P&Gを日本企業だと勘違いしている人も多いようです。恥ずかしながらシーゲル二郎も、投資を始める前は日本企業だと思っていました(笑)

日用品という必需品のトップを取っており、日々の信頼の積み重ねも怠らないP&Gは、これからも生き残り続ける企業の筆頭でしょう。

次に、各データについて分析します。

売上高は、若干減少傾向にあります。P&Gは、多くなりすぎた製品ブランドを整理し、高収益なブランドだけを残して他ブランドの売却を進めてきました。

 

2016年には、米国化粧品大手のコティに、美容品41ブランドを売却しています。そのため、一時的に利益は落ち込んでいますが、今後は伸びていくでしょう。

また、P&Gに限らず、米国企業では洗濯と集中、ではなく「選択と集中」がさかんです。「選択と集中」というのは、自分の得意な分野を生かすための事業買収、逆に収益性の悪い事業を売却していき、自分の得意分野に特化していくことです。

日用品では、それぞれの分野でトップを取るために、選択と集中のための事業再編が盛んにおこなわれています。

 

安定しすぎなくらい横ばいです。典型的な成熟企業です。

営業キャッシュフローマージンは、15%~20%ぐらいになっています。ブランドの選択と集中によりさらに増加していくかと思います。

日用品の製造メーカーですが、営業CFに対する投資CFが少なく、十分なフリーキャッシュフローを生み出せています。また、自社株買いにも積極的で、総還元性は100%を超えることも少なくないです。

 

2015年は事業再編の最中だったこともあり、配当性向が100%を超えてしまいました。しかし、その後の利益の増加や、来年度以降の利益予想を見れば、杞憂でした。

現在は61年増配中ですが、配当余力はまだありそうです。

 

自己資本比率は50%近くあります。P&Gの収益性、ブランド力と合わせて鉄壁の財政状況です。

ROEも十分な数値で、2015年からの急上昇も、ブランド再編の成果が出ているようです。

現時点情報(2017/8/18)

株価…92.07
配当利回り…3.0%
連続増配…61年

配当利回りは3%あり、割高ではありません。2015年の事業再編中に分かりやすく下落し、その後急上昇しています。振り返ると絶好の買い場でした。企業が改革を行うときは、費用がかさみ、決算上の数字は当然悪くなります。しかし、企業が売上を落とすのはある意味予想できるのですから、我慢してホールドしなければなりません。

シーゲル二郎が個別株投資できたなら買っていただろう銘柄です。(後からなら何とでも言えるので言い訳にもなりませんが。)

そもそも配当貴族指数に選ばれるような地味な企業は、基本的にいつ買ってしまってもいいです。特にP&Gのような大御所であればなおさらです。

企業のブランド力、シェア、安定性どれをとっても一流であり、長期投資で成功する可能性は極めて高いでしょう。

しかし、懸念材料が2つあります。一つ目は、日用品のコモディティ化です。

日用品って、正直「このブランドしか買わない」っていうものがあまりない気がします。もちろん、明らかな無名メーカーは避けますが、P&Gと花王の製品があったら、シーゲル二郎は安いほうを買います。これは、ブランド力がないからではなく、「両方とも信用できるブランド」だから起きることです。日用品そのものは、食品や飲料にある「味覚」のような、本能に訴える要素が少ない気がします。

そのため、少ないライバル同士で寡占競争が起きることは避けられません。現状P&Gは花王に苦戦しており、今後世界中の新興国でバトルが勃発するかもしれません。また、メインの購入層が、財布に厳しい奥様方であるのも大きな懸念材料です。

2つ目は、プライベートブランド(PB)の台頭です。

トップバリュやセブンプレミアムなどの、小売業者が主導で販売するPBは、値段を安く抑えることができ、メーカーにとっては脅威です。

また、PBは、世界規模で増加しており、先進国で特に多く、イギリスやスイスでは一般消費財の4割以上がPBです。新興国では現在少ないですが、今後増えていくのは避けれられません。PBの中には製造元が分かるものもあり、有名メーカーが作っているものも多くあります。シーゲル二郎も、よく製造メーカーを見てから購入したりします(笑)

PBの製造元に選ばれるのは、自国に馴染みのある企業になることが多いです。

つまり、米国企業のP&Gではなく、その国の企業が製造元になるため、販売数、価格競争ともに不利になる可能性があります。

外部リンク「世界のプライベートブランド市場動向

それを差し引いても、P&Gの規模は圧倒的であり、今後もうまく事業を展開していくでしょう。

技術力とマーケティング力の強さで、他社との差別化をうまく進めてくれると思います。

また、2016年のレポートでは、次のような言葉が記されており、印象に残ったので、記しておきます。

最終的に当社が成功しているかどうかは、どのような活動を行ったのかではなく、売上高、利益、キャッシュ、価値創造において実際に達成した業績で評価されるものと考えています。
出典「2016年アニュアル・レポート

このような考えが根付いている企業であれば、きっと株主に対しても結果を出してくれるでしょう。また、数字だけを追うのではなく、人材育成や顧客満足度向上をしっかり行ったうえでのこの言葉です。日本企業の経営陣に聞かせてやりたいですね。

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