ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)企業分析

シーゲル二郎です。

今回は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)について分析していきます。

ヘルスケアセクターで時価総額ダントツ1位の超巨大企業です。日本では、「バンドエイド」、「リステリン」などが有名です。

 

連続増配…54年

S&P格付…AAA

採用インデックス
・NYダウ
・米国配当貴族指数
・S&Pグローバル100
・S&P500

 

格付は、最高ランクのAAAです。これは世界にたった2社しかなく、もう1社はマイクロソフトです。

アメリカ合衆国が発行する米国債がAA+なので、さらに上の信用があることを意味しています。

事業内容は、非常に幅広いです。日本で有名なのは、「バンドエイド」、「リステリン」などでしょうか。

絆創膏は、J&Jの社員が、料理でいつもケガをしている妻のために発明したものです。ロマンティックですね。

「バンドエイド」は、J&Jの標章登録になっています。バンドエイド=絆創膏だと思っていた人もいるのではないでしょうか。

リステリンは、もともと外科手術用の消毒液として開発されました。その後、口内洗浄の効果があることが分かり、研究開発されて今の形になっています。

ちなみに写真の2種はシーゲル二郎の愛用品です(聞いてない)

 

しかし、これらの事業はほんの一部です。

家庭用品は2割にも満たず、あくまでメインは医療機関向けの医薬品と医療機器です。

通常、ヘルスケアセクターの企業の場合、医薬品か医療機器どちらかに特化していることが多いです。

J&Jは、まんべんなく事業をしているので、多角経営しているといえます。

また、家庭用品部門があるため、一般消費者に知名度があるのも大きな強みです。

 

出典「ビジネス+IT

 

製薬会社の売上比較です。製薬会社は、自社による開発というよりは、M&Aによる買収によって売上を伸ばしているので、上位3社はコロコロ入れ替わっています。

J&Jは7番目に位置しており、トップシェアではありませんが、十分な存在感は出しています。(今は6位になったのかな?)

薬の開発には、莫大な研究開発費がかかりますが、その中で成功し、利益につながるのはごくわずかです。また、多くのメーカーがこぞって開発をするので、他社に先を越されてしまえば失敗に終わります。

そのため、製薬会社は競争が激しく、ランキングの入れ替わりも非常に多いです。

 

出典「ビジネス+IT

医療機器部門だと、J&Jが圧倒的1位です。2位がゼネラルエレクトリックだというのは意外ですね。

日本では大手といわれているテルモ、オリンパス、ニプロは下のほうにいますね。事業規模の違いを痛感します。

医療機器は、製薬に比べて、同じ製品が継続して使われることが多いです。そのため、メーカーごとの強い分野がはっきりしています。

また、命に係わるものなので、何よりも品質と安全が重視されます。「安かろう悪かろう」はありえません。

つまり、この順位はそう簡単には入れ替わらないということです。

この安定した医療機器でトップを取っているのが、J&J最大の強みです。

余談ですが、「スクラビングバブル」などの掃除用具で有名なSCジョンソンは全く関係ありません。

???「ボクたち関係ないよ!」

 

次に地域別売上を見ていきます。

以外にも海外売上比率は50%を切っています。ですが、医療の最先端がアメリカであることを考えれば、妥当な数字かもしれません。

 

ドル高の影響で、売上の減少が減少していますが、米国内の医療機器が好調なので、純利益は上向きの見通しです。

 

非常に美しいです。営業キャッシュフローは、25%前後で推移しており、超高収益です。事業の安定性を考えればこのプロポーションも納得です。

 

配当金も54年連続で、途絶える気配はありません。配当性向は50%前後であり、残りの半分も多くは自社株買いに使われているようなので、株主還元もばっちりです。

 

自己資本比率は50%をキープしており、鉄壁です。AAAなのも納得できます。ROEも十分すぎるほど高く、ばっちり儲けられています。

 

現時点情報(2017/8/19)

株価…132.63ドル
配当利回り…2.5%
連続増配…54年

最近はグッと上がってしまったので、買いずらいです。

しかし、何度でも言いますがJ&Jのような成熟優良企業であれば、買値はあまり気にしなくてもよさそうです。

もちろん割高ならリターンは減ってしまいますが、少なくとも大幅マイナスといった失敗は考えにくいです。

ジョンソン・エンド・ジョンソンには、クレド(我が信条)という掟があり、責任を負うべきものが4つあると記されています。

第一の責任は顧客に対して、第二の責任は社員に対して、第三の責任は地域社会に対して、第四の責任は株主に対してです。

つまりJ&Jにとっては、株主は4番目に過ぎないということです。

しかし、J&Jは、株主にとっても素晴らしいリターンをもたらしています。

あくまで株主のために利益を得るためには、顧客や社員、地域社会に対する責任もしっかり果たさなければならないということですね。

「会社は株主だけのものじゃない」なんて言い訳してる経営陣に叩きつけてやりたいですね。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、ヘルスケアセクターですが、業務内容が多岐にわたっており、ある意味ゴングロマリットに近いものがあります。

しかし、それが悪いことではなく、多角化による収益の安定性に寄与しています。(多角化せずとも十分安定していますが。)

ヘルスケアという命を預かるセクターのトップであり、技術と信頼で売っている企業です。また、家庭用品では、バンドエイドを筆頭とするブランドも強いです。

市場シェア、安定性、ブランド、企業理念どれを取っても文句なしの一流企業です。

買値さえ間違えなければ報われる企業だと思います。

もしシーゲル二郎が、全財産で株を1銘柄だけ買えと言われたら、このジョンソン・エンド・ジョンソンかスリーエムのうち割安な方を選びます。(どんな時でもバリュエーションは大事)

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