ニューコア(NUE)分析

シーゲル二郎です。

今回は、ニューコア(NUE)を分析していきます。

米国最大の鉄鋼メーカーです。

 

連続増配…43年

S&P格付…A-

採用インデックス
・米国配当貴族指数
・S&P500

 

米国最大の鉄鋼メーカーですが、アメリカにしては珍しく世界規模で見るとそんなに大きくありません。鉄鋼メーカーで生産量世界一は、ルクセンブルクのアルセロール・ミッタル社で、ニューコアの生産量の5倍近くあります。そのため、生産量は世界14位と大きく後れを取っています。

出典「nucor

なぜだかわかりませんが、スクラップ工場を見ると少年のような心を思い出します。鉄は男のロマンです。

素材セクターということで、鉄鋼というコモディティを扱う以上、他社との差別化は難しいです。また、世界的には中国メーカーが上位に多く、ニューコア含む米国勢は押されています。

また、鉄鉱石価格に大きく影響されます。

出典「世界経済のネタ帳

リーマンショック前のバブルがすさまじいですね。もちろんニューコア含む鉄鋼企業も大打撃を受けました。

 

2007年・2008年とそれ以降の利益が全く別物になっています。今後は景気回復に伴い増収増益が見込まれていますが、鉄鋼価格がすべてともいえる事業で、安定感は非常に悪いです。同じように原油価格に左右されるエネルギーセクターと比べても、こちらはより薄利多売であり不安定です。

 

リーマンショックから右肩下がりで素晴らしく汚いです。意外と投資CFが少ない印象ですが、営業CFがばらつきすぎで話になりません。営業CFマージンは10%前後とそこそこのようです。

 

リーマンショック前は配当性向に余裕がありましたが、それ以降はカツカツです。今後は増益見込みとはいえ、今後の連続増配は安心できません。

 

自己資本比率は50%を超えていて十分です。ですが、自己資本比率は気休めにすぎず、一番大切なのは安定したフリーCFであるのは言うまでもありません。

 

現時点情報(2017/9/1)

株価…55.11ドル
PER…15.11倍
配当利回り…2.74%
連続増配…43年

 

PERは15倍と非常に割安です。今後はさらに増益見込みなので、もっと下がるかもしれません。しかし、ビジネスモデルがあまりに不安定であり、本当に割安なのかは不明です。鉄鉱石価格に業績が連動してしまうので、企業自体でどうにもできない問題を抱えているのは大きなマイナスです。

素材セクターやエネルギーセクターは、シーゲル二郎はあまり好きではありません。あくまでこれらのセクターは、コモディティ商品価格に影響されてしまいますので、企業でできることは、商品価格下落リスクに備えて自己資本比率を調整したり、設備投資を抑えたりするような受動的な対策しかできません。(エネルギーセクターのエクソンモービルやシェブロンは、このあたりが非常にうまいので、シーゲル派含む長期投資家から人気が高いです。)

自己資本比率が高ければROEが下がり、資本効率が落ちますし、設備投資を調整するということはフリーCFの金額が安定しないことにつながり、刺激的なキャッシュフローになってしまいます。

これらのセクターに投資をするのは、「配当金が出る商品」と思って投資をしたほうがいいのかもしれません。(石油派の人に怒られそう。)

あくまでシーゲル二郎は、どんな時でも安定して購買力を維持できる資産運用を目指しているので、常にフリーCFを安定して生み出し、その中で配当金を払える企業に投資をしたいので、このニューコアもあまり投資したいとは思いません。

逆に言えば、素材セクターで43年連続増配はそれだけニューコアの財政管理が素晴らしいともいえることであり、優良企業であることは間違いありません。

 

 

 

 

 

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